
○「OD評価」本(1冊)
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『Evaluating Organization Development』M.C.Jones & W.J.Rothwell ed.(2018) CRC Press.
○ATDに行ったときに買った。26年度に探究したい「OD評価」に関する本。
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1.Why Evaluate Organizational Change Efforts?
M.J.Park
・OD評価は、
-適切な機会であったのか
-目標設定は適切か
-正しい参加者であったのか
-介入種類は適切か
-介入の範囲や方向性は状況に合っていたか
を検討する。
・Rothwell et al.(2010)のOD本『OD and Change』
・人気のODモデル2つ:
1)Action Research Model(ARM) 2)Appreciative Inquiry(AI)
・ARMの鍵は、適切な問題の設定であり、Root cause根本原因を探ることである。
・設定した目標を達成できたかを評価する。
・AI実践家は、evaluation評価よりも、Appraisal査定・鑑定という言葉のほうを好む。
・評価においては、目標と指標が達成されたかを観る。
・研修の評価とODの評価は違う。
・研修は、講師が、短期間で、仕事に直結した内容に関与し、組織全体の影響は考えない。
・ODは、ファシリテーターが、長期間、仕事に関連しない介入を、組織全体に対して行う。
・評価の時期
1)介入前 2)介入中 3)介入後
○ODやってる本人が同時に、評価するのは大変そう。目の前のことで手いっぱいになりそうだし、自分たちのやっていることを肯定的に認めたいだろうから。評価に特化した別チームが、同時進行で評価する?
・内的妥当性 因果関係 他の説明要因
○ODでは、ARMで「問題の根本原因」を探り、それが解決された状態を目標(目指す姿 To Be)として設定し、そこに到達するための介入(ARMやAI)を行う。それらの目標が達成されたのかを、介入前(元々の状態 As Is)と介入後で比較し、評価するって感じかな。
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2.How Does Organizational Change Evaluation Differ from Training Evaluation?
Z.Alsadah,A.Alkhalaf, and M.C.Jones
○これドンピシャ!なタイトル
・研修は、特定商品や概念に関する知識不足を正す際に有効である。
・研修は、Organizational Change組織変革ではない。
・ODでは、介入がどの程度上手くいったのかを測定する必要がある。
・研修では、特定の目標が達成できたのかを、前後のテスト、デモ、自己評価、観察等、短期間でできる方法で測定する。
・研修は、数時間から数日間での1回の変化である。
・Kirkpatrickの4レベルやPhillipsのROIモデルで評価する。
・ODは、長期間で、職場、部門、組織という広い範囲での影響となるものである。
・Kurt LevinのARMと、評価段階

・ODの成功を評価するために、BSC:Balanced Score Card(Kaplan and Norton 1992)を使用する。
・PhillipsのROIモデルも、金銭的価値を提示する際に有効。
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3.Aligning Evaluation to Organizational Strategy.
M.T.Spencer and M.Carasco-Saul
・ステークホルダーと、ODの成功がどういう状態なのかを合意する。
・「望ましい結果」をリスト化し、それが達成できたのかを評価する。
○この事前合意がカギなんだろうな~。
・Baseline(最初の状態)をまず決める。
・BSC(1996)を使って評価する。
○ここでもBSC。ODは、BSCを使って評価するってことかな。
参考:BSC
・Financial Perspective:Stakeholder Value on Financial Outcomes ステークホルダーが価値を置く財務結果
Customer Perspective: Presentation to Customers 顧客への提示
Process Perspective: Areas to Excel 秀でる領域?
Organizational Perspective: Sustaning the Change 変革の維持
・変革の前に、評価を始める。まずは、Baselineを記録。
・評価は、優先順位が下がることがある。
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- Planning the Evaluation.
J.W.Park
・評価の計画を立てることが、ODの最初のステップである。
・Kotter(1996)の変革の8ステップには、評価が入っていない。
・評価目標を、問題設定と解決策実行とシームレスにつなげる。

