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2007年02月28日

若手社員に気づきを与える方法

●若手社員に気づきを与える方法


武田マネジメントシステムス代表取締役の武田哲男さんが、

日経産業新聞(2007年2月27日)で、こんな話をされています。


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特に劣悪なサービスを提供する店を見つけて、若手社員に行かせる。

観察させた上で「どんなことに気づいた?」と質問する。


自分のことには無頓着でも、他人のことは割りと見えるもの。


徹底的に気づきや問題点を挙げていくと、その後はわが身を

ふり返り、自身の行動に対しても配慮できるようになる。

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「悪い例」を観察させ、質問し、自身の行動をふり返らせる。


簡単にできて、しかも効果的なやり方ですね。

2007年02月21日

新人指導は、若手がメインで、ベテランがサブ。

●新人指導は、若手がメインで、ベテランがサブ。

2月20日の日経産業新聞に、三世代で技能伝承の取り組みをしている

自動車用プレス金型大手の富士テクニカの事例が出ていました。

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富士テクニカは、一人の若手技術者が新入社員数人を

一年間専任で指導する仕組みを約四十年前に導入した。

(若手技術者は)この一年は通常業務を離れ指導に徹する。

河崎功生産本部副本部長は「毎年技量と人格から教えるに値する

入社七―十年目の若手技術者を抜てきする。教えることも勉強のうち」と話す。

(新人である)安田さんは「顧客企業に出向いて金型取り付けの最終調整が

できるようになりたい」と夢を膨らませ、(指導担当の)芦沢さんは

「教えることで自分の技能を見直せた」と自らを振り返る。


(二人を見守る50代のベテラン)満永さんは

「芦沢さんが指導を通じて一人前になってくれるのは楽しい」と目を細める。


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新入社員の指導を、1年間専任で行う20代の若手技術者。

若手技術者の指導振りを見守り、時折手を貸す50代のベテラン技術者。

40年以上続いているというこの制度。


技能伝承の一つの解決策を示しているのかもしれませんね。

「はびこる“無常識”社員」

●「はびこる“無常識”社員」


日経産業新聞(2007年2月20日)に、面白い記事が出ていました。

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若手社員は「非常識」ではなく、常識そのものを

家庭や学校で教わっていない「無常識」である。


こうした若手社員を批判したり、犯人探しをしても

始まらない。

初めから常識がない、「無常識」だと認識することから

始めないといけない。

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初めから常識がない「無常識」だと考えれば、

腹も立たず、「教えてあげよう」という気になるかもしれませんね。

「仕事スキルよりも基本マナー」

●「仕事スキルよりも基本マナー」


2007年2月20日 日経産業新聞より

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日経産業新聞とNTTレゾナントが行った調査によると

30〓50代の部下や後輩を持つ人に、入社3年未満の若手社員に

「入社3年以内に、ぜひ身につけて欲しいこと」と聞いたら、

そのトップが「あいさつなど基本マナー」(72.2%)

つぎが「言葉遣い」(62.8%)であった。


仕事スキル以前に、早く基本動作を身につけてほしいと

いう上司や先輩の切実な願いが浮き彫りになった。

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「あいさつ」や「言葉遣い」がなっていない若手社員が多い。

逆に言えば、少しでも「あいさつ」や「言葉遣い」がきちんとしていれば、

それだけで「差別化」が図れます。

「あいつは、他の奴とは違う。」と、一目置かれるようになります。

仕事を教えてもらい、早く一人前になるためにも

「あいさつ」や「言葉遣い」をきちんとしましょう!

2007年02月18日

学ぶことで何を得るのか?


●学ぶことで何を得るのか?


