【木曜日26-4】マルクス解説本(7)

木曜日

【木曜日26-4】マルクス解説本(7)

○マルクス経済学者 鎌倉孝夫先生の本(1冊)

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『資本主義の経済理論 法則と発展の原理論』鎌倉孝夫(1996)

○『資本論を読破する』を読んで、読みたくなった鎌倉先生の本。

・マルクス経済学の解体的ともいえる危機。
・マルクス(主義)経済学者たちが、自ら学び教えてきた理論を、自分自身で放棄。

・本書の意図は、科学としての経済学の再生、確立にある。


序編 経済学原理の理解のために

・資本主義経済は、経済学的研究を可能にするとともに、必要とさせた。

・物を持たない人間は、社会関係を結べない。

・資本主義を肯定し賛美する自由主義思想を持ったA.スミスと、
 これを批判し否定する社会主義者K.マルクスとでも、
 商品経済的要因、関係の把握においては、共通の認識を持ちうるのであった。

・現代の資本主義は、国家の政策的介入なくして、自立的に維持、発展しうるものではもはやない。

・p10~13 経済学の歴史的系譜
○これ、流れが分かりやすいな~。

・重商主義では、G-W-G’商人的資本運動を、富の増大の根拠、源泉と捉えた。

・三大階級-資本家、賃労働者、土地所有者への価値の分配論、これがD.リカード「原理」の体系である。

・資本主義を絶対視する古典経済学
・資本主義経済の現実の矛盾(恐慌、豊富の中の貧困)を認めるには、自由主義思想からの脱却が必要で、1820年代以降、社会主義思想が形成されてきた。

・マルクスは、資本主義の「消滅」については、なお論理的にも説きうる‐というより説かなければならない‐ように考えていた。

・対象の有限性は、その対象の全体像の認識を可能にする。
○この場合の「対象」は「資本主義」ってことかな。

・ソ連、東欧「社会主義」は、国内外の様々な制約条件によって歪曲された社会主義。
○本当の「社会主義」ってどんな感じなんだろう。もうちょっと勉強を続けよう。


第1編 経済法則形成の形態的基礎(流通論)-交換・流通関係論

・G(Geld貨幣)-W(Ware商品)-G’(より多くの貨幣)
・この活動を行っているのが「資本」
・資本主義経済を動かす現実の主役、主体は、資本である。

・資本主義経済は、なにより「商品」経済」である。

○価値=交換力、使用価値=有用性 

・金の一定量で表現された商品の価値=価格

・Wa-G 商品の側にとっては「命がけの飛躍」
○商品にお金を出してもらう、買ってもらうことは、商品にとっては、命がけの飛躍。こういう表現、面白いな~。資本を主体にして見ているからなんだろうな~。

・商品を売りに出した以上は、できるだけ早く、できれば高い価格で売ろうとする。
・信用販売の本質は、現在の貨幣だけでなく、将来の貨幣をも今取り込んでしまおうということにある。

・形態変換 metamorphose
○『資本論』だと、変態と訳されていたものかな。

・資本は、自己増殖する。

・G-W-G’ 買ったときの価格より、売るときの価格が高い。
・場所による価格差と、時間による価格差があれば、可能である。
○安い場所で仕入れるか、安い時期に仕入れることで、違う場所、後の時に、高く売る。

・G…G’一定期間、貨幣を貸し付け、剰余価値を得るとともに、一定期間後、返済させる。

・労働者は、労働力以外に、売るものを持たない。
○こういう状態に陥らないためにも、生産手段としての「頭脳と身体」が必要なのかも。資本家(1社)に雇用されるのではなく、複数の顧客を作る。自分で生産したW(商品)に使用価値(有用性)と価値(交換力)を認め、G(貨幣)を払ってもらうって感じなのかな~。

・買った労働力は、転売しようとしてもできない。使う事、つまり労働させる以外に意味がない。


第2編 経済法則確立の本質的根拠(生産論)-資本・賃金関係論

・労働過程の主体は、労働者。客体は、自然
○労働者(主体)→機械、道具(手段)→自然、原料(客体)

・労働力=労働するための人間的な諸力、知的、倫理的、体力的な能力

・意識的活動としての労働を行うこと自体が、人間の人間としての類的活動。
○労働こそが、人間を、人間らしくし、他の動物から分けているってことかな。

・意識性を基礎に、自主性、創造性、共同性という特性をもって行われるところに、人間労働の特徴がある。
○そんなに労働が良いものなら、長時間労働でもよいのでは。資本主義における賃労働はそうではなかったから、労働時間の制限が必要になったってことかな。

