狂気の世界で学ぶ:参加者の関心をつかむには?

ASTD 2008 参加報告

 Learning in a Frenzied World: Strategies for Grabbing Learners’ Attetion
  狂気の世界で学ぶ:参加者の関心をつかむには?
June 3, 2008 13:45-15:00 Mr. Lenn Millbower & Mr. Howard Prager
(・はセッション内で印象に残った内容 ○は関根の独り言)
○去年(07年)も参加した L.Millbower氏のセッションです。
 この方のセッションのおかげで、私は自分の研修をより
 「カラフル」なものにしようと、ゲームや音楽を取り入れています。

 
・現代は、frenzied 24/7 world (忙しいフル稼働の世界)である。
 研修受講者は、Multi-tasking(複数課題の同時進行)が当たり前となっている。
・21世紀の学習においては、
 1)Information Explosion(情報の爆発的増加)
 2)Less time to Absorb(吸収できる時間が少ない)
 という2点をおさえておく。
・研修参加者が不満に感じていることや、研修講師が難しさを感じていることを
 セッション参加者に挙げさせた。
 -研修に参加する時間がない、忙しい
 -参加者がバラバラ(学歴、世代、文化背景、参加理由等)
 -研修以外の学習手段が増えてきている
○セッションの最初に、参加者に「研修への期待」や「困っていること」を
 あげさせるのは、やはり基本のようです。
 (ASTDの参加型セッションでは多くの場合、この形がとられています)
 ここで吐き出させて、本論でその内容をカバーできれば
 「Relevant(つながっている・関わりがある)」という印象を与えることができます。
・書籍「Made to Stick 2007年」は、読んだ方が良い。
・古いレクチャースタイルのゴールは、広告のゴールと重なる点が多い。
 1)Capture Participants(参加者をつかむ)
 2)Maintain Control(コントロールする)
 3)Move the Participants to Favorable Evals
  (参加者が肯定的なアンケートを書くように誘導)
・「Advertainment(広告+楽しませる)」が、これからのトレーナーにとって参考になる。
 -short, focused messages
-clearly tie to product features and benefits
-enjoyable, entertaining, humoristic
-30 second or less message points
・「未来の学習」においては、次の点が重要になる。
 1)参加者の興味関心をつかむ
 2)参加者にとって適切な形(様々なテクノロジーを利用)で情報を提供する
 3)JIT(適時)な学習を提供する
 4)個々人に焦点をあてる
 
・How can you make training stick Prior to, During, After the learning event?
 (研修を参加者により残させるために、研修「前・中・後」に何をしたらよいのか?)
 研修「前」にすべきこと
 -「逃せないイベント」にする
 研修「中」にすべきこと
 -H.ガードナー教授の「多重知能理論」に則って
  多様な感覚器を活かすようなインプットを促す
 研修「後」にすべきこと
 -研修前にすべきことと似たような活動を行う
・「Learnertainment(R)」で重要なことは、「Learning point」に合致することを
 意識することだ。楽しみのために、楽しくするのでは、本末転倒。
 参加者が学ぶことを手助けするという目的のために、楽しく研修を行う。
○このセッションでも「研修前・中・後」の取り組みの話がありました。
 「Training is not~」もそうでしたし、
 もちろん効果測定の「J. Phillips」もそうでした。
 たまたま自分が興味あるテーマ(研修の現場実践)だから、
 こういう切り口が多いのでしょうか?
 
 ただ、Millbower氏の去年のセッションでは
 「研修中」のアクティビティーが中心でした。
 いかに「研修中」を盛り上げるかがテーマでした。
 
 ただ「研修中」の工夫だけでは、参加者の現場実践を促すには足りないです。
 「研修前」と「研修後」の現場との絡みが、研修の効果を高めるためにも
 必要なのでしょうね。

投稿者:関根雅泰

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