AOM2014で、フランス人研究者Lucasから紹介された
 イタリア人研究者のMassimo
 https://www.learn-well.com/blog/2014/08/aom_5_socialization_network.html
 
 彼と「Network survey」に関する共同プロジェクトを
 行うことにしました。
 
 彼がスペインのビジネススクールチームと開発した
 質問紙調査ツールを用い、人のネットワーク構造を調べます。
 (Massimoが所属するビジネススクール
  http://www.iese.edu/en/faculty-research/professors/faculty-directory/massimo-maoret/ )
 その人が、誰と、どんな強さのつながりをもっているのか。
 
 質問に答えていくと、最後に自分のネットワーク構造(上記)が示されます。
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 私も自分でやってみましたが、質問に答える過程で、
 いろんな人たちのことを頭に想いうかべ、その人たちとの接点を
 ふり返る良い機会になりました。
 また示されたネットワーク構造を見て「なるほどね~。確かに。」
 と納得させられました。
 こうして客観的に自分のネットワークを提示されると
 色々考えるきっかけになります。
 ・自分自身がどんな人たちと接点を持っているのか?
 ・逆に今後接点を持つべき人たちはだれか?
 ・似たような属性の人とばかり接しているのではないか?
 
 
 自分をふり返る良い機会になりました。
 質問は英語ですが、簡単な単語ばかりでしたので、それほど苦労はしません。
 最後に、本人向けレポートということで、ネットワーク構造と
 円グラフが示されます。
 「20分ぐらいで終わる」とありましたが、実際やってみると、
 その人との関係をじっくり考えながら進めるので、私の場合は
 30分ぐらいかかりました。
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 このシステムを開発したMassimoチームの専門分野は「ネットワーク論」です。
 ネットワーク論には、Structural holes(構造的隙間)や、
 Brokerage(仲介者)といった概念があります。(バート2001)
 『ネットワーク論』
 https://www.learn-well.com/blog/2009/10/post_290.html
 閉鎖されたネットワーク同士をつなぐ仲介者の位置づけに立てると、
 多様な情報が手に入ることと、かけがえのない存在になりやすい。
 
 アイデアを結び付ける存在になれることから、
 イノベーションとの関連もあると考えられています。
 『イノベーション(1)』
 https://www.learn-well.com/blog/2013/03/post_380.html
 『イノベーション(2)』
 https://www.learn-well.com/blog/2014/01/post_403.html
 自分が異分野同士の隙間をつなぐ存在になれているのか、
 一目で分かります。
 (色のついている部分に入っていれば、仲介者的な存在と言えるそうです。)
 
 今、Massimoとは、「個人のパフォーマンス」を従属変数にして、
 ネットワーク構造との関係を見ようと話していますが、いずれは
 「イノベーション」とネットワークの関係も見ていきたいと考えています。
 まだまだ荒い仮説ですが、大きな組織でイノベーションを行っていく際、
 2段階が必要な気がしています。
 1)異分野同士を結び付け、新たなアイデアを思いつく
 2)そのアイデアを実現していくために、資源動員をはかる
 1)2)双方に、構造的隙間をつなぐ仲介者の存在が重要な気がします。
 1)は、閉ざされた異分野同士をつなぐ存在だからこそ見えること。
 ただ、それだけでは足りず、2)で組織内外の協力を得ながら形にしていく。
 1)2)は同一人物というよりも、おそらく違う人物達が関わっている気がします。
 発明者のような独創的な人と、そのアイデアを具現化していく推進者のような人。
 実際どうなのか分からないのですが、このNetwork surveyを通じて、
 人のネットワーク構造とイノベーションとの関連も見ていけたらなーと
 考えています。
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 英語版しかないのですが、自社でのネットワーク調査に「協力してもいいよ」
 という人事・教育担当の方がいらっしゃいましたら、関根あてご連絡ください。
 info@learn-well.com
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