【木曜日25-50】H.アーレント本

木曜日

○現代思想本を読む中で、良く引用されていたH.アーレントに関する本(2冊)

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『今こそアーレントを読み直す』仲正昌樹(2009)

・「もどかしさ」こそが、アーレントの魅力。
・「ひねくれ方」が面白い思想家。

・政治と人間の本質は、「善」をめぐる果てしなく続く「討議」である。

・ローマ帝国は、開かれた法=権利体系としての帝国
・国民国家は、同一性の原理に基づく閉じられた帝国

・国内における自由のための闘争という緊張感がないため、政治を人任せにしてもよいう受動的な態度の人たちも増えてくる。
○これは俺もそうだよな~。政治は人任せ、自分は自分にできること、すべきことをやってる感はある。

・各人が自分なりの世界観を持ってしまうのは不可避であることを自覚した上で、それが「現実」に対する唯一の説明ではないことを認めること。

・「フマニタス humanitas」=人間らしさ
・自由7科:文法、論理学、修辞学、算術、幾何学、天文学、音楽(物理学)=基本科目(教養)
 神学、法学、医学等=専門科目

・古代の知=教養を知ることを通して、「人間らしさ」を身につけ、自らの「人格」を研く=陶冶することを目指した。
○この辺が「形式陶冶」「実質陶冶」につながってくんだろうな~。

・「複数性」を喪失した人間は、他者との間で、本当の意味での対話をすることができなくなる。
・「複数性」の発生する余地をなくし、余計なことを考えさせないようにする。

・政治とは「ポリス」全体にとって何が善いことであるか(=共通善)について討論(活動)し合う営みである。
・活動に従事することで「複数性」の余地が広がり、市民たちは「人間らしさ」を身に付けるのである。
○かといって、俺が政治的な討論に参加するのはちょっとな~。他に「複数性」の余地を広げ、人間らしさを身に付ける方法はないのか?

・複数の視点から物を見ることを可能にする討論を行うことが「活動」力を高める上で肝要。
○もしかすると、皆で行っている「読書会議」は、その一助になるかも。1冊の本に対して複数の視点から、意見をもらえている状態。

・アーレントは、全体主義に通じる恐れのある「思考の均質化」だけは何とか防ぐというミニマルな目標を追求した控えめな政治哲学者ではないか。

・心底から善人であるかどうかではなく「良き市民」という役割を、公衆の面前で演じ切れているかどうかが問題。
・本音は「心の闇」の中に収めておくべきもの。

・自分の「正体」を「公衆」の面前に晒すということは、自らの発言に対して責任を持つということである。

・「傍観者」ではダメなのか?
○まさに今の俺の問い。

・表舞台からいったん引き下がって「観客」の立場で、舞台上の「活動=演技」を判定する人も「政治」を成立させる上で必要。
・直接的に表舞台に加わらない「観客」が存在し、様々な視点から問題を注視していることによって「政治」に「複数性」がもたらされるのである。
○こう言ってもらえると救われる。複数性が「複数の党派」にならないよう、一人の人間の中に「複数性」があって、その視点で「政治」を見ることが大事なのかも。まだまだ考え続けよう。

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『人間の条件』H.アレント(著)牧野雅彦(役)(2023)

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●参考:

投稿者:関根雅泰

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