「パフォーマンス・コンサルティング~研修作りから成果創造」に参加してきました。

企業内教育担当者向け

09年8月6日(木)17時30分~21時30分
慶応MCC ラーニングイノベーション論 セッション9
「パフォーマンス・コンサルティング~研修作りから成果創造」
に参加してきました。

(・講演内容 ○関根の独り言)
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●鹿野先生によるセッション
・パフォーマンスは、行動だけではなく、その結果である成果も含む
 成果を改善するためには、行動を変える必要がある。
○行動→期待される結果(成果)。直線的な「因果関係」を前提。
・何を改善すれば、社員の業績は高まりますか?
 何があれば、社員は期待される行動を発揮しますか?
・「行動エンジニアリングモデル」による
 「環境:期待成果(上司によるInformation)職場(Resource)評価(Incentives)」
 「個人:知識/スキル(Knowledge/Skill)能力(Capacity)動機(Motives)」
○環境要因が多くでてくる。まずは職場環境や上司によるマネジメントの影響が強い。
・社員の行動を変えるためには、いろいろな要因への働きかけが必要。
 研修だけだと難しいともいえる。
○そもそも人材開発部門にとって、業績は何を指すのか?
 その業績を達成するために、とるべき行動は?
 人材開発部門の存在意義を、どう説明するか?
 経営陣が、人材開発部門を「研修部門」と見ていた場合、
 やはり研修実施数等は評価の対象とならざるを得ないのでは。
 研修実施以外に「ちゃんと仕事していますよ」とアピールする方法には
 何があるのか。
 この辺りが、書籍の最後で「人材開発部門のミッションを考える」とも
 つながってくるのかな。
・PMCの売りは「現状分析」
・現状分析のためのモデル(考える枠組み)
 「4つのニーズ」
 「パフォーマンスモデル」
 「パフォーマンス相互関係マップ(GAPS)」
 「トレーニングニーズマトリックス」
○事業ニーズを達成するには、パフォーマンスが必要という前提。
 何らかの行動の結果が、事業ニーズの達成という成果につながる。
○事業ニーズ達成につながる「パフォーマンス」をあげるのが難しい。
 こここそ、現場で優秀なパフォーマーにインタビューして、
 一緒に作っていく部分なのだろう。
○演習で「OJT担当者による新入社員の育成」というテーマで考えてみた。
 「事業ニーズ」としては、
 「新入社員の早期戦力化」
 「従業員の(将来的な)負担減」
 「生産性の向上」
 「職場の活性化」
 「(OJT指導員の)能力開発(将来のマネジメント力向上)」など。
 事業ニーズの把握が、まだ甘い。ここが課題かも。
・研修企画担当としては、受講者の満足度を重視して、学習施策を企画してきた。
 来てくれた人に満足してもらうことを重視する。 ←参加者からでた意見
○外部講師としても、今後は「事業ニーズの把握」
「期待される成果につながるパフォーマンスの明確化(研修目標の設定)」
「職場環境への働きかけ」が必要になるな。
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●質疑応答
・優秀なパフォーマーに対するインタビューで出てきた
 「パフォーマンス=ベストプラクティス」が、一般従業員の場合はどうか、
 サーベイ調査をする。その上で、トレーニングニーズマトリックスに落としこみ
 研修企画を立てる。
○このサーベイをしっかりやっているのが、先日(7月31日)の
 ベーリンガーインゲルハイムさんの事例なんだろうな。
・職種ごとに、求められるパフォーマンスは違う。全社的にやろうとしても、
 各職種まで深く入り込んで作っていく必要がある。かなり手間はかかる。
・パフォーマンスを定義しにくい仕事(ナレッジワーカー)もある。
 そういう場合は、定義しやすい仕事から始めるの一策。
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●中原先生によるラップアップ
・導管モデルでよいのか?という問い
・「問題定式化(Problem Shaping)」「問題解決(Problem Solving)」
・今は両方が求められている。人材開発部門の仕事が増えてきている。
・HRとしては、どこまでコミットすべきか?
・求められているのは間違いない。でもどうするか?
・研修ベンダーは、クライアントが「パフォーマンス相互関係マップ」を
 もって話をしてきたとき、どう対応するか? 
 今後は間違いなく、そういう方向に変わってくる。
○俺自身はどうか?
 今、優秀なパフォーマーとマネジャーに対するインタビューは、
 研修企画前に実施している。それを基に、研修の学習目標を設定し
 「OJT指導員のあるべき姿」として提示している。
 ただ、それも「優秀なOJT指導員がOJTにおいて行っていること」を
 整理しただけのもの。事業成果にどうつながっているのかまで、
 しっかり検証できていない。
 また、その「ベストプラクティス」を、一般従業員に対して
 サーベイ調査まで行っていない。そこまでの手間を、HRに対して求め切れて
 いないのかも。あるいは、すでに研修対象者が決まっているから
 「あるべき姿」の提示のみで終わっているのかも。
 研修内で、参加者自身に自分の現状と照らし併せてどうか考えてもらうことで
 簡易サーベイはできるかも。おそらく弱い部分が出てくる。
○PMCは、本もそうだったが、今回のセッションからも多くの学びを得た。 
(鹿野先生、中原先生、参加者の皆さん、事務局の皆さん、
 ありがとうございました。)

投稿者:関根雅泰

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