「異動研究会」@立教大(2)に参加しました。

立教大学院

「異動研究会」@立教大(2)に参加しました。

2022年11月14日(月)10時~17時30分「異動研究会」@立教大に参加しました。

埼玉県民の日で祝日でしたが、奥さんに快く送り出してもらいました。(いつもありがとう!)

差しさわり無いと思われる範囲で、メモ書きを残しておきます。

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10時13分~

●Yaさん

Karim Mignonac(2008)

Individual and contextual antecedents of older managerial employees’willingness to accept intra-organizational job change

・「Off-the-job embeddedness」と配偶者が転居したがらないことが、転勤に対する強い抑止力となることが確認された。
・自己効力感は年配者の異動を受け入れる意思の有意な決定要因にはならない

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・日本だと、異動は、強力な人事権。

・仮説7のPOSが棄却された。会社にできることは少ないのか。

・フランスでも異動があるのか。比較的あるよう。
・日本の定年が65歳。50代で転勤もある。

・役職定年で、給料が下がる。それが大きい。
・ピラミッド構造の中で、シニアをどう活かしていくか。
・同じ部署に残すのか、別部署にいくか。

・子会社に出て長くいるか、残って短くいるか。

・子供の年齢、住宅ローン、配偶者の仕事は、転居に影響しそう。

・子供が社会人になり、転勤を受け入れた方がいた。
・どこに転居するかも重要。

・仕事の内容が変わるのか、場所だけ変わるのか、それによっても違う。

・個人の意思を尊重していたら、組織の都合を優先できない。

・「経験の開放性」好奇心旺盛な人だけが、転勤対象になるわけではない。

・行った先のワークエンゲージメントが下がる。

・「関係流動性」人間関係の変化。元いた部署に残るよりも、新しい環境に。
・変わらず「ちやほや」されると思い込んでいる。
・「交換可能性」自分がいなくなっても、影響しないというのは、本人にとってはつらい。

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●Isさん

Briscoe, F., & Kellogg, K. C. (2011)

The Initial Assignment Effect: Local Employer Practices and Positive
Career Outcomes for Work-Family Program Users

・入所時に強力な上司を配置することが、後に時短勤務制度を利用する個人のキャリア成果を改善することを明らかにする

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・専門職だからこそ言えるケースでは。強力な上司の下で、育てられる、守られる。

・「畑」が決まってる仕事のほうがやりやすい。

・「人材再生工場」として、いつも人をあずかっている上司もいる。

・パワー上司(仕事ができる人)かつ弱い人の味方が、日本にどれだけいるのか。

・最初に厳しい上司の下につけて、鍛えてもらうという考え方。

・「伝統的に不利」=女性 

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●Imさん

Webster, J. R., & Beehr, T. A. (2013)
Antecedents and outcomes of employee perceptions of intra‐organizational mobility channels(IOM)

・上への移動、昇進、昇格の話。
・昇進が「パフォーマンスを基に決められたものか、そうでないのか」

・組織が従業員の昇進に使用する基準(intra-organizational mobility channels;IMC)は、必ずしも明確に伝達され、一貫して用いられるとは限らない (Stumpf & London 1981a,1981b)

・「公正な昇進であるか?」

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・昇進、昇格が動機づけになるか?
・「管理職になりたいか?」ポイントが下がっている。動機づけ要因として、昇進、昇格が効いてないのでは。

・アメリカだと、昇進、昇格が、強い動機づけ。
・日本だと、仕事が増えて、給料もそうは上がらず、土日も出社。

・「長時間労働を受け入れている」というメッセージが伝わると、昇進、昇格する?
・データを取ると、昇進意欲は下がり続けている。
・女性だと「家のことを気にしなくてよい」となったら、昇進意欲は上がる。