私達が「学ぶことで何を得るのか」について考えていきます。
学ぶとは知識を得ることだけではありません。

学校では主に「先人の知恵」を学び、それを暗記し
試験で再生することが求められてきました。

しかし、これだけが学びではないのです。

逆に、学校時代の学び「暗記と再生」が嫌で、
学ぶこと自体が嫌いになってしまったという人もいるでしょう。

私は、学ぶことで4つのことが得られると考えています。

「世界が広がる」「自分が高まる」
「自分が深まる」「地に足がつく」の4つです。


【世界が広がる】

学ぶことで、新しい知識が得られます。

知らないことが分かるようになり、私達の世界が広がります。

いわば、新しい土地を旅するような楽しさ、発見の旅が
学ぶ楽しさにはあります。

私達は学ぶことで、自分の世界を広げているのです。

【自分が高まる】

学ぶことで、一段ずつ階段を上がっていくようなイメージです。

学ぶ前には見えなかったことが見えるようになる。

例えば、新人のときには分からなかったことが、
経験を重ねていくうちに見えるようになることはよくあります。

地上にいたときは見えなかったことが、屋根の上からは見える。
そんな状態です。学ぶことで、自分が高まり視野が変わってくるのです。


【自分が深まる】

学ぶことは自分に向き合うことであるとも言えます。

何故なのか?どうすればよいのか?など、
学ぶとは自分に対する問いかけ、時に哲学的なもの、
を繰り返すことでもあります。

問いかけを繰り返すことにより、深く考えるようになります。

「人間は考える葦である」というのはパスカルの有名な言葉ですが、
私達は「考える」からこそ人間であるとも言えるのです。

学ぶとは、私たち自身を考えさせ深めてくれる力を持っています。


【地に足がつく】

学ぶことで、世界を知ることと自分を知ることで、
自分の「位置」が見えてきます。

自分は世界の中でどこにいるのか。地理的なことというよりも、
哲学的な観点から自分の「位置」が見えてきます。

別の言葉でいうと、学ぶことで「自分の存在理由」が見えてきます。

自分は何のために存在するのか。

それが見えてくれば、学ぶことで知識だけを追い求めない。
他人よりちょっとだけモノを知っていることを鼻にかけたりしない。

学ぶことで、地に足がつき確固たる
自分というものをもてるのではないでしょうか。


この4つを得ることで、私達はどうなるのか?

私は「自分になる」のだと思っています。

新しい自分になる。既にある自分になる。新しい自分を発見し、
既にある自分を再発見していくような楽しさが、学ぶことにはあります。

東京大学の佐伯ゆたか教授は「学ぶということの意味」の中で、
学びは「自分探しの旅」であると表現しています。


人は何故学ぶのか?

この問いに対する答えは、まだ分かりません。


ただ、自分自身の経験から言うと、

単純に「学ぶことは楽しい、だから学ぶ」そう思っています。

学ぶことで、どんどん自分のことや世界のことが分かってくる。

学び上手の上級ランクは「己を知り人を知る」人なのかもしれません。

道は長いですね

学び上手が世界を変える!


●学び上手が世界を変える!


少し大げさな言い方かもしれませんが、私自身は「学び上手」が増えれば、
世界はもっと良くなっていくと思っています。

学び上手は一言でいうと「自ら考え行動できる人」です。
言われたことだけやる指示待ちの人間ではありません。

少し単純化した言い方ですが、日本では戦後から20世紀後半まで、
ほぼ正しい答えややり方があり、それに従えばよかった時代がありました。

しかし、21世紀の現在はどうでしょうか。正しい答えややり方がない、
先が読みづらい時代になっているのではないでしょうか。

アルビン・トフラー教授が「第三の波」で表現したように
激しい変化が常態化しているのが、今という時代ではないでしょうか。

そんな時代に生きている私達にとって、必要なのは何なのか?

