【木曜日19】藻谷浩介さん本_210515

木曜日

○トカイナカハウス神山さんとの共催「ときがわ自然塾」に、藻谷さんが来て下さることになり、その為の事前学習として読んだ本。

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『里山資本主義』 藻谷浩介(2013)

・「里山資本主義」とは「マネー資本主義」の経済システムの横に、お金に依存しないサブシステムも再構築しておこうというもの。

・お金の循環が滞っても、水と食料と燃料が手に入り続ける仕組み、いわば安心、安全のネットワークをあらかじめ用意しておきたい。

・「Shareシェア」という言葉が、以前は「市場占有率」、今は「分かち合い」という感覚を持って受け止められようとしている。

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『進化する里山資本主義』藻谷監修(2020)

・里山資本主義は「ヒト・モノ・カネ・情報が、使いつぶされず、淀まずに、循環し再生され、次世代に続いていく社会」を目指す主義。
・当然ながらお金を稼いで使うことを基本にしている。だが、金銭換算できない価値も、お金と同等以上に大事にする。

・絶対的な日本の特色とは、日本列島という土地にある。
・まずは、自分が地域の中できちんと生業を持つ。

・2007年から2017年にかけて、売上を12%伸ばした成長産業が、農業。

・稼ぐ場があっても、使う場が乏しい地域は、衰退を免れない。
・アーティストは、世間のルールや工業化社会の統治から外れた、トリックスター。

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『東京脱出論』藻谷・寺本英仁(2020)

・共同主観:フッサールが提唱。皆が「正しい」と認めているから正しいに過ぎないという考え方。
・マスコミと一般人が、お互いに循環参照して、共同作業で思い込みを強めあっている。

・日本の魅力は今、圧倒的に、東京に比べて、田舎にある。
・都会は人口が過度に密集しすぎ。
・東京はいわば巨大な袋小路で、一度入ると子々孫々に至るまで、出てこられなくなる。それが東京に住むことの最大のリスク。

・飲食業は、復活する。人間の根幹に訴える魅力があるから。
・ウイルスが気にされなくなった後には、反動で旅行熱が高まる。

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『藻谷浩介さん、経済成長が無ければ、僕たちは幸せになれないのでしょうか?」藻谷・山崎亮(2012)

・お金に感染できないソーシャルストックがある地域
・構造上、税金が取りにくい所には、意外にストックがある。

・今の日本は、お金は稼いで貯めていても、有効な使い方ができていない。ただ、ため込んで不安におびえているだけ。

・非営利事業の中で試験的な方法を試してみて、上手くいきそうだということが分かれば、営利事業に反映させる。

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『デフレの正体』藻谷(2010)

・中国の経済発展は、あと10~20年ほどで人口面から大きな壁に突き当たる。

・日本は「ご近所の宝石屋」 逆にご近所にお金がないと売り上げが増えない。

・フランス、イタリア、スイスの軽工業製品に、ブランド力で勝つ。
・世界中の金持ちの上品な投資を呼び込めるか、これが日本の課題。

・地域経済を左右するのは雇用の増減。

・要因は「消費年齢人口」の変動。

・戦後復興の中で、たまたま数の多い団塊世代が生まれた。彼らが加齢していくのに伴い、そのライフステージに応じて様々なものが売れ、そして売れなくなっていく。この単純なストーリーで説明できてしまう物事が多い。

・「生産年齢人口減少に伴う就業者数の減少」こそ、平成不況とそれに続いた実感なき景気回復の正体。「人口ボーナス」が95年ごろに尽き、以降は「人口オーナス」の時代が始まった。

・商品を値上げできるだけのブランド力獲得に向けて、死に物狂いの努力が不可欠。

・日本で儲けられる企業を育てることで、高齢化するアジアに将来を示す。

・自覚なき強者=高齢富裕層(1400兆円の多くを死蔵)から、若い世代への所得移転を促進すべき。
・高齢者にモノやサービスを買わせるためには、価格よりも、言い訳がキーファクター。

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●2021年5月15日 第4回ときがわ自然塾での藻谷さんの講演

 https://tokigawa-company.com/tokigawa-shizenjuku-4th-210515/

投稿者:関根雅泰

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