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2013年03月28日

セミナー「新人教育をアカデミックに語ろう!(2)」を開催しました

2013年3月27日(水)9時30分〜12時 @ こどもの城 902

「新人教育をアカデミックに語ろう!(2)
 
  〜なぜ、OJTが上手くいかないのか?〜 」を開催しました。

当日は、企業の人事教育担当、研修講師、コンサルタント、
研修ベンダーの方々など、18名様にご参加頂きました。


===

セミナー前半では、

「新卒採用と職場OJT」について

・1920年代、1950年代、1980年代
・1990年代以降

と分けて概説しました。

新卒社員に対する職場でのOJTが上手くいくためには、

・村社会の一員を目指す
・長期雇用
・企業内特殊スキルの習得

が前提として必要であるということ。


しかし、バブル経済崩壊後の人件費削減をきっかけとした

・企業側の人的/時間的余裕の欠如
・個人/組織間および学校/企業間の信頼の崩壊
・求められるスキルの変化

により、新卒社員に対する職場OJTは上手くいかなくなってきていること
について、先行研究を基に紹介しました。

その後の参加者同士の意見交換では次のような意見が出てきました。

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・嫌われたくない先輩が、業務は教えるけど、仕事に対する姿勢とか
 生き方、裏の文化等について教えようとしない

・学校から送り出す側としては、1年間は辞めないでほしい。
 辞めない学生は、人間関係が上手くいっている。

・上司とOJTリーダーとの役割

・最近の若い人は、上司、先輩に相談せず、ネットで調べる。
 ワンピース世代。

・最近の若い人とはいっても、いつの時代も一緒かも。
 ただ、昔は余裕があって、箸の上げ下げまでこまめに指摘されたが
 今は、その余裕が無い。今の若い人の環境の方が恵まれていないのかも。

・1979年に入社したが、確かにこうるさい先輩は多かった。
 失敗したら怒られる。

・OJTの仕組みは残っているが、形骸化している。

・昔はよってたかって教える雰囲気はあったかも。

・何をもって「OJTが上手くいった」と判断するのか。
 どういう状態が、OJTとしての理想、あるべき姿なのか。

・OJTが上手くいくには、

 1)会社の風土環境:重厚長大産業であれば今も村社会
          ベンチャーは実力主義、先輩よりも後輩が詳しい技術

 2)人間関係:入社当初は一生働こうと考える新人。
        辞めずに引きとめるのは職場の人間関係なのかも。

 3)尊敬:技術に疎い先輩でも何か一つ尊敬できる点があれば後輩は従う

・技術変化のスピードが速い中、先輩においつき、追い越せという後輩
  教える側が教えるメリットを感じにくいかも。

・OJTが上手くいくには、理念に共感していることも大事かも。

・ゼネラリストへを、どうOJTで育てるかが難しい。

・先輩側に、教えるインセンティブが少ない。

・謝ろうとしない学生もいて、益々教えたくなくなる。

===

セミナー後半では、「組織社会化とOJT」に関する学術知見を紹介しました。

OJT(On the Job Training)の定義は、様々であり

・仕事をしながらの教育、訓練
・学ぶ仕組み(お前が自分でトレーニングしろ)
・キャリア
・上司による部下指導
・社会的社会化戦術

今回のセミナーでは、OJTを狭義に捉え、
新卒社員の組織社会化(=組織への適応)を促す
「OJT:社会的社会化戦術」について議論していきました。


その後の意見交換では、次のような意見が出てきました。

===

・ナナメの存在を用意しておくことが大事なのかも。

・ある会社では、ブラザー/シスター以外に、ラインでの先生もいる。

・1対Nのマネジメントをするのが、上司の仕事なのかも。

・人数がいない中小企業の場合、難しい。
 その際は、社外に求める必要があるかも。

・上司の関わり方は。

・ここまでの関わりを作るコスト。新卒にそれだけ投資できるのか。

・なじむためには、人脈(誰が何に詳しいか)は広がった方がよい。

・指導員の選任が、てきとうである上司もいる。

・指導員に対するフィードバックがあると、指導員自身の意欲向上に
 つながるかも。

・指導員のレベルも重要。

・相談する相手によっては、新人の不満が増大してしまうかも。

・異質なメンバーの中にいるときには、意図的に同質な接点を作って
 あげる必要があるかも(女性だけの職場に、1人の男性)

