【木曜日49】「組織行動論」関連本

木曜日

【木曜日49】「組織行動論」関連本

○「組織行動論」勉強会(1)(2)に合わせて読んだ本。

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『組織行動論の考え方・使い方』服部泰宏(2020)

・組織行動研究は、組織の中において生起する態度、行動に注目する。

・個人こそ競争優位の直接的な原因だと考えるということは、個人の業績分布が、正規分布に従うことを否定することに等しい。
・競争優位は、社員の人的資本によってもたらされる。ただし、それは平均的な資本による貢献ではなく、一部のスター社員が所有している資本による貢献が極めて大きいという説明が可能。

・しろうと理論(Lay theory)の主目的は、使用。
・科学的理論は、反証の原理。しろうと理論は、検証の原理。

・抽象的で、直接観察できない概念のことを、構成概念と呼ぶ。
・概念を重要な構成要素として、それらの関係性について一貫した明快なロジックを構築し、それに基づいて観察対象となる現象を説明することを目指すのが、理論である。

・測定とは、現象、対象を理解するために、その対象の特性を数値化することを指す。

・組織行動研究の多くは、欲求階層説は支持できないという結果を示している。

・ベッカー(1967)によれば、人的資本とは、従業員個人が持つ能力、知識、スキルなどの総称。
・教育訓練を長期的に行って、労働者が能力、知識、スキルを向上させ、その結果として所得を上昇させる行為を、投資と考える。

・ベッカーの「特殊訓練」を、小池(1997、2005)は、教育訓練が実施される「場所と時間」の観点から、OJTとOff-JTと分類した。

・人的資本の集積が、企業の競争優位につながることは間違いないとして。

・人的資本:私は何を知っているか
 社会関係資本:私は誰を知っているか
 心理的資本:私の心は、どこまで発達しているか

・「知っている」ということについて謙虚になる。

・多忙化する管理職に対して、必ずしも部下との個別の良好な関係を築くことだけに注力せずとも、職場全体の水平方向の相互作用の頻度と質を高めれば良い。

・知識生産における「民主化」が起こっている。

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『組織行動論の実学』DHBR編集部(2007)

・センスメーキング(意味形成)は、実体験を理解可能な世界観に転換すること。
・人が行動を起こすのにたいそうなものは必要ない。たった一粒の「意味の種」があれば十分。

・「イカロスの翼症候群」 突如として判断を誤り、無謀な行動に出る現象。
・権力を追い求めること自体に、人間を大きく変える何かが潜んでいる。職業上その頂上にたどり着くには、ある種の態度や行動を捨てざるを得ないのだが、これこそまさにトップに立ってから生き残る上で必要な習慣。
・節度を失わないよう習慣づける。普通の人々から浮き上がらないよう。

・フロイトの言う「転移 transference」 幼少期の初めの行動が成人してからも継続する。
・ボスを適度に軽んじる人(道化師)が必要。
・実業界では、自分の傷を人に見せることは許されない。企業合併と結婚は、CEOの心理的苦痛を隠す上で有効。ただし、ある時点に達したならば、どんなリーダーもペースを落とさなければならない。
・リーダーにはちょっとの狂気も必要なことを世の中が認めるようになれば良い。

・フロイトは、患者が彼に恋愛感情を抱く。これが「感情転移」
・陽性転移は、労働生産性と、密接に関連していることを示す研究は枚挙に暇がない。
・リーダーが転移現象を真剣に受け止め、その影響を軽減する方法を学び、むしろ転移に上手く対処して組織運営に役立てるべき時代になっている。
・伝統的組織の男性CEOの殆どは、意識的あるいは無意識的に父親転移を奨励してきた。
・女神でもある魔女でもある母親という我々の心の奥底にある深い矛盾がビジネスの世界で顕在化し、驚くべき影響を及ぼすことがある。

・無意識下のバイアスには、情報の解釈をゆがめる作用がある。
・自分に都合のよい結論に達しやすくなる。

・(倒産企業を除いて分析することによる)選択バイアスのせいぜ完全に間違った結論が導き出される。
・選択と集中のメリットを過大評価。失敗した企業が考慮されていない。
・高業績を目指すならば、成功談同様、失敗談にも耳を傾けるようにすれば、その目的を達成できる確率は高くなる。統計学からすれば、これは理の当然である。