私は「学ぶ力」だと思っています。変化が激しい時代だからこそ、
変化から学び成長していくことが必要だと考えています。


私には娘が二人います。彼女達はこれから様々な問題に直面し
壁にぶち当たり、挫折も経験することでしょう。

それらに対して、親である私が全てに手を貸すことはできませんし、
する必要もないでしょう。

なぜなら、彼女達は自分で生きていかないといけないからです。
自分で解決できなかったことは、必ずあとでまた自分に降りかかってきます。

だからこそ彼女達には「学ぶ力」を持ってほしいと願っています。

これからの時代は、決められたレールにそって
人生を歩めばよいというものではありませんし、
決められた物事をこなしていく時代ではないでしょう。

自ら考え行動する力が更に求められます。

福沢諭吉は「学問のすすめ」(檜谷昭彦訳)のなかで、
「学問とはつまるところ、この判断力(選択する力)
を養うことにある」と述べています。

自ら考え判断する力を養う、それが学ぶことの意義なのです。


「学び上手」は変化に対応でき、変化から上手に学ぶことができます。

そんな「学び上手」が増えればこれからの世界は
もっと良くなると私は信じています。

私自身「学び上手になる」ために、
「自分になる」ために日々学んでいきます。

「仕事の覚え方」おまけの話

書籍「仕事の覚え方」に紙面の関係で載せきれなかった
「おまけの話」をご紹介します。

●わかりやすく「話す」コツ


簡潔明瞭で分かりやすい話をするためのコツを
確認しておきましょう。ポイントは、3つです。


(1)話す内容を整理する


 相手に話す前に、まず自分の頭の中を整理する必要があります。
 自分でもよく分かっていない話を、相手にわかってもらうのは難しいからです。
 
 これは上司への報告、関係者への連絡、先輩への相談、
 お客様への説明、会議での発表、プレゼンテーションなど、全てに当てはまります。

 分かりやすく話すためには、まず、話す内容を整理することから始めます。

 話す内容を整理する際に役立つのが、「サンドイッチ・フォーマット」です。
 拙著『教え上手になる!』でもご紹介していますが、このフォーマットを使えば
 簡潔明瞭な説明ができるようになります。

 詳細は前掲書にゆずりますが、フォーマットの肝は、
 自分が伝えたい内容を「3つに絞る」という点です。

 「3つに絞る」ということは、それ以外は話さないという選択をする
 ということでもあります。話す内容を整理するということは、
 「何を話して、何を話さないか」を決めることでもあるのです。

 話がダラダラして「何が言いたいのか分からない」という人は、
 えてして「何を話さないか」を決めずに喋っています。
 頭の中に浮かんだことを全て伝えようとするので、
 相手にとっては分かりづらいのです。

 まずは、自分の頭の中を整理する。
 これが、分かりやすい話をするための最初のポイントです。
 


(2)口に出して話す練習をする 


 あなたが本気で、分かりやすい話をしたいと考えているなら
 「口に出して話す練習」をすることをおすすめします。

 いくら頭の中で整理されていても、紙に書いても、
 パワーポイントで資料を作ってみても、
 口に出して話すと上手くいかないことはよくあることです。

 「話す」というのは、「口」を動かして「音」を出して
 「言葉」を伝えるという作業になります。

 私達が考えている以上に、高度で複雑な作業をしているんですね。
 しかも目の前に相手がいて行うわけですから、緊張感や不安感から、
 頭で思っている通りに進まないことも多いものです。

 役者がリハーサルをしてから本番に挑むように、
 大事な発表、プレゼンテーションの前には、
 「口に出して話す練習」をすべきです。

 何度も練習しているうちに、
 余計な言葉がそぎ落とされ簡潔明瞭な説明ができるようになります。

(3)場慣れする 


 分かりやすい話ができるようになるためには「場慣れ」も必要です。

 人と話すのが苦手だからといって、そういう機会を避けていたら、
 ますます出来なくなります。それが更なる苦手意識を作っていきます。

 なるべく、自分から「話す」機会を作る。
 「アウトプット(発信)」する場を増やせば増やすほど
 「インプット(収集)」は増えてきます。

 情報は発信した人のところに集まるものです。
 怖がらずにどんどん「話す」機会を作っていきましょう!


●仕事で道に迷わない「マップ」術


 「マインドマップ」は、イギリスのトニー・ブザン氏が考案したものです。

 私自身は「人生に奇跡を起こすノート術:マインドマップ放射思考」(きこ書房)で、
 マインドマップという手法を知り、大げさですがその後の人生が変わりました。

 「マインドマップ」の詳細については、ブザン氏のいくつかの著書に
 譲りますので、ここでは私がどのように活用しているのかという例と、
 仕事覚えへの応用という2点だけお伝えします。

 まず、私自身は「マインドマップ」を発散的ツールとしての「メモ」と、
 収束的ツールとしての「ノート」の二つの切り口で活用しています。

 例えば、お客様と面談し相手の話をメモにとるときも、
 マインドマップの手法を用いています。

 お客様のいったキーワードとそれに関連する内容を、
 どんどん書き出していくというやり方です。

 以前は、7〓8ページ使っていたものが、
 A4一枚に不思議とおさまるようになりました。
 
 マインドマップで人生が変わったと実感する機会の一つが、本の出版です。
 前著『教え上手になる!』も、今回の本も、文章を書き出す前に
 マインドマップを使っています。マインドマップがなければ
 本を書くこともできなかったでしょう。

 更に、研修の企画を練るときや講演で話す内容を考えるときも、
 マインドマップを使っています。つまり何か「アウトプット(発信)」
 する前の「プロセッシング(整理)」の段階で、マインドマップを使っているのです。


