
○現代思想で「仕事」関連本を読んできたので、その流れで資本主義本(2冊)
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『資本主義が人類最高の発明である』J.ノルベリ(2024)
・資本主義なんて、強欲な独占事業者と強大な地主の世界だと思っていた。
・資本家たちをおさえこめるのは、資本主義がもたらす人々の「選択の自由と競争」だけなのだ。
・マルクスとエンゲルスは、自由市場というのがあなどれない進歩的な力であることをずっとよく認識していた。
○この観点から、マルクス・エンゲルス本を読んでみたい。
・グローバル化が、実績を出したという単純な事実は大きかった。
・極貧率は、70%下がった。
・資本主義という言葉は、「人々を自由にして自分で経済的な判断を下せるようにする」という話ではなく、資本による支配という誤解をもたらす。
○確かに、後者の印象が強い。前者は「自由市場」であり、それを可能にするのが「資本主義」ということなのかな。
・市場経済は、もっぱら競争と張り合いの話ではなく、協力と交換の話なのである。
・グローバル化は、弱者を救い続けている。

○でも、なぜそう感じられないのだろう。グローバル化は、格差を広げ、弱者を痛めつけているように見えてしまっている。
参考:『資本主義の終焉と歴史の危機』
・1976年に毛沢東が死に、後継者鄧小平は、農民や村人がこっそり営んでいた民間事業を受け入れ始め、それを経済全体に拡大した。
・中国を豊かにしたのは、党ではなく、草の根資本主義。
・最も自由化を進めた国が、平均で最も発展が早く、最も強い民主主義を確立した。
・65歳まで生きるか、80歳まで生きるかの差は、孫の成長を見守る可能性があるかどうか。
・資本主義は、孫と過ごす時間を与えてくれる。
・独裁者が剛腕なほど、国は弱体化する。
・反資本主義のポピュリストたちは、自国を20%貧しくする。
・自由な実業は、人間の創造性の堰を切る。みんなが参加し、自分のアイデアを試し、旨く行くか試させるのだ。
○これは確かにそうかも。特に、ネットが使えるようになって、個人が自由に実業に挑戦できるようになった。それも資本主義社会、自由経済があるからってこと?
・市場経済は、だれがそれを担当しているかなど気にしないという最初の経済体制。
○その良さもあるけど「顔の見えない経済」になったという面もあるよな~。交換されるものを大切にしなくなる。
参考:面識経済
・自由市場は、まず何よりも「協力マシーン」であり、それがあらゆる中央管理よりうまく機能するのは、それがはるかに多くの人々の知識、才能、想像力を活用するからだ。
・産業政策へのトップダウンアプローチは悲惨な成績しかあげていない。
○地域だと、中央管理的なグランドデザイン志向が強い気がする。かといって、ボトムアップの参加型の難しさもありそう。行き当たりバッチシになればいいけど。
・(資本主義、自由市場の)仕組みを律する秘密の見事な力は「価格と利潤動機」なのだ。
○これが「見えざる手」ってこと?これに任せ続けていて本当に大丈夫なのか?人間の欲望は限りがない。何らかの形でブレーキが必要では。それが「大きな政府」以外の何かがあれば・・・。
・自由主義でも金持ちにはなれるが、そのためには他人を豊かにしなくてはならない。
○「自利利他」ってことかな。
・「ブルシット・ジョブ」の嘘
・「自分の仕事は、人類に有意義な貢献をしているか」
○確かにこの問いだと、イエスとは答えづらいかも。
・自由貿易による失業者1人に対し、保護主義による失業者4人。
・資本主義で確実なことが一つある。富は平等には分配されていない。
・起業家が利益を出したというのは、彼らが社会に何かを与えたという証拠なのだ。
○だからこそ、黒字を出す事、法人税を払う事、この2つが企業の社会貢献なのかも。
・ピケティは、実業を分かってない。
・「資本主義に内在する悪は、恵が不平等に共有されるということだ。
社会主義に内在する美徳は、悲惨さが平等に共有されるということなのだ」ウィンストン・チャーチル(1945)
・ゾンビ企業が、これほど一般的になった理由は、極度の低金利が長く続いていることだ。
・資本主義は、成果を出さない資本家には無慈悲。
・独占資本主義ではなく、マインクラフト的な資本主義。
・消費者がきまぐれだからこそ、企業はそれで儲けるのだ。
・GAFAMの最大の競合は、リアルな友人。「メッセージを送って尋ねること」をかつてないほど簡単にした。
○確かに、FBが出来たお陰で、連絡が取りやすくなったかも。
・失敗とはもっと賢い方法でやり直す手法であり、新しい教訓を学べるのだ。
・イノベーションは、主に実用的な問題を一歩ずつ解決した時に起きるもの。
・2020年パンデミックは、予想外の望ましからぬ「脱成長実験」だった。結果は大参事だった。
・コロナ禍で減ったCO²排出量は、6%。
参考:反資本主義「新自由主義化の度合いの小さな国のほうが、パンデミックを切り抜けた。」
・温暖化に適応するためには、繁栄と技術が必要。
○そうは言っても、「足るを知る」「分度を稼いで、余剰を推譲」みたいな考えがないと、いくら技術が発展しても、地球を食い尽くしてしまう恐れがあるよな~。
・貧しくなっても気候は救えない。もっと賢い形で豊かになるしかない。
○この「賢い形で豊かになる」のが、強欲資本主義に、本当にできるのか?
