
○アメリカで歩いていたH.ソロー(2冊)
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『歩く Walking』 H.ソロー 山口晃(編・訳)(2013)
・1日4~5時間、距離にして2~30㎞、毎日歩く。
・自分達を新しい身分の、いやむしろ古い身分の騎士であると考えて喜びにひたっている。
・古代ローマの騎士団よりも、はるかに古く名誉があると思われる「歩く人」という階級。
・教会、国家、人民の外にいる、いわば第四の身分。
・1日に少なくとも四時間、普通は四時間以上、森を通り丘や草原を越え、世間の約束事から完全に解放されて歩き回ることなしには、自分の健康と精神を保つことができない、と私は思っている。
○こんなには歩けてないな~。一時間だけ。
・(ワーズワースの女中は)「書庫は、ここですが、書斎は野外です」と答えた。
・風景とは所有されるものではなく、歩く者に開かれている。
・自然の中には、微妙な磁力がある。
・(足を向ける方向は)最後は必ず南西になる。
・私は元気を回復しようとするとき、最も神聖な場所として、沼沢地に入る。
○俺にとっては、富士塚かもな~。
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・森の中でまったく信じられないやり方で道を見つけられるインディアンは、白人にはないとても多くの知性を持っている。
・本当に学ぶ場所(アカデミー)で、最後の1冊を研究しなさい。
・(ガンディーの)塩の行進を境に、インドとイギリスの関係は質的に変化する。優位、支配という状況は維持できなくなる。
・「歩く」は、人間の尊厳をめぐる戦い(奴隷制度)の中で「絶対的な自由」のために書かれたのである。
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『ウォールデン 森の生活』 H.ソロー 田内志文(訳)(2024)
・私の人生の大部分が、私にしかすることのできない実験だ。
・人間たちにとって欠かせない物は、食料、隠れ家、衣服、燃料とうい四つに分けられるだろう。
・人体とはストーブであり、食料とは肺における燃焼を保ち続ける燃料なのだという。
・哲学者になるというのは、知恵を愛し、知恵の導きに従い、シンプルさと、自立性と、寛容さを、信頼の人生を愛する事なのだ。
・鳥たちと同じく、羽毛の生え換わる時期は、人生の危機になる。
・もっとも素早い旅行者とは、自分の足で赴く旅行者。
・年に6週間も働けば、それだけで十分な生活費を得られることを突き止めた。
・私の最大の能力とは、物欲がほとんど無いことである。
・なにがニュースか!決して古くならないものを知るほうが、はるかに重要。
・冒険心あふれる学生は、常に古典を学ぶものである。
・文字で書かれた古典とは、もっとも優れた歴史的遺物なのだ。
・人々が大人になっても教育から離れないようにするべきだ。今こそ、村が大学となり、年配の住民は、大学の一員となるべきだ。
○これいいね~。比企ら辺まるごとキャンパス化計画にもつながる。
・日々の楽しみを、社交や劇場など、外に求めざるを得ない人々と比べて、私の場合は、生活そのものが、決して新鮮さを失なうことのない楽しみであり、これは私の生き方がもつ長所だった。
○これ、俺もそうかも。単に、出不精なのかもしれないけど。近場の生活に楽しみを見いだせている。
・健やかな精神と肉体で生きるには、傍らに人がいなくてはならぬのではないかと、一時間ほど頭を悩ませたことがあった。
・大半の時間をひとりで過ごすことは、実に満ち足りた行為であると私は知った。
・孤独という友に勝る友に、私は出会ったことが無い。
・人々の中へと出ていく時のほうが、往々にして孤独なものだ。
○これ、確かにあるよな~。人との違いを感じて、自分の孤独さを知るのかも。
・町から離れたことで、つき合う人々が、ふるいにかけられたのである。
・こうした果実が持つ本当の味わいは、金を払って買う者にも、市場で売るために育てる者にも分からない。
○この辺だと、ドドメとかタマゴタケとかそうだよな~。運べない物は市場に出回らず、近場でしか食べられない。
・ウォールデンのかたわらに住むほど、神と天国に近づく術などありはしない。
○ここまで思える地域に住めるのは幸せだし、そう思おうとする気持ちが大事なのかも。
・狩りが自分の成育にとって最重要なものの一つだった。
・善とは、決して損をすることのない唯一の投資だ。
・静穏が見えぬとは、なんという盲目か!
・暮らしとは、最も富んでいるときにこそ、最も貧しく見えるものだ。
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●解説
・生きることは実験であり、たった一人でも、別の生き方を示してみせる。それが彼の気概だった。
・人間社会は、つねに自然史からの批判にさらされている。
・人間のことばには、いわば「預言的な性格」があらかじめ組み込まれている。ことばに表されたあるプロジェクトは、それが成就しようとしまいと、人間社会全体にとっての想像力の辺境をぐっとおしひろげるものだ。
○この言葉、励まされるな~。「20年かけて、比企ら辺に丸太看板を建て、20年経ったら、式年遷宮のように建て替える。比企大そのものは、読み継がれる本と共に100年続いていく」ということばの発信は、仮に成就しようとしまいとも、すでに人の想像力をおしひろげているのかも。そう願いたいし、そう願って、活動を続けていこう!
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