 マインドマップは、「発散と収束」の両方の要素を兼ね備えています。
 例えば、何か企画を練る際は、とりあえず「メモ」的にマインドマップで、
 アイデアを発散させていきます。ここで私が意識しているのは、
 コンサルティング会社のマッキンゼー社が提唱する
 「MECE」(モレなくダブりなく)でいう「モレなく」という部分です。

 マインドマップに書き出すことで、情報が「モレなく」網羅されているのかを
 チェックします。次に、そのアイデアを「収束」していく段階
 (つまり「ダブりなく」ですね。)で、マインドマップに色をつけていきます。

 この作業を通して、情報を整理していくのです。マインドマップを用いると、
 情報の洪水に埋もれたり、アイデアがまとまらなくなったりするという状態を
 避けることが出来ます。

 つまり、マインドマップは頭の中が道に迷わない
 「マップ(地図)」であるということですね。

 あなたが、仕事で学んだ内容を整理するときや、
 何か企画を考えるとき、あるいはプレゼンで発表する
 内容を考えるときなどにも、マインドマップは使えるツールです。

 最後に、マインドマップを仕事覚えに活用する方法について述べます。
 それは仕事の「全体像」を把握する際に、マインドマップを使うというやり方です。

 例えば、自分の仕事は何なのか「仕事マップ」を作ってみたり、
 所属する部門は会社全体のどういう位置にありどんな役割を持っているのかを
 「組織マップ」として作ってみたり。

 あるいは、自分が相談できる相手、質問にいける相手をはっきりさせる
 「人脈マップ」を作ってみたりと。

 マインドマップを使えば、自分がどこにいるか分かりづらい、
 道に迷ってしまいそうな「ビジネスの世界」を上手に進んでいくことができます。
 
 特に「仕事マップ」は、仕事覚えが進み、仕事理解が深まるほど、
 精度を増していきます。あなたが「学び上手の初級ランク」として、
 仕事の「型」「成功パターン」を見つける頃には、
 この「仕事マップ」をしっかり描けるようになっているでしょう。

 「仕事マップ」が描ける人は、仕事が見えている人ですから。


●組織目標を自分のものにする方法


 ここでは「目標」を2種類にわけて考えてみます。
 「組織から与えられる目標」と「個人の目標」の2つです。

 「組織から与えられる目標」というのは、私達が雇われている理由と
 考えることができるでしょう。
 
 「こういう仕事を、この程度まではしてほしい。
 そのためにあなたを雇ってお金を払いますよ」といった側面が、
 組織から与えられる目標にはあります。

 会社が私達に期待するものでもあり、お金をもらっている私達が
 果たすべき義務や責任であると考えられます。

 そしてこういう目標は、だいたい上司から与えられます。
 営業なら「今年度はこのくらいの数字をやってね。」など。

 ただ、「与えられる」という言葉の印象どおり、
 組織からの目標はえてして「上から与えられたもの」「自分ではどうしようもない」
 他人事のような感じをもってしまう人もいます。

 しかし、組織に属する人間として結局その目標を
 前提に評価をされるわけですから、どうせなら納得いく「自分の目標」に
 落とし込めたほうがいいわけです。

 だからこそ、組織からの目標を「自分のもの」とできるように
 私達自身が働きかけたほうがよいのです。

 例えば、上司との目標設定ミーティイングの際に納得いくまで
 話を聞いてみるなど。

 あるメーカーで営業をされていたFさんは

 「組織から与えられる目標に、20%上乗せして自分では目標を設定していましたね。
 プラスアルファを設定すると、思った以上の力が出せたので。」

 といった工夫をされていたそうです。

 また別のやり方として、組織の目標と自分の目標に
 「折り合い」をつけるという方法もあります。

 組織の目標を達成することが、自分の個人的な目標達成にも
 つながるという状況を作り出すということですね。

 例えば、将来独立起業するという個人的な目標に向けて、
 現在与えられた仕事を、そこに向けて活かしていくような感じです。

●目標設定の「はぐき」の法則


 最後に目標設定の考え方だけ簡単に確認しておきましょう。

 ここでは私自身の例を中心にお伝えします。
 私の場合、目標を「長期」「中期」「短期」の3つに分けて考えています。

 「長期目標」は、60歳までにやりたいことです。
 大きなことを言いますが「日本の教育を変える」「家族を幸せにする」と
 いった目標がここに入っています。

 「中期目標」は、3〓5年の期間に「やりたいなー」と
 思っていることを漠とですがあげています。
 ここには会社の事業内容や研究したい分野などを入れています。

 「短期目標」は、1年間の目標をもとに、半年、1ヶ月、1週間単位で
 細かくしていっています。

 そしてこの「短期目標」を立てる際に
 意識しているのが「はぐき」という考え方です。

「は」:測れるか? 「ぐ」:具体的か? 「き」:気合がはいるか? の3つです。


これはいわゆる「SMART」という目標設定の基準と同じような考え方です。

・Specific 具体的か?
・Measurable 測定可能か?
・Achievable 実現可能か?
・Relevant 適切か?
・Timed 期限は?

