研修転移とは(3)研修転移の促進策:職場

ライブ配信

ラーンウェル代表の関根です。

2022年3月7日(月)朝5時15分~35分、ライブ配信を行いました。

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・週末は、比企起業大学大学院 第5期「活動報告会」がありました。

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・大事だけど、実践されていないのが、現場マネジャーの研修前後の関わり

・職場の雰囲気5段階:1~3だと転移が難しい。4~5なら転移が促される。

・研修前、中、後に、職場で、できること。

・研修前に、マネジャーと受講者の「ちょこっと会話」を促す手法が「上司インタビュー」

・研修後、使ってみて上手くいかなかった受講者に対して、マネジャーや同僚が支援する。そのためには、研修内容の「共通言語化」が必要。(同じ研修を、マネジャーや同僚が受講している)

・全ての研修を転移させようと、マネジャーを巻き込むと、嫌がられる。現場の協力を得るべき、転移を促すべき研修を絞る。

・転移が促されないことを、現場マネジャーのせいにするな。(Weber 2014)。

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・今日は、ライブ参加 2名でした! ありがとうございます!

次回は、3月14日(月)5時15分から、15分~30分程、テーマは「研修転移(4)」です。お楽しみに!

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●比企起業大学大学院 5期生 楠田リエさんが、動画の内容を記録して下さいました。ありがとうございます!

2022/03/07MMMT「研修転移とは(3)」メモ

記録者:楠田

★記録したきっかけ
・某社とのミーティング中に、今回のMMMTの内容を思い出した
・それをを関根さんに伝えた
・関根さん「ありがとうございます。どの部分でしたっけ?(自分で話して忘れちゃって)」
・ミーティング中の関根さんの発言と紐づいた
・「研修中は自律性の発揮の場があるが、職場では自律性が発揮しづらい、改善したいけど言えない、ってことがある」
・そこで思い出したのが今回登場する「使用機会」
・改めて視聴し直したら、関根さんの台詞や演技が分かりやすかった
・実際に現場で言っている人がいそうな台詞、表情
・これは今後自分も非常に参考になると思いメモ

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マンデーモーニング、学びタイム!
毎週月曜日、朝5:15~。

オープニング、ボディ、クロージング。

<オープニング>

・先週末はいかがお過ごしでしたでしょうか?

<ボディ>

・これから3回に分けて研修転移の促進策について
・今回は「職場」
・改めて、そもそも研修転移とは?
・研修で学んだことが、仕事の現場で一般化され役立てられかつそのその効果が持続されること(中原先生 他の定義)

【転移プロセスモデル】

・仕事環境
・支援
・使用機会

【転移マトリックス】

・「研修前」の「マネージャー」による働きかけが影響度ナンバーワン
・「研修後」の影響度も高い
・大事だけど実践されていない(使用度)
・大事であるならば、なんとか関わってほしい