・人間労働の二面的性格:種々の質をもった有用労働が行われると同時に、一定量の所用労働が行われる。

・なぜ失敗したかを研究するところに、人間的性格を高めううる面がある。

・教育、教養、文化の発展が、有用労働の質、効果を高めて、生産力の発展をもたらす。
○実質陶冶的な「じわじわ系」の研修も、ここに位置付けられるのかも。

・(医療に資本が浸透すると)病人をそして病気を繰り返し再生産(拡大)するのが医療事業とされてしまう。
○ここが、病院経営コンサルに入っている人の話を聞いた時の違和感なんだろうな~。そのやり方なら病院は儲かるだろうけど、病人は増えていく。病院から抜け出せない。

○資本で解決できない、お金に換算すべきでない領域があるってことだよな~。

・労働者の賃金は、最低限度人間的な生活を営むことのできる生活の維持費。
 1)衣食住の充足 2)教育の享受 3)文化、教養、娯楽の享受 4)家族の扶養に関わる経費
○人事コンサルは、マルクス経済学を読んだ方がいいかも。どうしても資本(経営)目線からの話が多い気がする。

・どの部門においても働ける労働能力を社会的に育成するために、公教育が形成される。

・資本による価値増殖の根拠は、労働者に剰余労働を行わせることにある。
○剰余労働=搾取

・資本にとって直接に役立つ技術をもつ、あるいはそれに適応する労働力が求められるところから、多くの労働者に断片的な技術を取得させ、しばしば労働者の仕事全体の調整力や創造的能力が損なわれることいなる。
・資本による労働者の管理を容易にする半面、自主性、創造性を奪うことになってしまう。
○実質陶冶的な「すぐ効く系」の研修の弊害かもな~。部分最適になってしまい、全体を考えにくくなる。

・労働者の教育に関して重要なのは、技術力だけでなく、教養、人間的な素質や素養である。

・資本主義においては、実に戦争が、技術開発、発展の大きな動力であったが、戦争のための兵器技術の開発は、社会的には厖大なdis-inovationであった。

・資本が、その形態的要求を徹底させると、公害、環境問題を引き起こす。
・廃棄物の処理を企業の外部に、社会の負担にゆだねることによって、資本を利益を得る。

・職人は、自ら道具などの生産手段を持ち、自ら労働し、その労働自体(有用労働)を、あるいはその労働の成果を売る。
・賃金労働者は、職人と違って、自ら売るもののは労働力(その一定時間の使用)である。
○ミニ起業家は、「職人」に位置付けられるのかも。

・時間賃金掲載は、資本家が自由に時間決めで労働を買いうることが可能になる形態。
・トヨタのかんばん方式を労働力について適用しようとするもの。必要な時に必要なだけ雇用しよう。
・それも、労働者の一種の主体化(企業からの自立)であるかのように言っているところが重要。
○これあるよな~。都合の良い労働力としての派遣労働やバイト。生かさず殺さずで使っている感じ。

・ソ連、東欧の社会主義は、資本の流通過程を無視して、計画経済を実現しようとした。

・供給側の生産条件と需要側の量、時期のずれによる商品在庫の形成、つまり流通期間の存在。
○このあたりに、問屋の存在意義があるのかも。生産者側と消費者側を上手くつないでいく。

・資本が雇った労働者を労働させる
○何を労働させるかが明確だった時代に比べると、今は何を労働させるかが分かりにくくなっているのかも。

・賃金を最低限の水準に抑えることによって、労働者が生活を維持するためには、繰り返し労働力を商品として売らなければならないという状態においておこうとする。

・資本の絶対的過剰を劇化させて、恐慌を引き起こす。

・資本主義経済の現実的「主体」は、資本-その人格化が資本家である。
・資本の要請に従順な労働力を求める。労働力は、素材である。

・景気循環の法則は、労働力を商品化(物化)することに伴う、いわば資本が社会を存続させる上での負担、犠牲というべき。
・資本は、労働力商品を自ら自由に生産しえないことによって、資本主義は必然的に恐慌、不況を引き起こさざるを得ない。
○好況で、労働力が増え、賃金も上がる。そうなると、剰余価値を生み出せなくなるので、一旦恐慌を起こし、労働力を減らし、不況とすることで、剰余価値を生み出そうとするってこと?

