「小商い」本

小さな会社の経営本

最近読んだ「小商い」関連本。
弊社(LW)は、家族5人経営の零細企業。
今後どうしていくか、色々ヒントが見つかった。

(・要約 ○関根の独り言)
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『街を変える小さな店』 堀部篤史 2013年

・京都市左京区が、個人店がひしめく小商いの街として注目されつつある。
・業種を超えて、街に学び、街と共に生きることにこそ、本屋をはじめとする
 小さな店の未来があるはず。
・(レコード屋)何を置くかよりも、何を置かないかが大事。
・ウェブ検索が「知る」ことの最短距離として定着したが、関心のない
 物事に触れる機会がずいぶん貴重なものになった。
・恵文社さんが、左京区を、歴史的、規模的、文化の成熟度的に耕した。
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『小商いのすすめ:経済成長から縮小均衡の時代へ』 平川克美 2012年

・311の後、問いは一つに絞られた
 「これまでのやり方の延長でやっていけるのか?
  それともこれまでとは違うやり方を見出さなければならないのか?」
・「隣組」とは、1940年に明文化された日本独特の制度であり、戦時体制の
 銃後を守る生活基盤を作るという目的で組織された。
・こどもが安心して、こどもでいられるためには、責任を負ってくれる
 おとなの存在が必要であり、責任あるおとなたちが作っている社会に
 こどもが入りこむことは許されないという暗黙の掟が必要。
・貧乏がおとなを作り、富が日本人から野性を奪った。
・日本が貧乏だったことが、経済の拡大均衡にとって最も重要な初期条件。
・小商いとは、野生の知恵で時代を生き抜くという生き方のフォルム(形式)
・小商いとは、ちいさな問題を考える際に取りうる立ち位置から、ビジネスや
 社会に関わること。
・小商いとは「いま ここ」にある自分に関して責任を持つ生き方。
・小商いとは、自分が売りたい商品を、売りたい人に届けたいという送り手と
 受け手を直接的につないでいけるビジネスという名の交通である。
・小商いとは、様々な外的条件の変化に対して、それでも何とか生きていける
 笑いながら苦境を乗り越えていけるためのライフスタイルであり、
 コーポレート哲学なのである。
○ここは確かにそう思う!独立起業してもうすぐ十年。小さくビジネスを
 やってきてよかったと思うことは、どんな環境になろうとも何とかやって
 いけるという自信をもてたこと。
・放射能と共存する以外にない。それは可能であり、心的な耐性を身につける
 ことこそ、困難と共存する第一歩。
・ニューディーラーの思想は、グローバリズムの思想の対極。
・フクシマを、新たなニューディールのシンボリックな場所にする。
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『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』 渡邉格 2013年

・自分の「労働力」を切り売りすることを避けようと思ったら、自前の
 「生産手段」をもてばいい。
・「技術革新」は、労働を単純に、楽にする方向で進む。
 労働が単純化することで、いくらでも替えがきくようになる。
・「職」(労働力)を安くするために、「食」(商品)を安くする。
 これがマルクスが解き明かした資本主義の構造。
・「腐らない」おカネが、資本主義のおかしさを作り出している。
・生を全うする根底には「腐る」ことがあるのでは。
・麹菌を使って、お酒や食品を作るのは、日本独特の文化。
・「自然栽培」において、農家の仕事は「土を作る」こと。そうすれば、
 植物は自分の力で「育つ」ようになる。育てるのではなく、育つ場を作る。
・引き算のパン作り。
・お金を使わされるために、働かされているような。
・資本主義経済の矛盾は、生産手段をもたない労働者が、自分の労働力を
 売りしかない構造から生まれている。
・自前の「生産手段」を取り戻すことが有効な策になるのでは。
 そのニュアンスを上手く表現してくれているのが「小商い」という言葉。
・労働者が生み出した分は、労働者にきっちり渡せば「利潤」と無縁で
 いられる
・同じ規模で経営を続けていくのに「利潤」は必要ない。
○俺はここまで割り切れてない。
 利益を出して経営を続けていくことを考える。古いタイプなのかなー。
○「田舎で子供を育てたい」とあこがれて、田舎起業を目指した日々。
 独立してよかったとしみじみ思う。
http://www.inaka-kigyo.com/index.html
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『Small Giants 事業拡大以上の価値を見出した14の企業』
  B.バーリンガム 2008年