【転移が促される職場の雰囲気】

・マネージャーの言動にはどんなものがあるのか?
・研修評価のレジェンド、ドナルド・カートパトリック
・職場の雰囲気の5段階
 
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1.禁止

「使うな」「やるな」「研修で学んだことなんか役に立たない」「現場で使えないから忘れろ」

→結構ありがち、研修に対してネガティブなイメージを上司が持っている

2.やる気をそぐ

「へえ~、やるんだ~」「ふ~ん、そうなんだ~」

→やっちゃいけないよとは直接的には言わないけど上司が快く思っていない、せっかく学んできて「よしやろう」と思っていてもやる気を削がれる

3.中立的

「ふ~ん・・ま、仕事が進むんだったらいいんじゃないの?」

→中立的と言いつつネガティブな雰囲気、研修に対して可もなく不可もなく、何も言わない
 
4.奨励的

「せっかく学んできたんだから使ってみてよ」「よかったら現場で試してみてよ」

→励ましてくれる、職場の雰囲気やそれを形作る上長の言動が奨励的である
 
5.要求

「使え!」「時間とお金をかけて学んできたわけなんだから、使え」「なんで研修行ったのに使わないの?」

→部下が何を学んできたかを上司は把握している、上司もその研修を受けているというケースが多い、自分も若い頃これで学んで役に立ったからぜひ部下にも受けさせたい、帰ってきたらそれを元に指導してくれる、共通言語になっているような職場がある、要求的な職場担になっている、「なんで研修行ったのに使わないの?」、それぐらいになると強い、皆が同じ研修を受けて言葉が共通言語になっている

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・転移が促せるのは4と5
・多くの職場が1~3←そこに対してどういう働きかけができるのか?(次回以降)
・職場でどんなことができるのか
・研修転移の促進策 研修前・研修中・研修後に職場でできること

【研修転移の促進策】

~研修前~

・マネージャーによる働きかけ
・受講者との会話、研修参加目的の明確化、期待の声を伝える
・「ちょこっとの関わり(会話)」があることで「頑張ろう」となり研修転移が促される
・4・5の職場では勝手に発生する
・1~3の職場に対しては、こちらから(LWから)「ちょこっとの会話」が生まれるきっかけづくりを行う必要があるのではないか
・ここで有効になるのが「事前課題」
・LWは「上司インタビュー」という手法を使っている
・上司に受講者がインタビューする
・LWでは「OJT担当」「OJT指導員」(新入社員に教える先輩社員)に対する研修を実施
・OJT研修前に、上司インタビューを行う
・「自分をOJT担当に任命してくださった理由はどんなところなんですか?」
・「どういうことを自分に期待しているんですか?」
・「OJT担当を半年~1年間勤めさせていただき、半年~1年後にはこういう状態に持っていきたいと思います(育成ゴール)」
・導入初期の頃は、上司の協力ということで上司の方に書いていただいていた
・任命理由、どんなことを期待しているか、新人に1年後どうなっていてほしいか
・不評だった、忙しいのでこんなことさせるな、入力とか面倒くさがられた
・翌年からは、受講者が聞きに行くスタイルに変えた
・「受講者が聞きに行くので答えていただくだけで結構ですから」
・「情報入力は受講者がしますので」
・「上司の方は忙しいと思いますので、10分くらいお時間取っていただいて、口頭で答えてください」
・このやり方に変えてからスムーズに回るようになった
・受講者にしてみたら、自分だけ書いてなかったら他の受講者と比べて恥ずかしいので、きちんと上司にインタビューしてくださっている
・OJT担当に選ばれるような方々なので、まっさらな状態では上司に聞きにいかない
・「自分はこう考えています、こういうことを期待されているんじゃないかと」
・「1年後新人にはこうなっていてほしいと僕は考えています」
・「補足とか、間違っている点はありますか」
・確認に行っている
・研修前のちょこっとした会話を生み出すのに有効だと感じている

~研修中~

・研修中は受講者が職場にいない
・研修に集中してもらうために、受講者の仕事を代替わりしたりカバーしたりする
・電話したりメールしたりしない
・「○○さんこれどうなってんの?」と聞かないようにする
・研修の日は、1日研修に集中できる環境を作ってあげる
・学ぶための環境づくりに職場のメンバーが協力してくれると有難い

~研修後~

・学んだことを使う機会がないとやろうという気にならない
・OJT担当として後輩指導スキルを学んだとしても、教える後輩がいなかったらなかなか使う場面がない
・OJT担当に任命してもらえなかったらそもそもそういうチャンスはない
・使う機会を作ってあげる

