●「Hip Hop ADDIE:How to Make Training POP」
   「研修をポップなものにするには?」
    Lenn Millbower, Offbeat Training  June 4th 16:00-17:30
 このセッションには、期待していた点と不安な点がありました。
 「ヒップホップ?・・・なんか踊りでもやらされるのか?」
 300名ほど入れる会場は、満席状態です。
 私も立ち見でした。
 会場には、ノリがいい音楽が流れています。
 待ち時間すら楽しいものにしようという講師側の姿勢が見えます。
 いよいよセッションが始まりました。
 以下に、私の理解の範囲で、印象に残った点をお伝えします。
 
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 ○Content and Fun 内容と楽しさ
 ・Content or Fun 内容 または 楽しさ になりがち
  楽しい研修には内容がない。内容がある研修は楽しくない。
 ・Content and Fun 内容と楽しさの両立は可能。
 ・Train & Entertain at the same time
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 ○Learning Objectives このセッションの学習目標
 ・インストラクショナルデザインの基本である「ADDIE」に
  不足している点を理解する。
 ・ADDIEに付加すべき「5つのステップ」を理解する。
 ・Show Biz technique の研修への適用を探る。
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 ○21st Century Learners 21世紀の学習者
 ・それぞれの世代の特徴は、下記の通り:
 1)Veterans 1922-43
   Direction, Order, Stability
 2)Boomers 1943-60
   No authority, Interaction, Sharing
 3)Gen-Xers 1960-80
   Self direction, Doing, Knowing why
 4)Nexters 1980-2000
   Teamwork, Technology, Relevance
 ・21世紀の学習者(Xers&Nexters)は、次のような二面性を持っている。
  I am an individual, but I like teams.
 Don’t hassle me, but challenge me.
 Give me direction, but leave me alone.
 ・21世紀の学習者(若者たち)は、講師に対して、次のような要求をする。
  I don’t need your history.
 I want relevant information.
 I hate pointless activities.
 Don’t talk to me. Let me do it.
 Make it quick.
 Make it fun.
 ・21世紀の学習者を相手にする際に参考になるのが、Advertising(広告)である。
  Advertising Goals(広告の目標)
  1)Capture attention
  2)Maintain interest
  3)Move to favorable action
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 ○ADDIEの問題点と、付け加えるべきもの
 ・ADDIEの「Develop」の部分は、充分ではない。
 ・ここに付け加えるべきは、「5つのステップ」である。
  私は、それを「ADDIEmotion」と名づけている。
  Step1: Identify the Idea
 Step2: Sequence the Segments
 Step3: Mix the Methods
 Step4: Add Learnertainment(R)
 Step5: Script the Story
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 ○Step1:Identify the Idea (伝えたい点を明確にする)
 ・Concept = Pitch 伝えている内容、表現、手段
 ・Message = Meaning 伝えたい内容、意味、本質
  例)野獣が美女の愛を勝ち取る ← Concept
    真の美は内面にある ← Message
 ・研修で伝えたいコアとなるメッセージは何か?
  それをどのようなコンセプトで伝えているのか?
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 ○Step2:Sequence the Segments 部分をつなげる
 ・T-Quad Learning Preference Grid(学習嗜好を示す四分割法)
  Talk, Think, Test, Try
 ・T-Quadは、B.McCarthyの「4MAT」とも対応している
 ・映画の構成が、「部分をつなげる」際に参考になる。
  Three Act Structure を 研修に当てはめると
  1)Prologue: Why pay attention?
  2)Act One: What are the facts?
  3)Act Two: How does it work?
  4)Act Three: Where can I use it?
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 ○Step3:Mix the Methods 色んな方法論を使う
 ・参考になるのが、H.GardnerのMI(多重知能)理論である。
 ・自分の研修で、MIに対応しきれていない部分はあるか?
  どうしたら、各参加者の「学び方の違い」に対応できるか?
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 ○Step4:Insert Learnertainment(R)
      「楽習(意訳)」の手法を取り入れる
 ・Joke や Comedy を研修の中に取り入れる。
 ・ロジカルな流れから外れる「驚き」が、笑いにつながる。
 ・3番目に言うことを、ユーモラスなものにすると、面白い。
 ・事実を大げさに強調すると、面白くなる。
 ・演劇、比喩、手品も、研修に取り入れられる。
 ・音楽を研修に取り入れる。場面ごとに使う音楽を変える。
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 ○Step5:Script the Story! 台本を書く
 ・注意深く、研修の流れを、計画する。
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 ○所感
 ・この人のセッションは楽しかった。学ぶことが多い。
 ・自分のやり方と似ている点もある。多重知能理論や、4MATの活用など。
 ・今の課題である「ストーリー作り」のヒントももらえた。
 ・音楽は、自分の研修にもっと取り入れるべき。
 ・この人の本とCDを買おう!
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 本と、著作権フリーのCDを何枚か購入しました。
 早速、自分の研修で使ってみます!
 (このセッションの講師のウェブサイト)
 http://www.offbeattraining.com/
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