「SMART」の頭文字は人によって様々な言い方がされています。
ただ言っていることは、だいたい一緒です。

「測れるか」「具体的か」「気合が入るか」

私は「はぐき」で目標設定しています。


例えば、お恥ずかしいのですが、
2006年4月には、こんな目標を立てました。

・2007年4月には「学び上手になる!」研修を十社が導入している
・2007年4月には4冊目の本が書店に並んでいる など

達成できたかできなかったのか、
きちんと測れるよう「数字」を意識して入れています。


また、プライベートでは妻との約束として下記目標もあげています。

・2009年4月には自然豊かな環境で新しい家に住んでいる


 こうやって宣言してしまえばやらざるを得ませんね(笑)。


●コントロールできるのは準備だけ


 「Plan」の最後は、「準備」です。

 計画まで立てたら、あとは実行に向けて細かい準備をしていきます。

 「準備」と「実行」の2つを「コントロール(管理)のしやすさ」
 という観点でみると、私達がコントロールしやすいのは「準備」です。

 例えば、プレゼンテーションを「実行」する際は、相手がいますので、
 その場を思い通りにコントロールするのは難しいですよね。
 思ってもみないことが起こったりもしますので。

 本番をコントロールするのは難しいことです。

 それに対して「準備」は私達がコントロールできます。

 要は「準備の時間をとったかとらないか」です。
 これは私達自身で管理できることですから、
 準備していないのは私達の責任になります。

 一流のスポーツ選手たちも準備をコントロールすることを重要視しています。
 本番では色々なことが起こりますからね。

 柔道の谷亮子さんはあるインタビューでこんな風に答えていたそうです。
 「私が準備をすれば勝てる。準備できない試合には出ない。」
 準備の大事さと結果とのつながりを言い表した言葉ですね。」


 自分の例で恐縮ですが、私が仕事覚えの初期の頃、
 先輩が評価してくれたのはこの「準備」でした。

 プレゼンにせよ、お客様との面談にせよ、先輩の目から見れば「本番」での
 私はたいしたことはありません。

 ただ、その本番に向けてどれだけ「準備」をしてきたか、そこを見てくれました。

 まだ半人前の段階でも、私達の「やる気」を示すことはできます。
 それが「準備」に力をいれることなのです。

 ただ、「準備をしっかりやったので、本番がだめでも勘弁して下さい」
 という言い訳のためではないですからね。

 本番をコントロールすることは難しい。
 私達にできるのは「準備」をコントロールすることである。

 準備をコントロールするということは、
 いわば準備の時間をどう捻出するかという「時間管理」の側面が
 強くなります。

 結局「準備」は「やるかやらないか」です。
 しっかり準備して実行にのぞみましょう!

以上、書籍「仕事の覚え方」に載せきれなかった「おまけの話」でした。

学び上手の3ランク

●「学び上手の3ランク」(初級・中級・上級)


「学び上手」には、3つの「ランク(等級)」があると考えられます。
「初級」「中級」「上級」の3つです。


◎「初級ランク」の学び上手

学び上手の「初級ランク」は、自分の「型」を見つけた人です。

仕事を進めるにあたって、自分なりの「成功パターン」を
確立している人が、「初級ランク」です。

営業だったら、お客様と面談し受注につなげられる。
営業として成果を出すための自分なりのパターン(型)をもっている人です。

これは、「失敗学」の畑村洋太郎工学院大学教授の言う「定式」にもつながります。

畑村さんは、著書「失敗を生かす仕事術」の中で、
“定式とはこうすれば上手くいくというやり方” 
“定式がなければ日常の仕事をしていくにもすべて手探り状態で行わないといけません。
これでは仕事が上手くいくはずがありません。”と述べています。

