【木曜日22-42】「スモールビジネス・ストックビジネス」本

木曜日

【木曜日22-42】「スモールビジネス・ストックビジネス」本

○久しぶりのビジネス書。やっぱり楽しい~。色々案が浮かんでくる。

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『1年で脱下請けするしくみ』村松(2017)

○栢野さんおすすめの本。

・小さな会社があれもこれもと手を広げても、必ず失敗。

・これまでの仕事を付箋で分類する
 1)大きな仕事、小さな仕事
 2)粗利が大きい仕事、小さい仕事
 3)得意・好き、不得意・嫌い

・入口商品(きっかけ作り)と中心商品(高粗利、好き、高い技術)

・狭い地域に、継続して、統一感のあるPRを継続してこそ、最大限の効果が得られる。おちょことたらいに墨汁を一滴ずつたらすと、その違いが顕著。

・アフターフォローとは「お客様に忘れられない」ことを継続すること。

・OB客が、元受け経営の安定部分。

・社長だけが知っている「お金」に関わる部分まで見せないと、社長の代わりに業務をこなせる専任者は育たない。

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『スモールビジネスの教科書』武田(2022)

・2年以内に、年間売上3,000万円以上、100億円以下。

・少数の人しかもっていないと思われる強いニーズを発見したなら、それは宝の可能性がある。

・属人性があるからこそ、スケールが求められる大企業やベンチャーは参入しづらい。

・「褒められたい」というビジネス自体に不要な欲求を経営者自身が排除することにより、成功率を高めることができる。

・ビジネスモデルは定番のものを選択し、適用する顧客セグメント・コンテンツによる差別化をはかる。

・属人性は、スモールビジネスが成立するためには必須。

・儲かっているとは、営業利益。

・大企業があえて捨てている小さな市場。。
・事業領域内の成功要因をコピーし、その会社のミニバージョンを作る。

・顧客が「実現したい姿」に至るための階段を提供する。

・(研修)担当者のみが持つバーニングニーズ。
・誰の予算をもぎとるのか。

・現在の自動運転投資は、金の湧き出る泉である。
・業界を正しく選べば、何をやっても成功する。

・誰も本気でやらない(狭い)市場に、情熱をもって参入する。

・新規参入者であり、他社に利用されていないサプライヤーを早期に使用するのは、定番のパターン。
・積極的に新規サプライヤーを開拓する。

・スモールビジネスの根源的な強さは「ステイスモール」を意思決定している点にある。

・特定の領域に絞って、コンテンツを生成し続ける体制を作るだけでも、強みになる。

・まず目の前の一人を喜ばせる「スモール」なところに全ての始まりがある。

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『あなたが先に儲けなさい』菅谷(2012)

・お金が一円もなくても、業績を回復できる策はいくらでもある。

・「出世払いコンサル」は、コンサルティングの内容と結果について自信がなければ、決して成立しない独特のスタイル。

・経営がうまくいってない経営者のほとんどが、顧客獲得についての戦略戦術について体系化された勉強をしていない。

・相談を受けてから1年後ぐらいまでの具体的な実践事項をアドバイス。

・地元の個人事業主が泣いて喜ぶイベントを定期的に主催する。

・零細企業は、得意分野を絞って、継続して追求することが大切。
・色々手段はあるが、最後はニュースレターしかない。

・零細企業の業績は、社内の仕組みなどの内部要因ではなく、営業面など「お客様づくり」で決まる場合が殆ど。
・経営の要は、どのようにお客様を獲得し、それをいかに維持できるかという点。

・やや厚手の紙に印刷、裸のまま送るニュースレター。

・露出量×情報の濃さ

・大きな会社では立場上できないことが沢山ある。

・競合他社が面倒くさがってやらないこと、コツコツと継続性が求められる活動こそ、零細企業の活路を拓く大きなチャンスとなる。

・検索上位表示の基準が「真面目にコツコツ」系の情報発信を続けている人を評価するように変化した。

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『スモールカンパニー「最速のブルーオーシャン戦略」』原田(2020)

・イノベーションか死かの二者択一に対して、第三の選択肢として、リノベーション(刷新、改革)のよる「特別化」の道がある。

・市場から見捨てられるユーザーニーズを救い、そういった残存者利益を狙って、自社独自の成長を目指す。

・先行者利益:ブルーオーシャン戦略
 勝利者利益:差別化戦略
 残存者利益:特別化戦略 商品力×関係構築力

・多くのスモールカンパニーは、万年経営課題ともいえる三大疾病を抱えている
 1)ガン(腐った社員)
 2)心疾患(受注激減)
 3)脳卒中(資金ショート)

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『中小企業の「ストックビジネス」参入バイブル』小泉(2019)

