
○ATD25を「1.測定と評価」「2.日本企業の発信」「3.今後」に分けて、ふり返ります。
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1.測定と評価 Measurement and Evaluation
私が、4日間のATD25で、参加したセッションは、全部で15。その内「測定と評価 Measurement and Evaluation」に関するセッションが、12。それら12のセッションは、3つのカテゴリーに分けられると思いました。
1)ステークホルダーの納得
2)AIの活用
3)職場とのかかわり
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1)ステークホルダーの納得
標準化
https://www.learn-well.com/blog/2025/05/tdrp-and-the-new-iso-standard-for-ld-measurement.html
レベル4自信
https://www.learn-well.com/blog/2025/05/silence-the-doubt-quantify-training-impact.html
作業仮説の合意
https://www.learn-well.com/blog/2025/05/transforming-talent-intangibles-into-actionable-metrics.html
Order takerではなくPCへ。ADDIEの見直し
https://www.learn-well.com/blog/2025/05/prove-your-worth-evolving-from-order-takers-to-performance-consultants.html
評価戦略、CEOが欲しいデータの提示
https://www.learn-well.com/blog/2025/05/updating-your-evaluation-strategy-best-practices-for-sustaining-success.html
ストーリー
https://www.learn-well.com/blog/2025/05/craft-your-ld-roi-datastory-a-hands-on-workshop.html
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2)AIの活用
データ分析
https://www.learn-well.com/blog/2025/05/level-up-your-learning-data-analytics-with-genai-xapi.html
EXPO
https://www.learn-well.com/blog/2025/05/expo25.html
研修評価を楽に
https://www.learn-well.com/blog/2025/05/supercharge-kirkpatrick-evaluation-with-ai.html
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3)職場とのかかわり
推進力
https://www.learn-well.com/blog/2025/05/are-you-doing-kirkpatrick-right.html
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やはり、経営陣、役員達の納得をいかに得るのか、というテーマが多かったです。それだけ苦労しているということでしょう。
一方、職場とのかかわり(2つのみ)や、転移促進についてのセッション(ゼロ)は、私が参加した限りでは少なかったです。(「Leveraging the sweet spot for training transfer」はありましたが、去年と同じタイトルだったので、参加は見送り)
また、今回、新たに出版された『ATD’s Handbook for Measuring and Evaluating Training (2nd ed.)』P.Phillips 編(2025)を、ざっと見したところ、

初版(2010)ではあった、R.Brinkerhoff先生の章が削られていました。
なんとなくの印象論として、今のATDにおける「測定と評価」の領域は、Phillipsご夫妻のROI Instituteの力が強そうな感じがしました。(Kirkpatrickパートナーの方々も発信されてはいましたが)
私自身は、それぞれの流派(ROI Institute、Kirkpatrick partners、Brinkerhoff先生)の良い所や、先行研究から学びつつ、日本での実践を続け、日本独自のノウハウを作っていけたらと願っています。
AIの活用については、他参加者からは「日本は周回遅れ」との報告を聞く一方で、測定と評価に関しては「え?まだそのレベルの使い方なの?」というセッションもありました。
研修評価における「AIの活用」については、現在、研修評価研究所で試験的に取り組んでいるAIを使った「転移しやすい行動目標の設定」と「転移度測定(SCMアンケート)で集まった定性コメントの分析」を通じて、先々、情報発信できたらと考えています。
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2.日本企業からの発信
1)グロービスさん
・グロービスさんが、ブース出展と、セミナー発信をされたそうです。
・5月19日(月)18時~20時30分、グロービスさん主催の「ネットワーキングパーティー」に参加しました。(ご紹介くださった日経新聞のUさんに感謝です)
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2)ROI Institute Japanさん
・中原先生の紹介で、ROI Institute Japan 安部さんとPhillipsご夫妻のセッションに参加しました。
・ROI Institute Japanさんが出来たお陰で、日本国内での研修ROI測定の動きが、より活発化していくと思います。
こうやって、日本企業からの発信が増えていくのは、素晴らしいことですね。
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3.今後
今回で、ATDへの参加は、4回目となります。
1回目:ASTD2007@アトランタ
2回目:ASTD2008@サン・ディエゴ
3回目:ATD2024@ニューオリンズ
4回目:ATD2025@ワシントンDC
参考:ファイヤースターター(火打石)中原先生との出会い@ASTD2007&2008
Xユーザーの関根雅泰さん: 「5月20日(火)夕食を、中原先生と一緒に、ホテル近くのNina Mayで。約20年前のASTD@Atlantaで初めてお会いした時から今も、中原先生は私にとっての「ファイヤースターター(火打ち石)」です。昨日のお話で、また新たな火をつけて頂きました。感謝! #atd25

●参考:「研修開発ラボ」10周年を機に、中原先生との出会いを振り返ってみました。
https://www.learn-well.com/blog/2023/11/fire-starter-nakahara-sensei.html
2009年に東大大学院受験が始まり、卒業まで、海外出張はお預けしていて、復活したのが、2013年です。3年続けて、AOM:Academy of Management(米国経営学会)に参加しました。
1回目:AOM2013@オーランド
2回目:AOM2014@フィラデルフィア
3回目:AOM2015@バンクーバー
AOMは、研究者が集まる、いわば学会なのに対して、ATDは、Ph.D取得者もいますが、実務家やコンサルタントが多く集まる、いわば展示会です。1年に1回、お祭り気分で集まれる楽しさは、ATDの強みだと思います。その反面、ATDでの事例発表やモデル提示が、エビデンスに基づいたものかと言われれば、弱い面もあります。
来年(2026年)のATDは、ロサンジェルスでの開催なので、魅力的なのですが、私自身が参加するかは、検討します。仮に、ATDに参加しなくても、2026年もどこかの国際会議には参加して、年1回の海外出張は続けていきます。
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以上、ATD25に参加して、1.測定と評価 2.日本企業の発信 3.今後の3つに分けて、ふり返ってみました。
今回も、海外出張を、快く送り出してくださったお客様、パートナー講師の皆さん、仲間たち、家族に感謝です。どうもありがとうございました。
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●参考:
中原先生のブログ 米国ATD2025の感想:「AIブイブイ幻想」のなかで「疲弊する職場」!?
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