この「定式」つまり自分の仕事における「成功パターン」「型」を、
見つけ出し自分のものとすることが、まず「初級ランク」の学び上手に求められます。


逆に初級ランクに達しない「学び下手」は、
この「型」が見つからない人です。

なかなか自分なりの「成功パターン」が見つけられず、
自分ひとりで仕事が回せない。

常に、先輩や上司がついていないと仕事ができない。

先ほどの営業の例だと、自分ひとりで訪問しても受注できない。
かならず上司に同行してもらわないといけない。

こういう「学び下手」を、周囲は信頼してくれません。
ですから、仕事も任せてもらえず、一人前として認めてもらえないのです。


◎「中級ランク」の学び上手

学び上手の「中級ランク」は、他人の「型」から吸収できる人です。

「初級ランク」を満たしている訳ですから、既に自分なりの
「型」「成功パターン」は持っています。

自分だったら、ある程度こうやれば仕事は上手くいく、
という「定式」をもっているわけです。

しかし、「中級ランク」の学び上手は、
現状の自分の「型」に甘んじていません。

他の人のやり方で良い点があれば、どんどん取り入れようとします。

自分の型あるいは「軸」をしっかりさせた上で、
他人の「型」から学んでいきます。

つまり柔軟性があるということです。

例えば、企画という仕事をしていて、自分なりの企画発想、
企画遂行の成功パターンをもっていたとしても、
一緒に仕事をする同僚や先輩、他社の企画担当者や取引先の「やり方」を見て、
それらからも上手に吸収し、自分の「幅」を広げていく。

いわば、「アメーバ」のように柔らかい発想とすばやい行動が、
「中級ランク」の学び上手です。


それに対して、「中級ランク」の学び下手は、
自分の「型」にこだわります。

他の人のやり方や考え方を認められず、硬直しているのです。

前述の畑村さんは次のように、この「中級ランク」の学び下手を表現しています。
“自分が経験で得た知識にとらわれて、柔軟な発想ができなくなっている(中略)
私はこれを「偽ベテラン」と呼んでいます。”

仕事はある程度できるが、それ以上の成長が見込めない人。
逆に、これから伸びてくる若い人たちの目を摘み取ってしまう恐れがある人。

それが「中級ランク」の学び下手です。


◎「上級ランク」の学び上手

学び上手の「上級ランク」は、他人を活かしている人です。

自分なりの「型」も持ち、かつ様々なやり方も吸収し、
変化に対応できる柔軟性がある。

しかし、ここまで見てきた「初級・中級ランク」が
個人の能力依存だとするならば、「上級ランク」は、
他人の能力を上手に活用できる人です。

自分の能力の幅も理解している。
その上で、周囲の仲間や後輩、同僚の力を引き出し、
彼らに動いてもらう。

自分だけで、全部の仕事をしようとするのではなく、
他人の力を活用する。それが、「上級ランク」の学び上手です。


「上級ランク」にまで来た「学び下手」は、いわゆる「できる人」です。

(有)ドリームコーチ・ドットコム代表取締役の吉田典生さんの著書
「なぜ、できる人はできる人を育てられないのか?」には、
「できる人」が他人を上手く活用できていない事例が数多く出てきます。


「上級ランク」の学び下手は、「中級ランク」まで満たしている訳ですから、
周囲のやり方や考え方から学ぶ柔軟性は持っています。

ところが、彼らはなまじ優秀で「できる人」であるため、
全て自分でやろうとする傾向があります。

つまり他人を信頼し、他人に任せることができないのです。
自分だけの力には限界があります。

周りの人に協力してもらうことで、自分ひとりでは
考え付かなかったようなことができるのが、仕事をするおもしろさの一つです。

その可能性を放棄してしまっているのが、「上級ランク」の学び下手なのです。


ここまで、学び上手の3つのランク「初級」「中級」「上級」を確認してきました。

あなたが新しい仕事につく新入社員の方や転職者の方であるならば、
まずは、「初級ランク」の学び上手を目指してみてはいかがでしょうか。


そのためには、「学びスキル:7つの行動」を使い、
自分自身の「PDCA」が回せるようになることです。

「PDCA」を回すことができれば、それを通して自分なりの
仕事の「型」「性向パターン」を見つけていくことができます。

その上で、更に上のランクを目指していきましょう!

2007年02月17日

いよいよ発売!

4冊目となる書籍「仕事の教え方」が、

いよいよ来週から発売されます!

(日本能率協会 編集担当の桑田篤さん、ありがとうございました!)