・失業者の排出と資本価値の破壊、喪失による「過剰資本」の強制的処理、それが引き起こす不況。
・不況下の競争に強制されて、設備の更新、新設備の導入が行われ、これによって相対的過剰人口が新たに形成される。これが、再生産、つまり蓄積の回復条件となる。

・資本主義経済は、資本自体によって生産しえない労働力に、社会的に規制されて、好況-恐慌‐不況、そして再び好況という景気循環の法則を必然的に展開。
○好況、不況、そのサイクルが、資本と労働力の関係にあったとはな~。
 ミニ起業家としては、好況期には、顧客づくりに注力し、不況期には、外注先づくり(商品づくり)に注力している感じかな~。不況期に新規開拓しようとしても無理だし、その時期は営業できなくて困っている講師、コンサルも多いし。


第3編 経済法則の現実的展開(分配論)-資本関係の展開・発展論

・商品価格=費用価格+マージン(超過分)
・利潤率=費用価格超過分(マージン)/総投下資本量

・超過利潤形成の要因としては、供給に対する需要の増大にある。
・利潤率を規定する要因 
 1)剰余価値率 2)資本の有機的構成 3)資本の回転期間

・資本主義の無政府性
・資本過剰の処理が、恐慌として現れる。

・土地は、すべての自然力のいわば土台(母なる大地)
・資本にとっては、土地は自らの自由にはなりえない存在である。

・(資本主義では)収奪的農業にならざるを得ない。
・土地所有による資本蓄積の制約は、制約故にかえって土地、自然力の収奪を進めるものとなっている。
○この辺から、マルクスが環境問題に興味を持つようになるのかな?

・現金支払いを猶予する期間、つまり手形支払い期間は、基本的には売りてである産業資本の持つ資金準備によって規定されている。
○掛け売りで、何か月待てるかってことかな。

・銀行は、いつでも引き出される可能性のある他人から預かった資金を貸し付ける。

・①預金 ②貸付 ①’預金の引き出し ②’返済
○確かに、こういう流れなら、銀行が儲かるわけだよな~。自分の金は使わず、他人の金を使って、利息で稼ぐわけだから。

・銀行は、預金に利子を支払って資金を集中し、これを基礎に資金を貸し付け、利子を獲得する。

・労働者にも、企業活動が価値(資金と利潤)を生むものという概念が形成される。
・雇われる労働者の中に、企業意識が生じるのは、決して単に労務管理による思想付与の影響(例:QCやTQC)というだけではない。形態的活動如何によって、企業の業績が実際上左右されるといういことに、現実の根拠がある。
○労働者の活動によって、実際に企業業績が左右されるならば、自分たちの活動こそが、企業業績変動の源と考え、労働者でありながら、(資本家的な?)企業意識が生まれるっていうこと?

・利潤生み資本の利子生み資本としての擬制を現実化したものが、株式資本である。
○「擬制」とは「なぞらえること、みなすこと」

・擬制資本である株式資本は、決して現実資本から独立して、自立的に存在しうるものではない。

・労働については、擬制資本化しえない。人間自体を商品化して売買の対象とすることはできない。

・商品あるいは貨幣を持たない人間は、資本主義の下では、人間関係を結べず、人間として扱われないし、民主主義に参加できない。
○きっつい言い方だけど、そういう面もあるのかもな~。

・資本主義は、商品経済的関係を絶対に越えない。
・商品から始まる原理論の論理は、資本(土地)の商品への還元によって、商品形態にいわば還帰する。
・資本の発展に限度があるからこそ、資本主義経済の全体認識が可能なのである。
○資本主義は、商品に始まり、商品に終わる。終わりがあるなら、全体像が見える。終わりの姿は?資本主義が終わった後は、社会主義なのか? 鎌倉先生の「国家論のプロブレマティック」買って読んでみよう。

・労働力の商品化の廃絶にある。それは土地を含めた主要生産手段を、労働者が主体的に自由に使用しうる社会関係を確立すること、その現実的形態が、その社会的あるいは集団的所有である。
○資本主義の根幹と言えそうな「労働力の商品化=資本に労働者が雇われる」これを脱却するために、労働者自身が自ら生産手段を持つ。それが社会主義ってことなのかな? ただ、生産手段を「設備」ではなく「人(頭脳と手足)」とし、職人的な労働(=ミニ起業?)ができるなら、それは資本主義のくびきから離れていると言えるのか。ここはもっと考えていこう。

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投稿者:関根雅泰

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