【木曜日35】研修評価本(6)

木曜日

○教育評価・政策評価関連本です。

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『新しい教育評価入門』西岡・石井・田中(編)(2015)

・(学校現場の)日常場面で「評価」は、成績づけを意味する言葉として捉えられがちである。

・教育評価という営みは、教育がうまくいっているかどうかの実態を把握し、教育の改善に役立てるものとして捉えられるべきものである。

・「教育評価」の原語である「Evaluation」は、アメリカにおいて、1920年代の「Measurement測定」概念を批判するところから生まれた。

・教育評価の機能:
 1)診断的評価:働きかける前に、子どもの状態を把握する
 2)形成的評価:指導の途中で行われる
 3)総括的評価:学期末の学習の締めくくりに学習の到達点を把握するもの

・教育評価の対象:
 1)子どもの学習状況がどうなっているかを評価
 2)様々な教育の方策についての評価
 3)教育目的や教育目標そのものについて、妥当性の評価

○2)=シングルループ、3)=ダブルループ とも言えるかも。そう考えると、やっぱり評価は、内省機会。

・目標:Objectives、目的:Aims、目的と目標の中間:Goals
・教育目標の分類学(ブルーム・タキソノミー)認知、情意、精神運動領域

・必ずしも外的に観察可能な行動ですべての目標を記述する必要はない。

・認知システム内の三重円モデル:知っている、わかる、使える

○使える=転移

・転移とは、ある領域で学習した知識やスキルを、別の領域で活用すること。

・メリットの高い人と低い人の「断層」は、メリトクラシー(能力主義・業績主義)が浸透するにつれ、むしろ大きくゆるぎないものとなってしまう。

・教育評価とは、命を守り育てている教育と看護の現場において、その活動を反省し、改善するために行われるものである。

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『よくわかる教育評価』第3版 田中(編)(2005)

・教育評価の対象と行動

・Scriven,M. スクリヴァンが、ステイク(Stake,B.)の文献から引用する例え:「形成的評価は、料理人が自分のスープを味わっていることであり、総括的評価は、お客さんがそのスープを味わうことである」

・Feedbackとは、元々、工学における制御理論の基本概念で、あるシステムにおいて、出力の情報を何らかの形で、入力側に戻すことで「帰還」とも訳される。

・質問=わからない人が、わかっているだろうと考えられる人に、問いを行うこと
 発問=わかっている人が、わかっていないと考えられる人に、問いを行うこと。

・自己調整学習の考え方は、学び上手な学習者は、自分の学習のかじ取りの仕方(メタ認知的な自己調整)が上手だし、力の使い方が間違っていないといった、学習の効果における学びへの向かい方(学習方略やマインドセット)の重要性を提起するもの。
・効果的な勉強法のような側面と、思慮深く学び続ける力として捉えられる側面が混在。

・「エビデンスに基づく evidence-based」は「エビデンスに基づく医療」の流れを受けている。
・ただし、教育の分野では、医療ほどの厳密なエビデンスが求められているわけではない。
・教育の分野で、主にエビデンスとされるものは、数量化されたデータのことを指す。
・とはいえ、授業の反省においては、まず授業記録と子どもの成果物が、基本的なエビデンスになる。

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『政策評価のための因果関係の見つけ方』デュフロ・グレナスター・クレーマー(著)小林(監訳)(2019)

・RCT:Randamized Controlled Trialランダム化比較試験の適用範囲は多岐にわたる。
・RCTの多くは、非常に少額の予算で実施されており、開発経済学者にとって、十分実施可能なものである。

○外部評価者であれば、RCTは必要かも。内部評価者であれば、内省の手段であり、目的は組織内の人材育成、組織開発(=ワークさせる)だから、RCTは不要では。

・RCTの課題の一つは、評価するという行為自体が、処置群と対照群の行動に影響を与えてしまう可能性があること:
 1)ホーソン効果:処置群の行動に影響、嬉しく思う、観察されることを意識して、行動を変える
 2)ジョンヘンリー効果:対照群の行動に影響、選ばれたことへの不満で行動を変える、手抜き


・2000年頃までは、非実験的研究「後ろ向き retrospective評価」が主流だったのに対し、2000年代半ば以降は、実験的研究「前向き prospective評価」が急速に増加している。

・推定された政策効果のことを「エビデンス」と呼ぶ。
・一般にエビデンスと言う場合は、相関関係ではなく、因果関係を指す。

・政策=介入行動

・エビデンス=介入によってアウトカムをどの程度改善しえるかの因果関係

・RCTのイメージ

・RCTはもともと医学の分野で効果測定に用いられてきた分析手法である。近年、社会科学の分野でよく用いられるようになってきた。

・Education Endowment Foundationが作成しているツールキットによると、もっとも効果の大きなプラグラムはFeedbackであった。

・選択基準

・因果関係の確からしさが、内的妥当性 internal validity
一般化できるかが、外的妥当性 external validity

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投稿者:関根雅泰

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