・良い仕事を求めて転職する。

・そこにずっといることができない。3年たったら異動しないといけない。
・だから、転職をする。

・昇進が、動機づけになっている企業、職種もある。
・会社の中で上がっていくというのは、裁量が増えることでもある。

・従業員がどう受け止めているのか。人事制度、各種施策を。
・企業の施策が、従業員にほぼ伝わってない。

・Perceived Organizational Support

・サポートしすぎで、物足りない若手。
・どの意見を拾うのが、会社、従業員にとってウィンウィンになるのか。

・経営は、上の2割、人事としては真ん中の6割に合わせたい。

・「柔軟な人的資源管理」 事業部ごとに、制度を変える。

・自信喪失。「管理職は魅力的でない」「俺たちみたいになりたくない」
・管理職側はなりたくてなった。今の若手が管理職になりたがらないことが不思議。

・管理職の仕事が増えすぎていて、何をやっているか分からない。
・仕事が増える印象のみ。

・管理職がいなくなると、企業は困る。
・小学校の校長もなり手がいない。手を挙げればなれる。

・「やばい人ほど、手を挙げたがる」「やってほしい人は、ひっこむ」

○「管理」職というシステム自体が、もう合わないのでは。

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11時45分~

●Ikさん

Kampkötter, P., Harbring, C., & Sliwka, D. (2018)
Job rotation and employee performance‒evidence from a longitudinal study in the financial services industry.

・ジョブ・ローテーションは頻繁に行われている
・米国企業の約 40%、デンマーク企業の45%、ドイツ企業の28〜37% 、カナダの企業の26%がマネジメント開発の手段としてジョブ ローテーションを使用

・ローテーションを行った者は、ローテーションを行わなかった同程度の職種の従業員と比較して、その後の数年間で、より高い業績を達成
・ただし、この効果は高業績者によってもたらされ、低業績者ではジョブ・ローテーションと将来の業績との間に有意な関係は認められなかった

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・低パフォーマーの異動で、その後業績が上がったケースはあるか。

・パフォーマンスの低い人を動かすことはある。事業部側は出したがるが、今のまま出しても、受け入れ側が困る。同じような人が送りこまれる。
・受け入れ側の上司が良かった。その人の「良い点」を見る上司だった。その上司が動くと、新しい上司が見てくれないと、また下がる。

・周りの人への影響もあり、動かさないと。
・低パフォーマーをどう扱うか。

・Peer Recognition 同僚からの認知 貢献度 周りの評判 

・本部によって風土が違う。新しい本部に異動したら「笑顔が増えた」
・マッチングもありそう。

・どういう面での低パフォーマーなのか。
・営業ではだめでも、工場の総務がはまったり。

・異動は、上司が見ている。「見立て、仕立て、動かす」本人の特徴をつかんで。上司の裁量が大きい。

・異動直後は、マイナスもプラスの評価もつけない。

・異動の理由をきちんと伝えているかどうか。それはロバストな結果が出る。

・配置する人事側は、異動の理由をきちんと提示しているが、上司から本人に伝わってない。

・労組が強いと、人事側も説明が必要。

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●塩川さん

Terpstra, D. E., & Rozell, E. J. (1993)
The relationship of staffing practices to organizational level measures of performance.

・五つの人材活用施策と、年間の利益および利益成長率の間には、有意な正の相関があることがわかった。

・五つの人材配置施策(Staffing Practices)は、
(1)どの人材配置施策から高い業績をあげる社員が多く生み出されるのかを調べるための人材配置のフォローアップ調査、
(2)選考に用いる予測変数の検証調査、
(3)選考に用いる構造化・標準化面接、
(4)選考に用いる認知適性や能力テスト、
(5)選考に用いる経歴情報欄(BIBs)または優先順位の高い応募欄(WABs)

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・Staffingは、採用、配置中心。昇進、昇格ではない。

・昇格時に、適性検査を行う。現場では試験対策もまかり通っている。
・不合格時の説明用。どうやって伸ばすかは、上司と話し合って。

・適性検査がない中、昇格している企業もある。
・360度評価で、マネジャーの不適切者を外す。「この人やめたほうがいい」

・管理職になる前の2年間の準備期間を設けている。その間に研修を受けたり。
・「インバスケット研修」で、処理能力を見る。
・内田クレペリン検査で、パーソナリティーを見る。

・落す時の言い訳としての管理職適性検査。
・皆に平等にチャンスを与えるために。

・変わりにくい領域もある。

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●Oさん

Landau, J., & Hammer, T. H. (1986)
Clerical employees’ perceptions of intraorganizational career opportunities.

・結果として、勤続年数の短い若手社員は、
1)自分の個人特性が組織内の異動基準に合致していると感じ、
2)上司からフィードバックを受けている場合、
自分には昇進の機会が最も多くあると認識していた。

・また、異動を希望しているがその機会がないと感じている従業員は、昇進の機会があると感じている従業員よりも、組織へのコミットメントが低かった。

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・異動は、上(昇進、昇格)横も。

・社内にチャンスがあるかどうか。

・市役所みたいに、同じ事務職で、3年で異動する。

・従業員が「異動しやすい」と認知している。

・「異動しやすさ」と「異動したいか」は、違う次元の話。

・「異動したくない」という人が異動しないというのは、希望がかなっていると言える。

~13時10分

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●昼食

当初予定していたキャンパス内レストランが、休業! 

