【木曜日24-16】能力本

木曜日

読書会議 参加者 コウジのお薦め本。(1冊)

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『能力の生きづらさをほぐす』勅使河原真衣(2022)

・「能力」を個人だけの責任として苦しめるような社会をつくり出さない

・「能力」は環境次第。誰と何をどのようにやるか、これ次第。
・職場の環境次第で、個々の力の発揮のされ方は変わってくる。

・能力主義 メリトクラシーが、エリートを傲慢にした。

・「やってきたこと」が未来も上手くいくのかどうかの「能力」をも占う。

○コンピテンシーの考え方はまさにこれだよな~。

・卒業生の「活躍」の指標。その一つは「就職率」

○比企起業大学なら、卒業生の「活躍」の指標は何だろう? 事業継続年数、年商、本人と家族の満足度・・・

・SFCの第一期性が就職してから3年ほどたった1997年あたりから、SFCの企業からの評判ががくんと落ちる。

○受け入れ側の問題だよな~。

・実際に個性的な教育を受けた個性派が就職したら「やっぱ扱うのが大変です。大事なのは協調性でした」と手のひらを反すような「求める能力」

・「ふつう」が能力論に取り込まれると「協調性」「フォロワーシップ」とかそれっぽい言葉に変化して正当性を帯びてくる。

・社会が求めるものを、教育現場が「下請け」で子供達に教えることになりかねない。

・教育を専門とする学者には、労働の現場にある「求める能力」や「企業での活躍」の中身まで、口を挟むことは、そうそうできない。

○ここに取組んでいるのが、立教大学の中原先生なのかも。

・能力主義を支えているのが「適正検査」
・人事部が、客観性の根拠として、人材開発業界を頼っている。

○人材開発 Human Resource Development だとすると、やはり個人の能力開発になっちゃうよな。

・人材開発コンサルティングをやっている外資系大手は、もともと保険会社から派生していることが多い。

・手離れの悪さこそが、顧客との信頼関係をあたため続けてくれた。

・能力は、関係性次第の可変的なもの。

・人材開発業界が生んだ大ヒット商品「適性検査」
・コンピテンシーという見極め術は大ヒット。

・望ましいとされる行動をわかっていながら、なかなか実際の行動に移せない人が散見された。
・行動の違いは、性格の違いに由来するものではないかと。

○ここで「性格」に行ったら、やっぱり「個人オチ」になるのでは。行動できないのは、行動させない「環境」にあると考えるのが、研修転移。

・個人に無限の努力が強いられる。
・救済の手を差し伸べてくれるメンタルヘルス市場も急拡大中。

・組織診断として、4つのタイプを活用。 p193

・ストレスに強い「鋼メンタル」
○大谷選手によって、更にここが強調されてしまうかも。

・カウンセリングルームを出て戻るのは、現場という戦場。
・一時的な受容を求めるメンタルヘルスケアの需要はなくならない。いい感じの依存状態すらつくり出せる。

・葛藤は死ぬまでなくならない。葛藤の除去に妄信しない。

・プロなら、主観は敵。

・知ろうとしてくれたこと、これが信頼の土台。

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●参考

投稿者:関根雅泰

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