===

参加者の皆さんから頂戴したご意見、ご感想、ご要望です。

(アンケートから許可を得て掲載)


●学んだこと・気づいたこと

・新人が適応するには「組織からの働きかけ」と「新人の能動性」の
 両方が必要だと言うことを改めて認識しました。

 どちらかが足りないという一方的な議論になりがちですが、やはり
 両方から見ていかなければと思いました。

 また指導員を始めとした組織からの働きかけについては、上司、他者
 含め、新人の入る部門がチームとしていかに機能しているかも大きな
 ポイントだと感じました。

 新人が入ってくることで、チームとして機能していく(皆で
 ミッション以外の一つの目標が共有できる)ということもあるかも
 しれないですね。

・「人間関係が人をつくる」ということ。

・今まで離職しない人について「人間関係」のみでしか説明
 できなかったのですが、確かに関根さんの示された項目もあります。
 より具体的に考えることができました。

・上司の役割は、1対Nの「Nのマネジメント」
 (指導員にNのコーディネートまで任せるのは難しいが、
  「巻き込め」の一言でやらされているのが現状の所もある)

 そして、人事の役割は「1対Nの仕組み」を作ること。

・上司、指導員に対して、会社がサポートできることが
 あるのではないかということ。

・新人が職場になじむための仕組みを、職場全体で意図的に作っていかない
 とならない。指導員を主体に他の職場メンバーの支援は、新人の
 「受け入れてもらっている感」を促進することになるのではと感じた。

・指導員に責任転嫁(おしつけ)がされやすい職場環境において、
 いかに職場内の役割分担をしていくかは重要なテーマと考えさせられた
 (かつ簡単に答えが出ない)

・OJTの狭義を「社会的」社会化戦術とした時の3つの前提条件
 組織社会化における職場の関係性
 体系的な知識の整理

・効果的なOJTのポイント:同質、異質が必要。
 新人が社会化していく為のポイント:役割明確化、自信、人間関係

・「OJTが機能する」ことは、「新規学卒者の一括採用」とセットと 
 いう観点は、現場の人達にはないもので、だからすぐ「ゆとりは・・・」
 と新人のせいにしてしまうのかなと思いました。

 40代、50代が「村でうまくやっていく」ことのOJTを考え、若手の意識は
 すでにそこにはいとき、どうやって「学び」に対するモチベーションを
 維持させる(する)かは難しい。

 社会化:「適応」をキーワードにするというのは、シンプルで
 分かりやすいですよね。OJT担当者も「何を指針」にして指導にあたれば
 よいのか不安なので、目安・指針を「適応」とするのもいいなと。
 
・時代背景的な話はあまり意識していなかったので、面白かったです。
 
 新人OJTに周りの人がどのように関わっているのかの研究も、
 このように整理して頂くと、非常に分かりやすかったです。

・経験学習については、仕事でも常に考えているのですが、
 新人OJTという違う観点から見る機会を頂いたことで、上の層のOJTに
 ついても考えました。例えば、修羅場経験、粒の大きさなど。

・アカデミックに対する親しみが増しました。

・とても難しいお題でしたが、その難しさに十分価値ある興味深い議論が
 できました。OJTというものを、この業界に携わりながらも、抽象的に
 捉えている自分に反省出来ました。

・OJTに関する悩みは、企業規模その他に関わらず、普遍的はものだと
 あらためて感じました。チームのメンバーの方々とのお話しから多くの
 気づきを頂きました。「恩返し」という言葉は面白いと思いました。

・旧来型の日本企業である弊社にあって、これまで「何となく」機能して
 いたかのように思っていたOJTも、時代やビジネス環境の変化で、機能不全
 に陥りつつあることを気づかされました。

