【木曜日22-33】「行動経済学」本(2)

木曜日

【木曜日22-33】「行動経済学」本(2)

○「行動経済学」に関する本。「ナッジ」は、研修転移にも活用できそうです。

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『実践 行動経済学』 R.セイラー、C.サンスティーン(著)遠藤真美(訳)(2009)

・「選択アーキテクト(設計者)」は、人々が意思決定する文脈を体系化して整理する責任を負う。
・「中立的」な設計などない。

・「リバタリアン・パターナリズム」 Libertarian Paternalism

・現状維持バイアスとは、「惰性」のしゃれた言い方。

・自動システムは、本能的な反応。
 熟慮システムは、意識的な思考。

・デフォルトオプションは、強力なナッジとして作用する。
・人々をナッジすることは可能である。

・人には、先を見通す力のある「計画者」と、
 狭量な「実行者」という半独立的な二つの自己がある。

・長い間一緒に暮らしている二人は、お互いに似てくる。
・それは同じ食事、同じ食習慣を共有することによる栄養面に一因があるが、顔の表情をまねるという単純な理由によるところが大きい。
・似るようになった夫婦のほうが幸せだという傾向も認められる。

・人はあなたが思っているほど、あなたを注意して見ていない。
 しかし、人は誰もが自分のことを注視していると考えている。

・「単純測定効果」何をしようとしているのか質問されると、答えに沿った行動をとる可能性が高くなる(例:投票)
・いつ、どのようにする予定であるか質問することで、強化できる。

・良いナッジが求められているのは、
 1)選択の結果が遅れて現れる場合、
 2)選択するのが難しく
 3)まれにしか起こらず
 4)フィードバックが乏しい場合、
 5)選択と経験の関係が不明瞭な場合 ではないかと思われる。

・ヒューマンのパフォーマンスを向上させる最善の方法は、フィードバックを与えること。

・良い選択アーキテクチャーを作る6つの原則:
iNcentives
Understand mappings
Defaults
Give feedback
Expect error
Structure complex choices

・ヒューマンは、損失を嫌う気持ちが、利得を好む気持ちの約二倍強い。

・選択肢が増えれば増えるほど、意思決定を手助けする必要性は高まる。

・適切なデフォルトルールを設定すると、臓器提供者が増え、臓器移植を待つ患者の命を救えることが分かっている。

・ナッジの評価は、効果(人々に損害を与えるか、人々を助けるか)に左右される。
・人々に影響を与えないようにすることは、不可能である。

・選択的アーキテクトは、選択の自由を守りながら、人々の生活がよくなる方向にナッジできる。

・リバタリアン・パターナリズムは、真の第三の道、つまり現代民主主義の難題を打開する道になると期待される。
・民主党:政府による厳格な義務付け、指揮統制型の規制を強く推し進めてきた
 共和党:自由放任主義を支持し、政府の介入に反対する

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『行動経済学の使い方』 大竹文雄(2019)

・コミットメントが、現在バイアスによる先延ばし行動を減らすのに有効。
・締め切りを細かく設定することが、現在バイアスから発生する先延ばしを防ぐのに有効。

・ヒューリスティックスと呼ばれる直感的意思決定:近道による意思決定

・因果関係ではなく、平均への回帰が観察されているだけ。

・「ナッジ」は「軽く肘でつつく」という意味。
・行動経済学的手段を用いて、
 1)選択の自由を確保しながら
 2)金銭的なインセンティブを用いないで
 3)行動変容を引き起こすことが、ナッジである。

・人々の行動を、自分の私利私欲のために促したり、よりよい行動をさせないようにしたりすることは、ナッジではなく、スラッジ(ヘドロ、汚泥)と呼ばれる。

・不法投棄が多い場所に、お地蔵さんや鳥居を設置することで、神聖な場所にごみを捨てないようにさせたりするのは、無意識的なナッジである。

○うちの近所のナッジ

・ナッジのチェックリスト

・ナッジに対して否定的な意見を持つ人も多い。ナッジが人々の選択を特定の方向に誘導することを危険視するのである。
・ナッジは見えないところで、人々を操作しているように感じさせるため、拒否感を持つ人もいる。

・正しいナッジは、残業の上限目標を守っている職場が多数派となっている指標を公表することである。
・多数派の行動を強調してナッジとして用いる。

・長期の目標を達成できるような毎日のシンプルな行動ルールを決めて、毎日その行動を達成したことを喜びにするという工夫が、次善の策なのかもしれない。

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『行動経済学入門』筒井・佐々木・山根・マルデワ(2017)

・2002年に、D.カーネマンが、行動経済学という新研究分野の開拓への貢献で、ノーベル経済学賞を受賞。

・伝統的経済学では「人間は合理的に行動する」というだけの仮定のもとに、理論を積み上げてきた。
・実験とアンケートは、比較的、伝統的経済学では使われない方法。

・合理的とは、理性的であり、論理や法則にかなっていること。
 合理的でないとは、無知であるのでできないとか、感情的になってしまって損なことをしてしまうこと。

・ヒューリスティクスを使った場合、導き出された結論に、バイアス(歪み)が生じる可能性があり、その場合、最適な決定が困難になる。

・待つのがどの程度嫌か=時間割引率

・カーネマンとトヴェルスキーは、1979年の論文で、期待効用仮説に代わる「プロスペクト理論」を提唱した。
・プロスペクト理論では、状態の満足度より、状態の「変化」に関する満足度を考える。

・物理学者 武谷三男は、理論・法則を、その抽象度で、3段階に分類:
 1)現象論的段階 2)実体論的段階 3)一般理論の構築段階

・お金の概念が少しでも頭の中に入っている被験者は、他者との距離を長く使用する。
・お金が関わってくると、
 1)他者と協調しないようになる。
 2)他者との関係を、価格を中心とする、ルールがはっきりしている価値観で結ぼうとする。

・時間の会計を意識して行う人や企業家は少数。
・時間は言うまでもなく、集中力も非常に希少な資源になってきた。

・本人の自由に選ばせるべきとする立場を、自由主義(リバタリアニズム)
 本人の意思は無視してこちらの選択肢を押し付ける立場を、家長主義(パターナリズム)
・リバタリアン・パターナリズム=穏やかな介入主義

・ナッジ(軽い一突き)

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投稿者:関根雅泰

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