【木曜日22-34】「行動経済学」本(3)

木曜日

【木曜日22-34】「行動経済学」本(3)

○D.アリエリーの本含め3冊。 

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『予想どおりに不合理』D.アリエリー(著)熊谷淳子(訳)(2013)

・行動経済学はわりあい新しい分野で、心理学と経済学の両方の面を持っている。

・「恣意の一貫性」「アンカリング」

・無料!の本当の魅力は恐れと結びついている。無料!のものを選べば、目に見えて何かを失う心配はない。

・社会規範は、一度でも市場規範に負けると、まず戻ってこない。
・現金ではある程度のことしかできない。社会規範こそ、長い目で見た時に違いを生む力だ。
・社会規範で動いている状況に、金銭を持ち込むと、意欲が増すどころから減ってしまう。

・性教育は、性的興奮に伴う感情にどう対処するかという点にもっと焦点をあてるべきだ。
・落ち着いて冷静な時と、ホルモンが暴れに暴れまくっている時では、違う反応をしてしまうのだということを理解させる必要がある。

・生活の質をあげながら、必要ならいつでも低い生活に戻れるという空想に浸っている。しかし戻れないのが現実だ。

・あちらこちらへと目まぐるしく動き回るのは、ストレスになるだけでなく、不経済。
・必要なのは、いくつかの扉を、意図的に閉じること。

・「プラセボ」は、「わたしが喜ばせよう」という意味のラテン語から来ている。14世紀には、葬式で死者のために泣き、涙を流す役に雇われた「泣き屋」を指す言葉として使われた。
・プラセボで最も肝心なのは、自己暗示だ。

・個人は、自分に都合がいいときだけ、正直になる。

・十戒を思い出すように言われた学生たちは、まったくごまかしをしなかった。

・誘惑に駆られている瞬間に、道徳心を呼び起こされると、正直になる可能性がずっと高くなる。

・不正行為は、現金から一歩離れた時にやりやすくなる。

・人間に不足があると認める行動経済学の見方。

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『ずる~嘘とごまかしのの行動経済学』D.アリエリー(著)櫻井祐子(訳)(2014)

・シンプルな合理的犯罪モデル SMORC:Simple Model of Rational Crime

・私たちは「そこそこ正直な人間」という自己イメージを保てる水準まで、ごまかしをする。

・fudge factor つじつま合わせ係数

・好ましい自己イメージを保ちたい、それでいてごまかしから利益を得たいという二つの矛盾する欲求の微妙なバランス:つじつま合わせ係数

・金銭でないものを前にすると、本物の現金を前にしたときより、不正をしやすい。
・社会のキャッシュレス化が進むにつれて、私達の道徳的指針がますます損なわれるのではないか。

・倫理基準を思い出されられるだけで、より高潔な行動をとるようになる。
・自分なりの倫理規定を書いてもらえばよいのでは。

・用紙に必要事項を記入する「前」に、署名をさせれば、ずるが減る。

・「利益相反」のよくある原因に、恩義を返したいという人間の欲求がある。

・熟慮的な論理的思考力が占有されると、衝動システムが行動を支配するようになる。
・消耗すると、論理的思考力が多少低下すること。それと共に道徳的に行動する能力も衰える。

・誘惑にあらがう力が弱まることを自覚する。

・にせものをそれと知りつつ身に着けると、道徳的な抑制力がいくぶん弱まり、その結果不正の道に歩を進めやすくなる。

・人は何かの「ふりをする」と、自分の行動と自己イメージ、それに周りの人達に対する見方が変わるのだ。

・創造的な人ほど、自分の利己的な利益を正当化する、もっともらしい物語を考え出せるのだ。
・「創造性」が職務内容に含まれる時、人はこと不正行為に関しては「やっちまえ」と思いがちであることが分かった。

・協働はもろ刃の剣。

・誰しもが、ちょっとだけごまかしをする可能性がある。

・凱旋将軍が傲慢に陥ることのないよう、奴隷が「メメント・モリ(死を忘れるな)」とささやき続けた。

・リセットの儀式は、「どうにでもなれ」効果を打ち消す効果があるように思われる。

・不正は、不合理な傾向の最たるもの。

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『腐ったリンゴをどうするか』釘原(2015)

・「社会的手抜き」とは、集団で作業を行うときのほうが、個人でするときよりも一人当たりのパフォーマンスが低下する現象のこと。

・アウトプットが頭打ちになる理由こそ「手抜き」

・ブレストは、単独での思考よりも、アイデアの量も質も低下させていることになる。社会的手抜きが忍び込んでいるためだ。

・「リンゲルマン効果」集団サイズが大きくなれば、生じる手抜きも大きくなる。

・曲がろうとする力と、真直ぐ進もうとする力の相克によって均衡が成立している。

・男性のほうが、腐ったリンゴに感染しやすく、他者のフリーライドに敏感なのである。

・腐ってないリンゴを活性化させるほうが効果的。

・社会的促進に関する理論の一つである「動員説」に従えば、単純作業なら複数で一緒に取り組んだ方がパフォーマンスが向上することになり、複雑な作業な一人でした方がよいことになる。

・「罰を与えるのは手抜き防止に効果的なやり方ではない。

・手抜き対策

・「怠け者」有用論
・集団が危機に直面している場合には、特に成員の多様性が求められる。
・「怠け者」のレッテルを貼られた人の中には、天邪鬼な人、スケープゴートとなって集団の崩壊を食い止めている人、自分の力を発揮できる場がいまだ与えられていない人などが含まれている可能性がある。

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投稿者:関根雅泰

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