・第三者を、分離された評価チームとして動いてもらうことも良い。
・評価計画チェックリスト

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- Identifying and Examining Key Stakeholders/Decision Makers.
V.David, D.Sanoubane, and M.C.Jones.
・ステークホルダーは、株主だけではない。
・会社に対して、利害関係や要求がある集団全てである。
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- Determining Evaluators and Evaluation Criteria
J.E.Al Khadhuri and M.C.Jones.
・OD評価の実践に関する研究論文は少ない。
・OD変革努力によるインタンジブルな効果については報告されている(Head & Sorensen,2005)
・2種類の評価者 1)内部評価者 2)外部評価者
・評価者のコンピテンシーとして、King et al.(2001)は、6つをあげた。
1)プロフェッショナルな実践 2)システマティックな探索 3)状況分析
4)プロジェクトマネジメント 5)内省の実践 6)対人関係能力
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- Organization Development/Change and Evaluation: External and Internal Sources to Consider
E.Mourino
・ODプロジェクトは、ほんの少ししか評価が実施されていない(Koivisto et al.2008)
・最初から評価の計画を立てる。「終わりを頭に入れて始める」(Covey 1989)
・次のトレンドは、ODに影響する 1)技術革新 2)リーダーシップ開発 3)人種構成 4)世代構成
・速く進むために、ゆっくり行く。
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- Determining, Collecting, and Analyzing Implementation Data
R.Boswell
・変革努力が効果的であったのか、なかったのかを評価する。
・変革を評価する際に使えるのが、BSC(1996)である。
・4種類のデータ
1)財務:ROI、キャッシュフロー、財務成果
2)顧客:満足度、継続率、復帰率
3)内部:品質、プロセス連携、ボトルネック
4)学習と成長:従業員職務満足、研修、開発
○やっぱりOD評価は、BSCを拠り所にしてるんだね。
・データは、インタビュー、観察、質問紙、社内指標から集める。
・定性分析では、Categorizing(コーディング、テーマ分析)やConnecting(物語分析)を行う。
・定量分析では、means(平均値)SD(標準偏差)Correlation coefficients(相関係数)Scattergrams(散布図)を使う。
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- Reporting Results to Stakeholders
M.C.Jones
・評価結果の報告に対する障害には、「期待と違う結果」「評価される怖さ」「変化への抵抗」等がある。
・誰が、ターゲットとなる報告相手なのか。
・読みやすく、分かりやすい資料を作る。
・データが、意思決定につながるように。
・評価の報告をしたら、それに対するフィードバックをもらい、次の改善につなげる。
・Real-time feedbackを集めること。
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- The Future of Evaluation in Organization Development
W.J.Rothwell
・研修評価に関する本は数多いが、OD評価に関する本は少ない。
・OD介入は、今後もっと評価されるようになるだろう。
・OD介入は、個人、チーム/集団、部門、組織レベルで、追跡されるだろう。
・ODは、組織のBSCと、個人のKPIによって、測定されるようになるだろう。
個人のKPIは、組織のBSCにつながっているはず。
・定量分析の結果に対して「なぜ、そうなったのか?」「どうやって、そうなったのか?」を説明するために、定性分析が必要になるだろう。
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○研修評価は、シンプルに「直後の自己効力感」「数か月後の実践度(SCM)」をアンケートで取る。Formative形成評価として、直後アンケートを活用し、自己効力感の高い研修(および転移支援)となるよう、改善する。SCMの「活用度」を円グラフ化(人数と%)し、「良い結果」コメントを「Soft/Hard data」に分類し、L4成果を示し、Summative総括評価する、みたいな感じかな。
ODの評価は、BSCが枠組みになりそうだけど、実際、どんな評価がされているのか、先行研究を探っていこう。あとは「評価学」の文献から、ODに近いものを探してくるのもありかも。
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