 仕組みとして、OJTが機能するように、人事として職場に上手に介入できる
 ようにしていきたいと思いました。

 またこの「何となく」がアカデミックに、理論で裏付けられていて、
 少しスッキリしました。ありがとうございました。


●セミナーに参加してよかった

・OJTに対する思考が整理された

・OJTに対して様々な角度から捉えることができたと思います。
 あと色々な方のお話しを聞くことができて大変参考になりました。

・「自分の業界は特殊」と思っていても、特に人材育成に関しては
 決してそうではないと気づくことができた。

・職場における新人の受け入れ態勢を改めて考えさせられた。

・短時間に密度の濃い情報提供を受け取り、ディスカッションを
 しっかりできた。

・アカデミックに学ぶチャンスはなかなかないので、多くの気づき、
 学びを得ました。

・理論を改めて学べたこと。他社の方の事例を聞けたこと。

・色々な方々のお話しが聞けた

・内容が素晴らしい。同じテーブルの方々が素晴らしい。

・今回のように多様な切り口、意見を聞ける機会はとても貴重です。

・関根さんの語り口、図、資料の作り方、反応の仕方、一つ一つが
 勉強になっています。


●今後に役立つ

・新人研修の次のステップへの現場に対するアドバイスに。

・自社のOJTのシステムを見直してみたい。

・クライアントへのアプローチや自社での新人育成においても
 すぐに使えそう。

・参加者の意見シェアと学術的な部分とのつながりで、納得感が増した。

・改めて、関根さんのファシリテーション力の高さに感動しました。
 (拾う、つなぐ、広げる)


●ご意見、ご要望、ご感想

・指導員を上司、先輩すべてとし、OJTを日常業務化する必要性を
 感じました。

 各々の上司、先輩のいいところ、そうでない所ふくめ、部下に 
 見習ってもらい、部署がよってたかって「関わる」ことが大事だと
 感じました。指導員の負荷も減ります。

・他の参加者の方の経験を共有できたことは、とても勉強になりました
 トレーナーと新人のチームビルディングの工夫、トレーナーの条件等
 が興味あります。

・今年もたくさん情報をいただき勉強させて頂きました。
 ありがとうございました。

・昨年から更に進化(深化)されていると思いました。

・次もますます楽しみです。

・是非同様の機会をもっと作って下さい。参加したいと思います。

・中原先生との共同研究、楽しみにしています。指導員側の指導経験が
 何をもたらすか興味あります。

・プレイングマネジャー化したマネジャーが、それでも若手と関わるなら
 どうすればいいのか。

・組織社会化と言う観点でOJTを見た時、短期的には村社会における
 同質化、組織への受容、企業内特殊スキルの習得は成功かもしれない
 が、長期的には弊害になりうるのではないかと思いました。

 環境が激変し、スピードが求められる中、同質すぎる組織では、
 イノベーションや変革が生まれにくいのではないかと。

 これは新卒一括採用の是非にもかかわってくるとは思いますが・・・。

・出なかった話で、興味ある点:

 指導員がどのくらい指導に時間を使っているか。
 (30年くらい前に調べたところ、30~50%だった)

 別部署の指導員同士の情報交換が結構、指導員に役立つという感触がある

 新人同士もグループにしてOJTをすると効果的という実感がある

・やはり関西とはレベルが違います。改めて貴重な知見のシェアを
 ありがとうございます。

・短い時間でしたが、内容の濃い有意義な時間でした。

 3,500円はかなり割安に思います。

 次はぜひ新卒側に焦点をあてたセミナーをお願いします。

・あっという間の2時間半でした。もう少し話したいと思いました。
 
 関根ファミリーの皆さまのチームワーク、見事でした。
 ありがとうございました!!

・お子様達に手伝わせるコンセプトもいいですね。
 仕事経験になりますものね。

・キッズのお手伝いもいいですね。とても良いと思います。

・こどもインタビューや、セミナーの受付係など、自分の父親としての
 取組もまねさせて頂きます。ありがとうございます。

===

皆さま、ありがとうございました!


(裏方と受付を手伝った子供たちの様子 
  http://learn-well.com/blogsekine/2013/03/post_383.html 

(昨年の様子
 http://www.learn-well.com/blogmanabi/2012/03/post_226.html )