2006年4月20日
 4月19日の日経新聞 一面に気になる記事が出ていた。
 「製造業 技能伝承を加速
  団塊の大量退職目前 大量採用の若手育成」
 「熟練工が若手を育成する仕組みを強化・多様化し、国内工場でベテランから若手への技能伝承を円滑に進めることが、世界規模で競争力を底上げすることにつながると判断した。」
 ここで疑問になることが一つ。
 熟練工は、専門知識、専門技術については、秀でたものをもっている。
 だが、その「伝え方」に関しては、どうなのか?
 若手に教える。若手に学ばせる。
 その「教え方」に関しては、どうなのか?
 実際に、あるメーカーさんで新入社員を指導する「トレーナー」に対する
 研修を実施したことがある。
 人事担当に言わせると
 「職人さんだから、教えないんですよねー。
  “俺の背中を見て盗め!”って感じの人が多くて・・・」
 「工場だと、高卒の子たちもいるから、親子以上に歳が離れているし。
  コミュニケーションがとれていないですよね。」
 「教える側と、教わる側、両方の問題なんですが・・・」
 確かに、研修でも「教え方」の前に「接し方」の面で困っている人が多くいた。
 今回の本「教え上手になる!」は、若手に教える立場にある人には、参考になる点があると思う。
 ただ、技能伝承においては、「教える側」だけでなく、「学ぶ側」の能力向上も必要だろう。
 「学ぶ側の能力」とは何か?
 それは「学ぶ力」だ。
 ベテランの技術を、
 「観て」盗み
 「聞いて」理解し
 「やってみて」自分のものにする。
 教わる側の「学ぶ力」を向上させると、技能伝承は更にスムーズに進む。
 技能伝承においては、
 ・伝える側の「教える力」
 ・教わる側の「学ぶ力」
 両方が鍵になってくる。
 「学ぶ力」
コメントフォーム