・マネージャーや同僚による支援
・研修後、マネージャーや同僚が手助けしてくれる
・研修で学んだことを、本人がいいなと思って使ってみた後のこと
・使ってみたが、上手くいかないことがある
・上手くいかないと、本人は使う気をなくしてしまう
・「なんだ~、やっぱ研修でやったことなんか使えないじゃん~」
・転移とは、学んだことが現場に運ばれるだけでなく、使い続けてもらう必要がある
・持続の際に、マネージャーや同僚の支援が非常に重要
・上手くいかなかったときに軌道修正してくれる
・要求的で共通言語になっている職場では、上司も同僚も同じ研修を学んでいる
・受講者「いや~研修行って営業スキルを学んだけど使えなかったです~」
・上司「なるほどね、どういう状況だった?」
・上司「例えばこういう聞き方で聞いてみたらどんな感じだったの?」
・上司も研修内容や営業スキルを把握しているので、研修と紐づけて指導ができる
・受講者「たしかにそういうふうにはできてなかったですね~」
・受講者「今度そういうふうにやってみます」
・また使おうという気になってくれる可能性が高まる
・使ってみて、上手くいかなかったときのフォローをマネージャーや同僚が行う
・転移が促進され、持続されやすくなる

【補足】

・1つ目。マネージャーの協力は大事だが、全ての研修を転移させようとすると大変
・3年目研修があって、事前課題があって・・5年目研修があって、事前課題があって・・
・マネージャーは一人
・マネージャーに協力してほしい研修を絞り込む
・これは転移を促したいというもの
・汐中さんからコメント「学校に置き換えても似てるなぁ〜。確かに、保護者が学校教育への理解が高く協力的だと、子供も意欲的になり、学びの吸収力があるケースと似てるなぁと感じてます。勉強になります!!!!!!!」
・うちも子供4人。保護者=上司と考えると、たしかに似ている。
・ただ、「子供の勉強いっぱい見てください」ときちゃうと親も大変
・「これは大事なので親も一緒にやってください」と絞っていくことは必要。マネージャーも一緒。
・2つ目。下手すると研修が現場で実践されない理由をマネージャーに求めてしまう、あるいはマネージャーのせいにされてしまう。「研修が実践されないのは協力してくれない現場のせいですよ」「マネージャーが協力的じゃないですから。転移が促されないんですよ。」と言っちゃったらオイオイオイ・・となる。
・マネージャーの影響力は重要だが、マネージャーのせいにすることには使ってほしくない。
・ウェイバー(次回登場)「研修転移が促されないのをマネージャーのせいにするな」
・マネージャーの影響力は重要だが、マネージャーは忙しい。
・マネージャー以外の人にもできることはある。
・受講者本人の働きかけは、まだまだできることがあるんじゃないんですか?

【まとめ】

・研修前、研修中、研修後、マネージャーや職場の方にどんな協力をしていただけると転移が促されるのか、

・反面、マネージャーだけのせいにしたり、転移を促すためにいっぱい負荷をかけてしまうと、現場が疲弊する
・絞るべき研修は何なのか、考える必要性が我々企画側にあるのではないか

<クロージング>

・細田さんからコメント「私の会社は研修制度が充実しているのですが、社員の多くが本質を理解せず、なんとなく受講しており、形骸化しているのを感じていました。」
・企画側も、研修の数がいっぱいあったほうが揃っている感じがする
・これって時代に合っていないんじゃないの?
・これって現状に合っていないんじゃないの?
・なかなか一度組み立てたものをなくせない
・日本企業は色々なしがらみがある
・いまどきこんな研修まだやってんの?みたいな研修がカタログに残っちゃってたり
・「ゾンビ研修が徘徊している」(by中原教授)
・次回のMMMTの日は、3月14日はホワイトデー♡
・みなさん、今週の学びがスタートしましたが、いかがですか?
・金曜〆切の原稿、源流合宿、関根さんは「転移」のルーツを探っている
・大変だけど面白いのがこういうののいいところ、ちょっと苦しいんだけと楽しい
・今週一週間も頑張りましょう!
・来週もMMMT~!でお会いできるのを楽しみに!

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投稿者:関根雅泰

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