『経営学の開拓者たち:その人物と思想』

お薦めの本

『経営学の開拓者たち:その人物と思想』
喬晋建 (著) 2011年

○経営学初期の巨人たち。
 その人となりも紹介されていて、親しみを感じられるかも。

(・要約 ○関根の独り言)
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・経営学発展の歴史における3つの波:
 1)古典派:テイラー、ファヨール「経済人」
 2)新古典派:メイヨー、マズロー、マグレガー、ハーズバーグ「社会人」
 3)近代派:バーナード、サイモン「経営人」
●テイラーの科学的管理法
・以前の管理思想は「もっと働こう how to work harder」であったが、
 テイラーは「上手に働こう how to work smarter」に重点をおいた。
・テイラーの科学的管理の本質は、労使双方の「精神革命」である。
・テイラー主義のもっとも大きな欠陥は、働く人間を機械同様に捉え、
 労働者の人間性に関する諸問題を見落としていたことである。
・テイラーの基本思想は、トヨタシステムやマクドナルドマニュアルの
 形で引き継がれている。
●ファヨールの管理論
・ファヨールは、管理的活動 administrative activitiesを、経営活動
 managerial activities の一部として組織全体の中で位置付けた。
 更には、経営 managementと管理 administrationを区別し、両者の混同を
 しないように警告した。
・ファヨールは、管理過程学派の元祖。近代管理論の真の父。
●フォードシステム
・フォードは「偉大な福祉資本主義great welfare capitalism」の実験を開始
 主要内容は3点:1)高賃金と低価格 2)大衆奉仕主義 3)顧客の創造
・フォード社で実施されていたリーン生産方式は、大野耐一によって
 トヨタでのJIT、カンバン方式、カイゼン、TQC活動、価値連鎖分析などの
 形で展開された。
●メイヨーの人間関係論
・メイヨーは、ホーソン実験において、心理学、社会学、臨床医学を経営学に
 融合させ、人間関係論の創設者となった。
・メイヨーの「面接調査実験(1928-1930)」により、企業内部の人間関係が
 改善。仕事と無関係の雑談(ガス抜き)をしただけでも仕事の能率があがる
 という思わぬ事実が発見された。
・ホーソン効果:人間としての従業員は
 1)経済的報酬だけでなく、社会的報酬をも求める
 2)合理的理由だけでなく、感情的理由にも左右される
 3)公式組織だけでなく、非公式組織にも影響される
・メイヨーは、行動科学の父とも言われている。
●マズローの欲求階層説
・マズローは、行動主義にもフロイト主義にも属さない第三勢力として
 人間主義心理学を創設した。
・マズローは、1938年の長女誕生後に行動主義からの独立を決めたと言う。
 「父親となることで、私の全人生が変わった」
●マグレガーのX理論・Y理論
・経営の問題は、人間の問題であり、人間の性質と行動に関する基本仮説は
 すべての経営決定と経営行動の前提になるとマグレガーは捉えていた。
・「統制による管理 management by control」に対して、マグレガーは、
 「目標による管理 management by objectives」を提唱した。
・多くの管理者は、性善説のY理論を信じながら、性悪説のX理論を実行する
 と心に決めているようである。
●ハーズバーグの動機づけ・衛生理論
・ハーズバーグは、フラナガンからCritical incident technique臨界事象法
 を直接に学んだ。
・Motivation-Hygiene theory M-H理論 動機付け・衛生理論
・人間状態の分類:
  動機付け要因(元気であるか否か)衛生要因(病気であるか否か)
●バーナードの組織論
・バーナードは、アメリカ管理哲学の王様と言われている。
・バーナードは、非公式組織なしに、公式組織は長続きできないと考えた。
・組織が成立するための基本要素:協働意欲、共通目的、意思伝達
・権限=コミュニケーション
●サイモンの意思決定論
・「制約された合理性」
・人間は多くの選択肢と意思決定に迫られるが、限られた情報量と処理能力
 しかもっていない。
・現実の意思決定は、主観的には最大基準であっても、
 客観的には満足基準でしかありえない。
○「経営行動科学 平成24年4月号」の書評で紹介されていたので、読んだ。
 評者曰く「バーナードとサイモンについての
 いくつかの思い切りのよい解釈を提示している」とのこと。
○大学院の夏合宿(2012年)の課題レポート「組織の源流をさぐる」の前に、
 この本を読んでいたらなー。
 でも、あれを書いた後だから、よりすっと頭に入ってきたのかも。
PDF「組織の源流を探る」を見る
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投稿者:関根雅泰

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