慶應MCCラーニングイノベーション論「組織になじませる力」にオブザーブ参加させてもらいました。

企業内教育担当者向け

慶應MCCラーニングイノベーション論「組織になじませる力」にオブザーブ参加させてもらいました。

ラーンウェル代表の関根です。

2023年11月10日(金)16時~19時@東京で、慶應MCCラーニングイノベーション論「組織になじませる力」にオブザーブ参加させてもらいました。(無理を聞いて下さった中原先生、尾形先生、MCCの保谷さん、内田さんに感謝です)

差しさわりのない範囲で、学びになった点を記録しておきます。

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●尾形先生の講義 16時~17時50分

・中途採用者の適応課題は、8つ。

○これまでの書籍で提示されていた6つにプラスして2つ:リアリティショックの克服、精神的プレッシャーの克服

・仕事の知識やスキルは、形式知の為、オンデマンドビデオでも教育できる。
・言語化が難しいのが「暗黙のルール」

・中途は「ジョブ型採用」のはずなのに、役割期待があいまいなことがある。
 採用時と、入社時で、状況(ジョブの不足状況?)が変わっている。

・新卒の課題は、3つだけ。中途は、8つある。だからこそ、中途へのサポートが必要。

・「精神的プレッシャー」を「生じさせない」ためにも「パフォーマンス(成果)を発揮しなくていいよ」と、上司から言う。

○そう言ってもらえたら、確かに中途は楽になるだろうな~。その反面、業績責任を負っているマネジャーがこれを言うのは、かなり勇気がいりそう。

・即戦力として採用された中途採用者は、周囲との信頼関係が未構築の状態で、早急に高い成果を求められる。これはほぼ不可能。

(上記の絵は、中原・小林『転職学』2021 p235より転載)(この絵、サイコー!まさにこんな感じ)

○そもそも「一つの村」に住んでいたプロパー社員の人達(特に中途慣れしていいない)は、転職者に対し「前の会社を裏切ってきた人」という極端の見方をする人もいるかも。そういう人達にすれば、中途入社者は「いつかはうちの会社を裏切って、また別の会社に転職する人かも」と、猜疑心をもつかもしれないな~。

新卒と違って、中途には、そういう目線もあるかもしれず、より信頼関係構築には、新卒よりも時間がかかりそう。能力を発揮し成果を出してくれて、しかも「うちの会社」を裏切って出ていかなそうと思わせる信頼感。

・中途採用者向けのオンボーディングをしていないのに、中途を採っても辞めてしまうのでは。

・中途の採用は、現場だけでなく、人事の目も入ったほうが良い。
・中途ほど「メンバーシップ型」 人間関係が大事。

・中途は「1年間」の準備期間(仕事の流れが分かる)を欲しがるが、企業側としては「3か月間」ぐらいが現実的。
・3か月の準備期間中は、成果を出すことは求めずに、組織内の人的ネットワークを広げることに注力してもらう(例:他部署の管理職10名とコンタクトを取る)

・「適応エージェント」が、職場にいるのかを把握する。
・人脈づくりサポートは管理職、仕事サポートは先輩社員、メンタルサポートは、中途先輩社員。

・上司が、7~10名以上、人を紹介してくれた場合、中途の転職意思は下がり、仕事フィット、主観的業績、職場フィット、組織文化理解、情緒的コミットメント、成長実感が高まった。

○上司による「人脈づくり」サポートは、やっぱり大事!

・管理職=職場デザイナー
・中途慣れしてない職場の場合、メンバーもどう接していいか分からない。
・上司から、中途が入る前日にミーティングをして「いきなりパフォーマンスは出せないだろうから、サポートしてあげて」と、職場メンバーに言ってあげるだけでもよい。

○会社全体というより、中途が入る「職場」が、中途採用者の適応にはカギになるのかも。

・ツールを整備する。「中途採用者虎の巻」中途採用者が直面する課題を記載。
・人脈マップ、社内用語集
・とにかく、人脈づくり!

・たとえ的外れでも「何かやってくれている」感が大事。

・中途採用者は、マラソンの先行逃げ切り型。
・入ってすぐの時期が不安。ここに詰め込む。
・最初の3か月、6か月目に研修。そこでいったん終了。

・新卒の場合は、マラソンのマイペース型。2年間は同じペースで見る。

・管理職は、中途採用ではなく、プロパーから育てるべき。

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●グループでの意見交換 18時10分~

・中途入社だけの会を実施。「何かやってくれている感」は伝わっている。
・1割だった中途を、4割に。ダイバーシティ推進のため。
・部署内の全員と1オン1を実施。そこから他部署の人脈を紹介してもらう。
・新卒で入った若手が辞めてしまう。現場の疲弊感から、人員補充で中途採用。

●尾形先生との質疑応答

・中途で近隣地域の人を集められない
・数か月単位でまとめて、同期意識を醸成しては。

・中途管理職の課題も大きくは変わらないが、「政治的」やりとり部分が難しい。
 どこにお伺いを立てればよいのか、だれに相談すればよいのか。
・部下にプロパーの参謀をつけるべき。

・中途がなじみすぎて、変革のトリガーになってない。
・やはり「関係」つくって、変革 という順番になるのでは。

・中途にいつまでよりそうのか。
・理想的には、オーダーメードの個別対応が必要。寄り添いが不要な中途もいる。

・中途への施策が多すぎて大変。
・「仕事で役に立ったか?」という観点で効果検証し、取捨選択すべき。

・中途慣れしていない社員の意識をどう変えるか。
・トップから「中途を即戦力と見ない」といったメッセージを出してもらう。

●中原先生からのラップアップ 18時50分~19時 

・中途採用費用 平均103万 

・神話を解体すべき
 1)知識、スキルは、ポータブル× 知識、スキルは状況に埋め込まれている Situatedness
 2)中途はほっといても何とかなる×
 3)中途につながりはいらない× 「関係が先、成果は後」

・オンボーディングも大事だが、オフボーディング(退職者との良好な関係づくり)も大事
 出戻ってもらえるよう、アラムナイマネジメント

・出入りが激しい社会に

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オブザーブ参加を許可して下さった尾形先生、中原先生、MCCの保谷さん、内田さん、そして参加者の皆さん、ありがとうございました!

●中原先生のツイッター

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●尾形先生の本『組織になじませる力』

投稿者:関根雅泰

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