・狩猟型フロービジネス
・農耕型ストックビジネス:顧客数×継続売上

・顧客の日用性、リピート性が極めて高い優良ストックビジネスが、塾、クリーニング、美容室、整体サロンなど。

・顧客ごとに得られる総売上(購入単価×購入頻度×継続期間)が、LTV。

・大企業が本格参入してこないニッチ市場で戦うからこそ、中小企業はその特定市場を独占できる可能性が高まる。

・ランチェスター戦略では、弱者の戦略として「差別化×集中×接近戦」と教えている。
・シェア首位(3割ぐらい)を目指せるような戦い方(市場×独自商品×経営リソース)を目指せと、ランチェスター戦略は教えている。

・ビジネスは独占できるかによって、事業の競争優位性、収益性が大きく変わってくる。

・ROIC(投下資本利益)=Return/Invested Capital

・限定市場に対して限られた経営リソースを集中させることで局地戦に持ち込み、大手と徹底的に差別化する。

・地域や場所、提供時間を絞り込む。

・アンゾフの成長マトリックス

 商品・サービス:既存・新規
 市場・顧客:既存・新規

・成熟市場は、これまでもこれからも、最も変化が少ないと思われる市場。

・多くの経営者は、損益計算書(PL)を見ながら、売上と利益の最大化を目標に経営を行う「PL型経営者」
・PLだけでなく、貸借対照表(BS)も見ながら、投資家的に経営できる「BS型経営者」が必要。売上、利益を作るために、どのくらいの資本を使っているかを考える。

・業務代行型、顧客の問題を解決するビジネス。

・究極のディフェンス型経営手法が「ストックビジネス多角化経営」に、
 攻めの手法として「投資・M&Aによる多角化」を組み合わせることで、攻めと守りを兼ね備えたバランス経営が実現できる。

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『サブスクリプション・マーケティング』ジャンザー(2017)

・Recurring Revenueリカーリング・レベニュー(継続的な収益))

・Churnチャーン(解約・離脱)

・あなたと顧客との関係をコピーすることは不可能である。

・図 ファネルではなく、ホルン

・顧客向けのマーケティング活動を、価値の育成(Value nurturing)と呼ぶ。

・ユーザーが学習というハードルを越えない限り、ソリューションは受け入れられない。効果的で利用しやすい学習法の提供が求められる。

・客が収めた小さな勝利を探して、祝う気持ちを伝える。

・その場に行くだけで、レッドブルコミュニティの一員となる。

・顧客の力を借りる。
・バブソン大学では、「アントレプレナーシップ(起業家精神)」という言葉の再定義をするキャンペーンを数年にわたって展開した。

・ビジネスモデルに使命を組み込む。

・ビジネスモデルや収益計画が、顧客の判断ミスをあてにしたものになっていないか。

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『シリコンバレー発 会員制ビジネス起業術』バクスター(2015)

・オーナーシップ(所有)とメンバーシップ(会員)
・取引モデルと、現在進行形の関係重視のモデル

・最終的に「忠誠心ある顧客」になってくれる可能性の高い人に、最初から的を絞る。
・ファネルには無駄が多い。

・砂時計ファネル

・会員の定着は、新入社員の定着つまり人を組織になじませるプロセスに良く似ている。

・図

・成功した会員は「他の人も同じことができるようにサポートしてあげたいと思うようになる」という利他的な方向に進化する。

・会員のコントロールは必ず自社で握る。他社のプラットフォームに依存しない。

・抜けるのが簡単なほど、会員は戻ってきやすい。

・顧客の20%が、総収入の80%をもたらしている。

・会員との関係を、全ての中心に据えると良いことが起きる。

・小規模事業者が、メンバーシップエコノミーで成功する秘訣は、オンラインとオフラインチャネルを組み合わせることにある。

・他の会員たちの存在に、大きな価値を見出す。

・小規模であることの強みを生かして、さらにカスタマイズ化、個人化された体験を提供できないか。

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『サブスクリプション2.0』日経CT編(2019)

・マナーの悪い顧客は、全体の1%程度しかいない。マナーの悪い顧客は、客でないと割り切り、サービスを利用させないことに決めた。

・サブスク=月額性は間違い。長期の関係を構築するビジネスモデル変革こそが、サブスク。

・ADDress https://address.love/

・ディーラー(販売店)ネットワークを持っていることが強みになる。

・松竹梅で、なぜ梅があるのかといえば、真ん中以上を選ばせたいからだ。

・高いものを安くする。複雑なものを簡単にする。時間を短縮する。これらのいずれかにつながるサービスは、マネタイズにつながりやすい。

・「囲い込む」よりも「いつでも出られる」が、顧客に「ずっと会員でいたい」と思ってもらうための努力が、長期的な成功には必要。

・インプットKPIは、目標達成につながる施策が取れているかを表す指標。
 アウトプットKPIは、様々な施策をとった結果を表す指標(例:総顧客数、LTV顧客生涯価値)

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『「つながり」の創り方 新時代の収益化戦略 リカーリングモデル』川上昌直(2019)