参考:強欲資本主義
・成長はもっと多くの材料を使うことで実現するのではなく、より良いレシピを考案し、最高のものを少ない材料で作ることで得られるのだ。
○これができたらいいよな~。そのためにも、皆で知恵を絞れる「自由市場」が良いってことなのか。
・自由市場と健康な地球は両立可能。経済自由主義は、環境パフォーマンスと正の関係を持つ。
・できるだけ多くの人々を動員し、それぞれのローカルな知識と個人の信念や技能に基づいて、ちがった実験をやってもらわねばならない。
・自由とは、人間関係から離脱するという話ではなく、自分の価値観にあう人間関係を選ぶということ。
○確かに、会社を辞めて独立したことで、人間関係を選べるようになった。あと、時間を自分でコントロールできるようになったのが、何よりの自由。
・市場的な態度というのは、気前がいいということ。
・売買に慣れていると、無慈悲なふるまいは減った。
○確かに、「巡り巡って」とか、「情けは人の為ならず」みたいな感覚は、商売しているほどあるかも。
・経済成長は、幸福に貢献する。

・豊かで自由な資本主義社会に生まれるツキがあれば、幸福ポテンシャルはすでに満たされている。
○これはほんとそうだよな~。色々あっても、日本に生まれたのはラッキーなこと。
・資本主義社会では、自分の人生の手綱を握っている実感が持てる。
○特に、独立して個人で、ネットを使って事業をやっていると更に実感する。
●訳者解説
・本書の主張:小さな政府と規制緩和、グローバリズムは万人にとって有益。
・ノルベリ:底辺層の35%が脱出できているので、格差は固定してない。
ピケティ:底辺層の65%が脱出てきていないので、格差は固定している。
○ここまで言われても、資本主義を礼賛しきれないのはなぜか?やっぱりどこかに危うさを感じているからか。おそらく「際限の無さ」。どこまで拡大、成長、発展していこうとするのか、それで本当に、地球を壊さないのか、ってあたりが不安なんだろうな~。
参考:グローバル資本主義の終わりとガンディーの経済学
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『不安な経済/漂流する個人~新しい資本主義の労働・消費文化』R.セネット(2008)
○中原先生が、ツイッターで紹介していた本。2010年12月29日に読み始めて、途中で止まってた。
・五か年計画や中央による経済支配という社会主義の原則が消滅。
・不安定で断片化された社会的条件のもので成功できるのは、ある種の人間に限られる。こうした理想的人間は、3つの試練に耐えねばならない。時間、才能、諦め。
・新たな資本主義の使徒たちは、3つの要素:仕事、才能、消費が、彼らの望む形に変化すれば、現代社会「液状化した近代 リキッド・モダニティ」は、より自由になるという。
・こうした変化によって、人々が解放されたわけではない、というのが筆者の主張。
・マルクスの誤謬は、創造的破壊に際限がないと信じていたことにあった。
○際限はあるということ?際限なさそうだけど。
・官僚的制度は、透明であった。
・ひとつの組織の中だけで経歴を終えた人間は、生涯を「鉄の檻」で過ごしたことになる。
○この言い方、きっついな~。
・鉄の檻が牢獄であったとしても、それはまた精神的安住の地ともなりうるのだ。
・企業を生かすも殺すも投資家次第であること、経営者には投資家に対抗する術がない。
・権力を得た投資家は、長期的でなく、短期的な利益を求める。
・柔軟な組織においてこそ、開かれた人間関係が重視されている。
・コンサルタントを使うことで、
1)権力が行使されているというイデオロギー的信号を送れる
2)不快な決断に対する責任を免れる
・官僚的制度の鉄の檻の解体にかかわった構造変化は、3つの社会的損失をもたらした。
1)組織への帰属心の低下 2)労働者間のインフォーマルな相互信頼の消滅 3)組織についての知識の減少
・不要とされることへの不安は、3つの要因からでてくる
1)グローバルな労働供給 2)オートメ化 3)高齢化の管理
・職人技は、能力主義(メリトクラシー)へ変身していった。
参考:メリトクラシー
・ルサンチマン 規則通り行動しても、人は公正に扱われないのではないかという根強い疑念。
・Consuming Passion 消費に向けられた情熱
・想像力は何かを望むときに最高潮に達し、手に入れると次第にしぼんでいく
・わずかな相違点を価値として誇張する 金メッキをかける
○それがブランディング
・機能を使いこなせないがゆえに、その魅力は絶大。能力の拡張を約束。
・欲望は量それ自体によって刺激される。
・モノの数、飽和状態が人を刺激している。
・ハンナ・アーレントの民主的プロセスに関する論考
○ここでも、アーレントが出てきた。やっぱり読もう!
・ユーザーフレンドリーは、民主主義をダメにするといっても過言ではない。
・世界がどのように機能しているかを市民がすすんで発見しようと努力することこそ、民主主義には不可欠。
・職人としての市民であれば、理解の努力は欠かさないだろう。
○「知ろうとする努力」は大事だよな~。でも、政治に関して、俺はできてないな~。
・大きな官僚制度は、抑圧と同時に、結束を促す。
・それ自体を目的として何事かを行う、というのが広く理解された職人技の意味である。
●訳者あとがき
・日本国にも新しい資本主義の文化が、到来していることは事実。
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