東大MOOC「Interactive Teaching」第6週

授業

年末の土日、家で受講。
1週間に一度の学習が癖づく感じでいいですね。

(・講義内容 ○関根の独り言)
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Week6 学びを促す評価

●評価の目的
・評価の意義:
 1)学生:到達度の把握、学びの支援
 2)教員:理解度の確認、授業の改善
 3)機関:質保証、説明責任
・総括的評価 Summative:
  達成された学習成果の程度の把握が目的、合否判定
 
・形成的評価 Formative:
  学習プロセスの改善が目的、逐次修正
○企業研修だと、研修内容の形成的評価をしていくけど、
 (その研修をより良くしていく為に色んな人の目にさらす)
 この講座だと、学生さん自身の成長?を形成的評価していく
 ということなのかな。
 学生さん自身がちゃんとゴールに向かって階段を登って
 いっているのかを、形成的に評価する。
 ヒトの評価と、モノ(研修内容)の評価の違いかな。

●評価を設計する際のポイント
・評価方法:
  選択回答式、自由記述式、活動観察、実技テスト、
  パフォーマンス課題(小論文、プレゼン)
・評価を評価する観点:
 1)信頼性 Reliability:再現性、精度(誰でも?)
 2)妥当性 Validity:適切性(測りたいものを測れてる?)
 3)客観性 Objectivity:一致性(人によって変わらない?)
 4)効率性 Efficiency:実用性(手間かからない?)
・マークシート方式のセンター試験では、2)以外はOKでは。
・2)妥当性は、他の1)3)4)とトレードオフになりやすい。
○企業研修だと、どんな評価方法があるかな。
 そもそも「何を」評価するかと言ったときに、
 受講生の学習度合を評価するというよりも、
 研修内容の評価(受講生の満足度、受講生が理解しやすい
 内容であったか)のほうが多いかも。
 (それは俺が研修提供者側だからかもしれないけど)
 受講生を評価するというよりも、提供されたサービス(=研修)
 を評価するという観点のほうが多い。
 そう考えると、カークパトリックの4レベル:
 反応、学習、実践、結果も、提供者側のサービスがこれらの
 項目にいかに貢献したかを見ているのかもしれない。
 研修参加者の「学習度合を評価する」というのは、レベル2
 「学習」だけど、ここは学生向けよりはそれほど力を入れられて
 いない。
 評価の意義:機関で上がっていた「質保証、説明責任」のほうが
 企業研修では、より重視されているのかも(実践されているかは
 別問題として)

●ルーブリック(1)(2)
・ルーブリックは、これから広まっていくであろう評価方法
・ルーブリックとは、評価軸の可視化
 (レポートや演技など評価しづらいものの評価方法)
 課題を構成要素に分け、要素後に評価基準を満たすレベル
 について詳細に説明したもの(スティーブンス&レビ2014)
・課題:何を見るか(期待する行動が含まれたもの)
 評価観点:どこを見るか(達成が期待される要素)
 評価尺度:どれだけ達成されたか(達成レベル) 
      例)Excellent、Good、Developing 優良可
 評価基準:これらが満たされていれば
      (到達度の具体的フィードバック)
・ルーブリックの作成:
 1)評価観点を定める
   -測定したいものは何か
   -観点は十分か(コースの目的、目標に照らし合わせて)
 2)評価尺度の段階数とラベルを定める
 3)評価基準を定める(この書き分けが大変)
   -最高、最低、間の基準を決める

●ルーブリックを使う
・学生はルーブリックをガイドとして利用する。
 (「こういう風に評価されるんだな」と。)
・ルーブリックのメリット:
 1)課題の意図を伝え易い 2)採点がぶれにくい
 3)採点時間の短縮 4)自己学習の支援
 デメリット:
 1)作成が難しい 2)時間がかかる
 3)ルーブリックの観点以外、学習しようとしない