ガッビーンということで、キャンパス外のマレーシア料理屋さんへ。

可愛いハート卵の「ナシゴレン」が美味しかったです!

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14時30分~

●Muさん

Anderson, J. C., Milkovich, G. T., & Tsui, A. (1981)
A Model of Intra-Organizational Mobility

・組織内の人材の流動性は、組織と個人の双方にとって重要
・このトピックに関する研究を統合したモデルと 9 つの関連する命題を提示
・このモデルは、環境、組織、従業員の特性が、移動の機会、移動の基準、実際の移動に影響を与えることを示している

・ビジネスモデルによって異動の特性も変わるのでは。
・会社側が考える異動プランを、本人に伝えるべきか。上司側が、5年先の異動まで考えているのに、本人には伝わってない。

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・カーメーカーに供給するサプライヤー
・4~5年で、一人前になるので、それまで異動はない。

・不確定要素が多い中で、変な期待をもたせないように。
・海外にいくチャンス。

・プロダクト市場の変化によって、異動も変わる。
・より伝えにくい。

・どんなプロダクトを担当することで、将来のキャリアが決まる。
・シュリンクする商品を担当させられると、気持ちが沈む。そのために、他の伸びる商品も担当させる。

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●Moさん

Beehr, T. A., Taber, T. D., & Walsh, J. T. (1980)
Perceived mobility channels: Criteria for intraorganizational job mobility.

・従業員は同じ組織内で”obtaining another job”するために3つのチャネル(手段)を知覚していることを発見した
・3つのPerceived Mobility Channels=従業員から知覚された異動チャネル:Performance(業績)Race/sex(人種・性別)Luck/favoritism(運・えこひいき)

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・PMCは、会社側が変化させられるという前提か?

・パフォーマンスによって昇進が決まると考えている人は、パフォーマンスが上がるよう頑張る。それが、社会的学習理論?

・もしくは幻滅して、働くことをやめてしまう。

・日本でやったらどうなるのか? 
・ジェンダー、長時間で働くこと、がでそう。
・「女性だから昇進した」となると、モチベーションは上がらない。

・女性だからではなく、パフォーマンスがしっかりしているから昇格したという説明があったほうが。

・女性を「えこひいき」する制度があると、従業員が思ってしまう。

・「下駄」というメタファー。(女性活躍推進)
・「達磨落とし」というメタファーの方が合いそう。

・誰かがどっかでしらける構造。

・ヨーロッパでは、人口の半分が女性だから、女性が上にあがっているだけ。

・多様性があったほうが、パフォーマンスが上がる/下がる両方の研究結果がある。

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●Koさん

服部泰宏.(2012)
日本企業の組織・制度変化と心理的契約─組織内キャリアにおける転機に着目して

・今日の組織構造・人事制度上の変化が、組織と個人の関わりあいを劣化させている可能性が、間接的ながら示された
・他方で、組織と個人の相互義務が強化する方法もわかった:事前に契約を明確化する、従業員に対してキャリアを見つめ直す社内外の研修を提供すること
・定期的な昇進や職能の変更は、「飽き」や「慣れ」のマネジメントと考えることもできるのでは。

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・ポストが空かないし、空いたとしても若手に与える。
・ベテラン40代~50代が停滞している。動かしにくい。

・「飽き」「慣れ」よりも大事なことがあるのかも。

・製造業 高卒で入って、職位が変わらない人もいる。
・中小企業だと、階層がない。職位も少ない。

・業種、学歴、規模

・大企業で、上司が、30年変わらないことはあり得ない。

・ジョブ型で「飽き・慣れ」がないまま、ずっと続けていけるのか。
・ずっといるので、変えられない。異動させられない。

・顧客がついている人だと変えられなかったが、今は動かしている。

・専門化していくべきとも言われるが、リスキリングとも言われる。

・「慣れ・飽き」
・キャリアプラトー。上に上がれないので、高原状態。
・仕事内容のプラトー。仕事が変わらない。

・教えることは、ルーティン。

・仕事の仕方を、会社が決めてしまう。
・「飽きた」の裏側にある。自分はこうしたいが、させてもらえない。

・社長は、10年やると飽きる。だから新しいことをやりたがる。

・サバティカルという強制リセットの機会。

・飽きを通り越して、諦めのシニアもいる。

・シニアは「社員としてリスペクトされてない」というのがダメ。
・シニアを放り出して、自分でやってもらうのも一つ。

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●Taさん

武石 恵美子(2019)
「適材適所」を考える:従業員の自律性を高める異動管理

・自己選択型の配置・異動の制度とキャリア自律意識・行動は有意に正の相関がみられた
・分析結果および人事権のありかたに触れ、組織主導の適材適所配置を徐々に緩める必要性を説く
・個人の選択と組織の全体最適のトレードオフへの対処については本論では提言できていない。

