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2008年06月04日

新人を指導するOJT担当は、一人で指導していない


ASTD2008でお会いした際に

東京大学の中原先生がおっしゃっていた


「OJTは、“関係”(上司と部下)でとらえられがちだが、

 “環境”(職場で育成を見守っていく)が大事。」

これは、小職が「OJT研修」でお伝えしている


「OJTがうまくいっている職場では、指導員一人で育成を抱え込んでいない。

 自分の部署だけでなく他部署も上手に巻き込んでいる。


 新人にとっては“教えてもらえる人・訊ける人”を増やしてあげることになり、
 
 新人の社内外人脈形成の支援にもつながる」


 という点にもつながるかもしれません。

研修の話になってしまいますが、研修内では参加者に「人脈マップ」

というものを書いてもらいます。


自分がOJT指導員として、新人を育成することを「手助けしてもらえそうな人」や、

「〜に詳しい●●さん」をリストアップするためのものです。


新人が困るのは「誰が何に詳しいか分からない」という点です。

OJT指導員は、少し先に職場にいて

「十全的参加」(LPP理論)をしている人です。

「新参者」である新人が「周辺参加」していくことを手助けする

「いざなう人」(佐伯教授の言葉)であるともいえます。

組織の中で上手くやっていくために、組織内の人脈を紹介し

新人が組織内で成長していけるよう「いざなっていく人」が

OJT指導員であると考えられます。

つまり、OJT指導員一人が、新人育成に関わるのではなく、多くの人が

新人育成に関わることで、新人が成長していくのです。


ひいては、新人が入ることで、そして新人を通じて先輩社員がつながることで、

職場のコミュニケーションが活性化されるということもあるでしょう。

私自身は、新人へのOJTは、「不機嫌な職場」と言われる

現在の職場環境を活性化させる起爆剤になるのでは、と考えています。

だからこそ、OJT指導員は新人指導を一人で抱え込むべきではないのです。

新人指導を通じて、職場内につながりを取り戻す。


「今日は、ここまで教えたよ」とAさんが言えば、

「〜については結構楽しそうにやっていたよ」とBさん。


それを聞いて「それじゃー、今度は●●をやらせてみましょうか」とOJT指導員。

新人へのOJTは、ボトムアップ式の職場活性化方法かもしれません。

東京大学の中原先生とバッタリ・・・


ASTD2008 最後の基調講演に行こうと移動していたら、

なんとなく見覚えのある人があるいていました。


背がすらっと高いアジア系の男性です。


(もしかして・・・)


と思って近づいてみると、


東京大学の中原淳先生でした。

「あ、関根さん、どうも」


事前にメールでASTDに行くことはお知らせしてあり、

先生からも「向こうで会うかもしれませんね」とメールを頂戴していたので、

「やっぱりお会いしましたね」という感じでした。

基調講演に行く前の、10分ほどの立ち話だったのですが、

とても貴重なお話を聞かせて頂くことができました。


お子さんが、うちの次女(2歳)と同じくらいなので、

子供ネタも盛り上がりました。


「新人へのOJTが上手くいっている職場では、指導員一人が教えていない」

という話を投げかけると


「それは、確かにそのとおり」

といって、いくつかの説を教えてくださいました。


・Developmental Network(発達的ネットワーク) ヒギンズ

・Reciprocalcity(互恵性)

・世代継承性 エリクソン

中原先生は、


「能力開発は、個人の能力・キャラだけではなく、

 職場の環境が大切である」


というメッセージを伝えるべく新刊を著されているそうです。

(出るのが楽しみですね)