・Recurring Revenue リカーリングレベニュー:収益が繰り返す

・図 リカーリングマップ

・購入後も長きにわたってユーザーに伴走する姿勢が何より重要

・価値提案はプロダクトからつながりへ

・図

○この図一枚が大きなヒントになる

・企業の目的は、ユーザーを喜ばせ続けて、世の中を良くしていくこと。
・存続を可能にする利益こそが、必要利益。

・図

○小さい会社として考えやすいよう、桁を下げて当てはめてみると・・・

 イノベーションの種(50万)リスクへのバッファー(40万)資本提供者へのリターン(120万)税金(140万)=必要営業利益350万 +事業用の固定費(500万)=必要粗利益850万+事業用の変動費(850万)=売上高1700万(必要粗利益率50%、必要営業利益率20.6%)

・つながりとは、ユーザーとの関係性(Connectionが近い)
・リカーリングモデルは、強いつながりを継続的に収益化する仕組み

・売り切りを前提としたバリューチェーンがベースの事業設計では機能不全に陥る。

・ユーザーの活動チェーン User Action Chain
・購入以降の活動に比重

・図

・売り切りモデルでは、購入時のみが課金ポイント。
・面倒見を良くすることは「手離れが悪い」ようにも見えるが、課金の可能性を広げている。

・どこで課金し、どこで課金しないのか。この意思決定こそが、ビジネスモデルを尖らせる。

・Membershipメンバーシップとは、メンバーが自身の成果を出すために結ばれる企業との互恵関係

・メンバーシップの条件
 1)メンバーの情報 Personal information
 2)手続き Registration
 3)双方向性 Interaction
 4)アップデート Update
 5)優越感 Superiority

・電化のヤマグチは、つながりの強い売り切りモデル

・メンバーシップ成功の秘訣は、メンバーのタッチポイントに、抜かりなく寄り添う体制にある。
・セールスフォース社の最大の強みは、ユーザーの成功をいかに実現するか、その寄り添い方が徹底している点。

・マネタイズは、資産(つながり)を消耗する
・マネタイズ(収益化)に追いつかれないよう、アセタイズ(資産化)が必要。

・図

・月額で相談に乗るコンサルタントは、常に学び続けて、知識や情報をアップデートしなければならない。

○ほんとそうだよな~。だから、研修講師業では、R&Dが必要になる。

・「売り切り」(購入以前までに重点)に最適化された経営学をアップデートする必要がある。

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○以前読んだ川上先生の本

『儲ける仕組みをつくる フレームワークの教科書』 川上昌直 2013年

・企業はなぜ儲けなければならないのか?
  自力で顧客満足を継続する為。
・用事(原因)→ニーズ(結果)
・ダメなビジネスモデルは、9セルに欠落がある。
 決めるべきことが足りていない。
 縦軸:顧客価値、利益、プロセス 横軸:Who、What、How
・差別化を推進するなら、顧客を特定すべし。
・顧客の「不」をとってあげることこそ、ビジネスの真髄。
・誰から儲けて、誰から儲けないかを決める。
 「儲けない客」が「儲ける客」を連れてくる(子連れの親)
・誰と組むか:規模が合う、価値提案を共有している
・「9つの質問」に答えられない項目こそ変革のチャンス。
・規模が小さく、資源に乏しいチャレンジャーは、
 1)顧客価値提案 2)売り切りなし 3)全て自前にしない

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『課金ポイントを変える 利益モデルの方程式』 川上昌直 2013年

・どのように利益を収穫するかという問いは、
 「同時に儲けるのか、時間差で儲けるのか」という意思決定。
・CCCは、レンタル業の皮をかぶったデータベースMktg企業。
・多くのビジネス書や経営学の専門書では、収益の取り方を
 商品の直接販売としか想定していない。
・全ての活動で課金してみたらどうなるかを考える。

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『ビジネスモデルのグランドデザイン 顧客価値と利益の共創』
 川上昌直 2011年

・イノベーターは、顧客が解決してほしいことの中でも、
 優先事項を見極め、重点的に解決を図ることで、業界のルールとは
 異なる価値の提案を行っている。
 「今まで誰も着手してこなかった」問題への解決策を提示。
・「顧客は何を欲しがっているのか」という問いかけは
 「どんな状況で、顧客はどんな問題を解決したがっているのか?」
 に変えたほうがよい。
・顧客の未解決の問題:IOU(わが社は顧客に借りがある)
 Inerface:使用上の不便さ
 Overshooting:過剰による不必要性
 Uncertainity:がっかり感の不確実性
・顧客のトータルコスト(時間、手間、利用、保管、処分)に注目
・顧客は「約束」を購入している。約束が魅力的であるほど、
 失望した場合のダメージは大きい。顧客は「不確実性」を負う。
・逆財務諸表(マクグレイスら2000)利益から財務諸表を作成する。
・「目に見える取引」以外で、利益を生み出す。
・利益インデックス 8つのロジック
  Who:単一/複数 What:単一/複数 How:一時点/継続的
・主要顧客と主要支払者を切り離す。
・ビジネスモデルには鮮度がある。完成形はない。

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投稿者:関根雅泰

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