・無意識の偏見。 Unconscious bias
・偏見を自覚できる人が、偏見を克服できる。

https://implicit.harvard.edu/implicit/ IATテスト(潜在連合テスト)

・失敗に寛容なリーダーは、自分の組織の知的資本、つまり社員の経験、知識、創造力の増強に焦点を当てる。
・関心は示すが、称賛は抑えるという教育スタイルに移行しつつある。
・自らの失敗を公表する。

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『なぜ人と組織は変われないのか ~Immunity to change』R.キーガン&L.L.レイヒー(著)池村千秋(訳)(2013)

○組織行動論勉強会参加者 水越さんのお薦め本

・リーダーたちは、人材開発に大きな投資をすることで、人間の自己変革の可能性を信じる楽観論を対外的に示している反面、内心では、人間は本質的に変われないという根深い悲観論を抱いている。

・組織学習の理論から、大人の発達という側面が抜け落ちていることの弊害。

・「どうすれば、人々が成長するための最良の土壌をつくり出せるのか?」と自問するリーダーは、成功に最も近づける。

・人間の脳には、生涯を通じて、適応を続ける驚異的な能力が備わっている。
・人間の知性は、大人になってからも、年齢を重ねるにつれて向上していく。

・大人の知性の三つの段階:

・成人の知性のレベルの分布:

・ほとんどのリーダーは、自己主導型より高いレベルの知性を持ってない。

・R.ハイフェッツに言わせれば、リーダーが犯す最も大きな過ちや、適応を要する課題を解決したいときに、技術的手段を用いてしまうこと。

・人間は矛盾が服を着て歩いているようなもの。
・変えたいと思っているけれど、自分の核となる部分を守りたいとも思っている。

○改善目標 but 阻害行動 because 裏の目標 みたいな感じかな。

・人に不安を感じさせるもの、それは、先に待ち受けている脅威の前に、無防備で放り出されるという感覚だ。

・発達心理学者たちの研究成果を一言でいうと、人間の知性を高めるために必要なのは「適度な葛藤」ということになる。

・自分の免疫システムが、自分を強烈な恐怖から守っていると同時に、好ましい成果をあげるためのエネルギーをことごとく奪い取っている。

・この種の問題を話題にしていいのだという許可を与えることができた。
・「一つの大きなこと」という言葉を使って率直に話せばうまくいく。

・学習を継続させるには、職場のチーム単位で取り組ませることが、きわめて有効。

・どういう思考様式を抱いているせいで、目標の達成が妨げられているのか。
・変革を妨げている本当の要因は、自分の内面にある。

・強力な固定観念:人間の根本は変わらない、30歳代、40歳代になると、人はもう変われない、という思い込み。

・部下に仕事を任せるのは、適応を要する課題、言い換えれば、知性の発達が求められる課題。

・自己の変革を阻む免疫機能。

・「良い問題は、人を育てる」

・行動する妨げになる要因は、人によってまちまちだ。

・自分がどういう課題に挑んでいるかを理解している人が身近にいて、しかもその人自身も自分の目標に向けて努力している最中で、すぐに意見を聞かせてくれれば、格段に活動を継続しやすくなる。

○比企起業大学・大学院は、もしかしたら、こういう活動ができかけているのかも。

・変革を阻む免疫機能は、非常に充実した不安管理のシステムである。この免疫機能の作用を妨げようとすれば、恐怖という危うい感情を遠ざけておくために役立ってきた頼もしいメカニズムを弱めざるを得ない。
・そのメカニズムを作動させることで払わされるコストを見せつけられる。

・何らかの強い恐怖の感情を掘り起こす。

・重要な目標の達成を妨げているのが、自分自身の抱える矛盾。
・免疫システム:不安管理システムでもあり、変革阻害システムでもある。

・どのような脅威から、自らを守ろうとしているのか。

・適応を要する課題に、適応を通じて取り組むことにより、知性を成長させられるのだ。

・大人の学習は「将来の旅に向けた準備」ではなく、あくまでも「旅のプロセスそのもの」なのだ。

・問題の原因は、子ども向けに開発された学習方法論(例:研修)が、大人にも有効だと無意識に決めつけている。
・結果主導型の学習:

・ときおり、少しの間だけ仕事を離れ、質の高い学習コンテンツに触れて「充電」し、エネルギー満タンで職場に戻ってくる。これ(研修)は「休暇」とほぼ同じ位置づけなのだ。

・人が変わるには時間がかかる。
・人間を機械のように設計するのではなく、植物を栽培するように育てていかなくてはならない。
・用意できる栄養は「良い問題」だ。

・子どもの知性の発達に関する重要な発見の一つは、知性を発達させたければ、試練と支援の組み合わせが欠かせないというものだ。

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『使える経営学』杉野幹人(2014)

・狭義の経営学は、組織の学問。

・経営学のライバルが「経営持論」。実務家が経営を実践することで育んだ経験則の論理。

・特殊性という性質を帯びる経営持論の論理が通用しないのが「新しい局面」
・新しい局面で役に立つのが、経営学。

・固執しがちな経営持論に疑いの目を向けさせる対抗馬となる仮説が、経営学の論理。
・固定概念と化した経営持論から思考を解き放つ、アンラーニングの機会を与えてくれる。

・イノベーションのためのラーニング:
 探検系ラーニング Exploration
 改善系ラーニング Exploitation

・多角化は、業績に悪いものであると思い込む必要はない。

・経営学は、問題を提供できない。
・ケーススタディーの授業は、知識を使うための授業。

・経営学を、アンラーニング(凝り固まった経営持論からの解放)のために使う。
・そうすることで、誤った意思決定を避けることができる。

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『みんなの経営学~使える実戦教養講座』佐々木圭吾(2016)

・会社がつぶれないように工夫し、職場で生き生きと楽しく働くにはどうすればよいのか、という問いへの解答を探求するのが経営学。

・(企業の)主体性を認め、その主体的な意志決定を原因として考える。

・経済学は、性悪説。経営学は、性弱説。

・企業の当事者は、出資者と経営者であり、従業員は経営資源。企業の持ち物。
・日本では、従業員が企業の主体であるかのように思っていることが不思議。

・1946年の公職追放(パージ)により、若い中堅幹部が、経営陣に。
・1955年に始まる日本の高度経済成長が、終身雇用制度を生み出した。

・「頑張ればあとでご褒美があるよ」という見えざる出資のメカニズム。
・従業員は、企業に賃金の未払いという形で出資を行っている出資者。

・従業員にとっての企業は、試行錯誤の中で実験し、学習し、挑戦を行うための場。
・失敗した際の保険を、皆で描け会っている。

・動因理論:働かせるには、エサが必要。
 内容理論:人は何を欲しているのか
 過程理論:人間の欲求が充足されるプロセス。

・ホーソン工場実験から、従業員に関する「モチベーション理論」と、
 管理者に関する「リーダーシップ論」が発展していった。

・人類最大の発明品としての貨幣。

・楽しいの反対は、絶望と退屈。
・新入社員教育における楽しさ欠如の問題。
・徒弟制度では非効率なので考えられたのがOJT。
・階段を上がっていくように、現場で仕事をさせて育てていくのがOJT。
・簡単な仕事をこなすことで、自分でもできるという効力感を醸成。

・「支え」と「自省」

・優れたリーダーは、厳しくもあり、優しくもある。
・状況に合わせて、言動や態度を変化させる上司は、気持ち悪い。

・バーナードの理論
 1)協働意思:やるき向上系
 2)共通目的:ビジョン、戦略策定系
 3)コミュニケーション:コミュニケーション促進系
 という現在のマネジメントコンサルティングにもつながっている

・一人一人が事業主のような状態では、失敗は即おわりを意味するが、組織の中では、多少の失敗は周囲のメンバーがカバーしてくれる。

・事業戦略において、正しく現実(Reality)を捉えるための最も基本的なメガネが、3C。

・ポーターの5フォース:そもそも儲かりそうな業界を選べ。

・あるべき姿は、経営戦略論の蚊帳の外。
・現場にパニックではなく、行為を引き出すことができるかが、良い戦略かそうでないかを分ける分岐点。

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投稿者:関根雅泰

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