―――

・正しく運用されることが大事。制度はあっても、使われているのか。

・本人の自己評価との差をどう埋めていくのか。

・「私をここに異動させると、組織が伸びますよ」と言えるか。

・「欲しがられる人材」
・部署に求められているスキルが明確にあると、そこを目指して頑張ろうという個人も出てくる。

・研究開発は、人事には見えづらく、村社会になっていたり。

・キャリア自律を、どう理解してもらうか。
・そもそも考えたことが無い。「キャリアって会社が考えるものでしょ」

・進路も自分で決めてない。
・キャリア自律=放られる 

・「やりたいこと」を考えたことが無い人が多い。

・「こんなに仕事がぬるくていいんですか」という若手の声。

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●Adさん

小池 和男(2005)大卒ホワイトカラーの人材開発. 仕事の経済学

・日本では横並びで「専門の中で幅広いキャリア」ということに加え、「遅い選抜」により競争する期間が⻑いことが「不確実な問題処理に有利」である

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・「ジョブ型」「早い選抜」に、今は向かっているのでは。

・事業部長に40代になって、その後のポジションが無い。
 あまりに早すぎるのは良くないのかも。

・早い選抜に選ばれなかった人達のモチベーションは下がる。そちらへのケアが少ない。

・先が読めないのに「遅い選抜」と言われても・・・

・10年 執行役員やってると、次どうするか。
・40代で社長をやって辞めた後、ベンチャーで営業をやっている。報酬も下がる。

・若い人を上にあげるのは、若くないとできない仕事があるから。

・一営業化する覚悟。どれだけ職位が上がっても。
・役員経験を活かして、営業をしている。

・ピラミッドのゴールが60歳。

・一度上げると、おろせない。「~総括」みたいなポジションを作ってしまう。

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○改めて思ったこと(地域でミニ起業家を育てる観点で)

・組織でくすぶっている人たちが多そう。(まさに比企起業大学の色「くすブルー」状態)

・企業内で、上に行くなら、異動(ローテーション)は必要。
 (Ikさん担当論文、Adさん担当書籍、ミンツバーグ、佐藤厚先生)

・ジョブ型だと「畑」は決まるが、思わぬ芽は出ないかも。

・ただ、組織を出る人(独立起業者)を受け入れる立場で言うと、外で稼げる人は、

 ‐畑(強い分野:その人の得意領域でお客様の役に立てること)
 ‐一般的なビジネススキル(口頭、文章表現)
 ‐学び続ける力 

があればいいので、異動経験は、必須ではないかも。

・それよりも「担当者目線(畑)」から「社長目線(戦略、戦術全てやる)」への移行のほうが難しい。(下から上への移動や、自分で顧客を作る「一営業化」)

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●参考:

ミンツバーグ『MBAが会社を滅ぼす~マネジャーの正しい育て方』(2004、2006)

マネジャー教育
・ビジネス教育が最もうまくいっているのは、間違いなく日本だ。
・計画的人事異動(ジョブローテーション)が中核を担った。

佐藤厚(2016)『組織のなかで人を育てる』
https://www.learn-well.com/blog/2022/10/career_221014.html

・(部長は)30代前半頃にはキャリアの「畑」もしくはキャリアアンカーのようなもの(仕事で得意分野)が形成される。その後、30代後半から40歳代にかけて海外子会社出向の経験を積み、「全体を見る目=広い視野」のようなものが獲得される。

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企画して下さった塩川さん、保田さん、伊勢坊さん、中原先生、そして参加された皆さん、ありがとうございました。

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●駅への帰り道でのImさんとの話

・日本は「関係流動性」が低い社会。人間関係の中で、立場が固定されやすい。

・「関係流動性」があれば、人間関係を変えるチャンスがある。

・異動、転勤は、その機会になるかも。

(Imさん、ありがとうございます!)

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投稿者:関根雅泰

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