・営利的な目的に加えて、別の非営利的な優先事項をもっている。
 
 その仕事で優れた存在になること、働きやすい環境を作ること、
 顧客にサービスを提供し、サプライヤーと優れた関係性を築くこと、
 生活とビジネスを置く地域に貢献し、自分の生き方に結びつく優れた道を
 見つけること。
 このような目的にも興味を持つ企業を「小さな巨人」と呼ぶ。
・注目した企業は、いずれも「人間的な規模」のサイズで経営。
 組織内の全員が互いに知りあい、CEOが新入社員の面接に当たることができる
 ぐらいのサイズ。
・株式非公開を維持し、成長以外の目標を設置することを選んだ場合、
 見返りに「コントロール」と「時間」が得られる。この二つの組み合わせ
 は「自由」を手にするに等しい。
○これ!これを得たいがために、独立して小規模にとどめているのかも。
 もちろん、大規模にするだけの能力がないのもあるけど。
・小さくても一流で、収益性のあるビジネスを行うことはできる。
 事業を拡大しないという決断。
・あえて他が選ばないような道を選べば、絶大な見返りが得られるかも。
・優れた企業には、優れた人材が必要だが、彼らに成長の余地を与えなければ
 人材を惹きつけることもできないし、維持することもできない。
・従業員のための新たな機会を創出しつつ、社風を維持するという
 「管理された拡大」を行うことが解決策となる。
・必死になって規模の小ささを維持。
・顧客との距離が近いビジネスでなくなると、その会社は次第に勢いを失う
・社風が見込み客の目にも魅力的に映る。
・SGは、いずれも顧客密着型の企業。
・企業、従業員、顧客、業者の間での「持ちつ持たれつの感覚」
 1)一貫した誠実さ 2)プロ意識 3)人間的な結びつき 
・企業人生のどこかで、成長を追求したいという強い誘惑を感じるはず。
 成長は「退屈」を紛らわす。
 薄れ始めた興奮を取り戻すために「成長」したくなる。
 SGは、その落とし穴を回避。彼らを救っているのは「情熱」。
・ドイツのミッテルシュタント(中小企業)は、ドイツ経済のバックボーン
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『隠れたチャンピオン企業』 H.サイモン 2009年

・ドイツの中堅企業と日本のそれとの違いは「直販」
・日本の輸出実績を上げる為にすべきことは、大企業ではなく、
 中堅企業を成長させること。
・経営陣の世間的な注目度が低いほど、その企業は長期的に成功する。
・無名のままでいる努力
・メディアに取り上げられないことで、自社の事業に専念しやすい。
・大変の隠れたチャンピオンは、市場や顧客の間で、非常に強いブランド名を
 確立している。
・ビジョンには裏付けが必要。市場、財務、従業員、経営能力などの手段を
 検証。この宿題が終わった後で、ようやく野心的なビジョンを発表できる
・市場は狭く。バリューチェーンを深く。
・狭く定義した市場で、包括的で深い製品群を提供することに専念。
・自社が重要人物になれるニッチ市場を支配する。
・特化して隠れた存在となり、市場を小さく保とうする。
・製品と顧客に関してシンプルな構造をとる。
・隠れたチャンピオン企業は、集中とグローバル志向を結び付けている
・戦略の柱 1)狭く絞り込む集中 2)グローバルMktg
・狭いニッチ市場に集中し、世界中に展開。
・狭い市場でさえも、グローバル規模ではかなりのボリュームになる
・品質に関して最も要求が厳しい顧客がいるのは、ドイツ語圏と日本。
・顧客と極めて近しい関係。直販中心。
・隠れたチャンピオンの顧客は非常に要求が多い。
・最も重要で、最も要求の厳しい顧客を惹きつけ維持することによって、
 企業は初めて世界市場のリーダーとなれる
・顧客ニーズと自社の能力が組み合わさってのイノベーション
・最も模倣しにくく、最も持続性のある競争優位は、従業員の資質や
 価値システムに根差したもの
・隠れたチャンピオンにとって、最もチャンスがあるのは、特定大学に
 採用を集中させること。
・隠れたチャンピオンの経営者は、基本的価値観では権威型、実行面では
 協調型のスタイルをとっている
・顧客との顕密な関係は、自動的に競争優位となる。最高の顧客は、
 業績を上げるための推進力となる。
・日本のグローバル企業の候補は、消費財と医療サービス。
・隠れたチャンピオンになるためには、ターゲットに向かって首尾一貫した
 方法で、持久力をもちつつ、小さなことを少しだけ上手く行い、それを
 たくさん積み重ねていけばよい。
○市場を狭く定義し、深く商品、サービスを提供する。
 「あの分野に関しては、LWが一番、商品、サービスが充実している」
 顧客と直接接し、厳しい要求に応えていく。
 「LWはうちの会社のことを一番よくわかってくれ、要望に対応してくれる」
 こういう評価をお客様から頂けるよう頑張ろう。
 グローバルに展開するかはわからないけど、アジアには広げていきたいな。
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投稿者:関根雅泰

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