●スキル:応用編 質疑応答(1)
・のどが痛くならない声の出し方
 あくびのとき(リラックスした状態)は、のどが開いた状態。
 声は体全部から出ている。声がかれないポジションを探して喋る。
○腹から声を出すことはふれないのかな。
・声が低いと説得力が増す。
 声の高低よりも、トーンを明るくすると、相手に届きやすい。
 目をあけるだけで、声のトーンがあがる。
○これ面白いなー。
・恰好つけると緊張してしまう。
 まず今の自分を素直に受け止める。
 自分を無理に大きく見せようとすると、緊張が増す。
・手に積み木をもっているという意識で、手を動かす。
○これいいね~。確かにそうかも。
・自分が何を伝えたいのか、何のために人前にたっているのか。
 この追求を日々していく。
 「生き方が良くない」といったダメ出しをされないために。
○確かにそうだよなー。日々の姿勢が、人前に立つと出てしまう。

●ストーリー:研究の駆動力にもなる「おもろい教育」を目指して 入江直樹先生
・人間はなぜこんな形をしているのかの研究
○面白いねー。何でこんな形してるんだろう。
・全部わかっちゃっていることを伝えても面白くない。
・普段大学院と話すレベルで、学部生と話すとかみ合わないことがある。
・何が分からないのか、どこまで分からないのかが分からない。
・教育は、研究のプラスになる。
 研究所では、自分の知識を削りながら研究している。
 学部生に教えるには、知識をベースからおさえないといけない。
 狭い専門分野にいた自分を、俯瞰が必要な教育は引き揚げてくれる。
・学部生の素朴な疑問は面白い。
・専門家の作法にはまっちゃっている。
・苦労したのは、学部生の知識がどれぐらいあるのかつかみきれなかったこと。
・どこにレベルを合わせるかが難しい。
・教育はそんなに重くないし、研究に役立っている部分がたくさんある。

●ストーリー:対話を使った組織変革、人材育成 加藤雅則先生
・日頃集まれない人が集まって話をし、学んだことをアウトプットしていく、
 アクションラーニング。アクションとラーニングがくっついている。
・頭の中と気持ちの整理をする。整理役がファシリテーター。
・ファシリテーターの大事な役割は、場づくり。
 「トーン&マナー」どういうトーンで、どういうマナーで話してよいのか。
・最初の一時間が緊張する。はきそうになるくらい。
・「ちょっと面白いかも」「やってみようかな」と思わせるのが大変。
・細分化された、高速回転する仕事から、研修という非日常の場に放り込まれると
 リズムがとりにくい。
・代わりに言語化する。「分かってんじゃん、お前」みたいな感じでガードが下がる
・受講者の立場にたつ想像力。場の声を増幅する。
・組織のタブーにあえて踏み込んでいく。
・無関心が一番困る。レスポンスさえあればなんとかなる。
・感度がいい時は、「皆さん、ほんとうはこうしたいんじゃないですか」と
 スパンと言える。
 
 そうでないときは、参加者に相談する「皆さん、どうしたいですか?」
・自分は当事者ではなく、支援者なので、参加者の手に戻したい。
・自分事にしていけるか、ファシリテーターが待てるかどうか。
 「こうしたらいいじゃん」っていうとコンサルタントになっています。
・「オチの無い研修なので、どこへ行きたいかは皆さん次第」
○これ面白いな~。俺はこうは言えてないな。
・合気道が役に立っている。相手の力を使って。
 相手のネタを使って、素材を使って、場を作っていく。
○俺も高校時代、合気道をやっていた。この感覚はなんとなくわかる気がする。
 参加者の発言を上手く活かして、研修の中に盛り込んでいく。
・相手と一体化して展開していく。
・積極的に関わる為に、受動的な関わり方を必要とする。
・「先に行きすぎだよ」とならないように。待つ。
・人の可能性を信じる。それが全てに滲みでちゃう。人間観。
 企業の場合、社風として出てくる。人を育てる会社。

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第6週も面白かったです。次回は年明けですね。

投稿者:関根雅泰

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