「リーダーシップの光と闇」研究会(1)@東大

東大大学院

2017年3月13日(月)10時~17時@東大で、
「リーダーシップの光と闇」研究会(1)を実施。
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曇り空。

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東大の合格発表。ここで、色々なドラマがあったのでしょうね。
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会場のセッティング。10時、いよいよスタート。
(・文献要約 -意見交換)
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[6]Mumford, M. D., Zaccaro, S. J., Harding, F. D., Jacobs, T. O., &
Fleishman, E. A. (2000). Leadership skills for a changing world: Solving
complex social problems. The Leadership Quarterly, 11(1), 11-35.
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・リーダーシップ=スキル(課題解決・社会的判断・社会的)
・リーダーの仕事=課題解決
・スキル発揮には、知識が必要。
・リーダーシップは開発可能。
・スキル獲得には、一定の時間がかかる。
-個人特性に対して、スキルが媒介し、問題解決し、パフォーマンスが発揮される
-スピリチュアルのイメージは、1970年代のニューエイジ。
-不確実な中、決めなくてはいけないリーダーの場合、何らかの軸が必要。
 そこで、宗教が必要になるのかも。
-宗教は、目には見えてないけど、秩序が存在すると考えること
-これに従っていれば、間違わないという頼れる軸?
-神社は、混沌とした現状から離れられ、深い内省が得やすい場
-価値は、状況と切り離せない
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[15]Mumford, M. D., & Gustafson, S. B. (1988). Creativity syndrome:
Integration, application, and innovation. Psychological bulletin, 103(1), 27.
・社会的影響力が大きい創造性(MJC)と小さい創造性(MNC)
・MJCの発揮度は、若年成人期の終わりに急速に低下。
 MNCと生産性のピークは中年期。
・創造性の発揮には「問題発見」活動が大きな影響を与える。
・創造的な学生の多くが頻繁に夢を見て、その心理的意義について考えていた。
-「参照枠組みのズレ」が、新たなアイデアを生むことがある。
 例)Perfumeの「ポリリズム」(リリリが、音飛びだと思われるという人)
-日本人のプレゼンスが低い
-MJCででかいのを狙うばかりでなく、MNCでやるべきことをやることで、
 大きな差が出てくることもある。
-ブラッシュアップという名の「そぎ落とし」が、上への説明において行われる
-MNCが、きちんとできる人材をそろえたほうがよいのでは。
-MJCは、会社の戦略との合致が必要。
-他のことをやらせれば、創造性が発揮されやすくなる。
-創造性を形にできる組織構造が必要では。
-「融和」なのか「討伐」モデルなのか(価値観の違う上の世代に対して)
●中原先生のブログ
   http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/7439
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[7]Carmeli, A., Reiter-Palmon, R., & Ziv, E. (2010). Inclusive leadership and employee involvement in creative tasks in the workplace: The mediating role of psychological safety. Creativity Research Journal, 22(3), 250-260.
・インクルーシブリーダーシップとは、フォロワーとの関係におけるリーダーの
 「開放性」「近づきやすさ」「有用性」を指す。
・インクルーシブなリーダーシップが「心理的安全」を促進し、創造的な仕事への
 従事につながる。
-グーグルも「創造性発揮」には「心理的安全」が必要と発表。
-「素でいられる」
-破壊的なDistruptiveなリーダーシップが、創造性を発揮するケースもある。
 その際は、同僚等が心理的安全を担保しているのかも。
-「心理的安全」があれば、創造性ある個人が、ピンとして立ちやすい。
-「言いだしっぺがやらされる」と、発言しなくなる。
-アメリカでは「インクルーシブ」という概念が出てきたということは、
 実際はそういう状態にはない(例:傾聴しない、オープンでない)ということ。
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[2]McDonnell, A., Lamare, R., Gunnigle, P., & Lavelle, J. (2010).
Developing tomorrow’s leaders—Evidence of global talent management in
multinational enterprises. Journal of World Business, 45(2), 150-160.
・MNEの規模が大きいほど、GTMシステムが導入されている。
・世界的な継承計画は、6割のMNEで実施されている。最も一般的なアプローチ
-GTMと聞いても、日本企業だと「もうやってる」と感じるかも。
-「外から採ってくる」「中で引き上げる」派
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[4]Ng, K. Y., Van Dyne, L., & Ang, S. (2009). From experience to
experiential learning: Cultural intelligence as a learning capability for
global leader development. Academy of Management Learning & Education, 8
(4), 511-526.
・駐在中の経験から、いかに学ぶのか。
・文化的知能指数(CQ)が、重要な学習能力。
-海外で「すごい経験したよね」というのと「そこから何を学んだか」は違う
-「ガツンとすごい経験」だけでなく「細かい経験」も大事では。
 さっきのMNCのように。
-海外で学んだことが、日本に戻ると活用する機会がないこともある。
-「異質な海外に行くと鍛えられる」という信念を、日本企業はもっているが
 その割に、社会人大学院に行くことは歓迎されない。
-どう育てていいかわからないので「とりあえず外に出して、育ってこい」
 になっているのかも(大学のPBL等)
-海外駐在、大人数マネジメントも、以前経験したかどうかは大きいかも。
-その経験は次のフェーズに入るための「通過儀礼」という位置づけもあるかも
-できる人は、どんな経験もCriticalにする。「あとづけ、意味づけ」力が強い。
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[8]Gonzalez, J. A., & Denisi, A. S. (2009). Cross‐level effects of
demography and diversity climate on organizational attachment and firm
effectiveness. Journal of Organizational Behavior, 30(1), 21-40.
・人材の多様性が、組織への定着度と企業業績に与える影響を検証。
・「多様性風土」が調整変数として影響する。
-同質な仕事をしている場合、
多様性は生産性に負の影響をもつという先行研究有
-多様性が成果を発揮するには、時間が必要というのは
当たり前といえば当たり前
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[22]Paulhus, D. L., & Williams, K. M. (2002). The dark triad of personality: Narcissism, Machiavellianism, and psychopathy. Journal of research in personality, 36(6), 556-563.
レジュメを見る
-サイコパス的メンタリティーを持つ集団の一部が、サイコパスになるのかも。
  病的なサイコパスと、サイコパス的メンタリティーは、当然違う。
-「資質」か「学習」か
-経営者には、フィードバックがかかりづらい
-印象マネジメントとして、あえてこのような「ダークトライアド」を
  演じている場合もあるのでは
-バランス
-他者との関係をいかに大事にするか
-多くの人に受け入れられるために「良心」や「道徳」を掲げる可能性
-よりどころがない、自分がすべてだからこそ、宗教にすがるのかも
-やっていることがはたして正しいのか、良かれと思ってやっていることが
  悪用される恐れ。デュアルテクノロジー。
-自己評価と他者評価、どちらが正しいとは言えないというのが
  心理学の現時点での結論。
  なぜそういう行動をとるのか意図は他者からは見えない。
-創業者にはサイコパス的メンタリティーが必要な時もある。
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1日目、終了。 濃くて、楽しい、時間でした。(皆さん、ありがとうございました)
次回は、3月23日(木)です。

投稿者:関根雅泰

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