【木曜日23-34】 ホメロス本(1)

木曜日

プラトン本を読んだのがきっかけで、積読だった「ホメロス本」を読んだ。(教養本2冊)

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『イリアス(上)(下)』 ホメロス・松平千秋訳(1992)

●解説

・古代ギリシャの叙事詩の期限は、ミュケナイ時代(前1400~1200年)に遡れる。
・古代の叙事詩は、口頭詩(Oral poetry)であった。

・前750年頃に『イリアス』が成立。

・詩人が人間と自然を見る目の確かさ、そのまなざしの温かさを感じさせる。
・比喩の中で出来の良いものが、後世まで伝承されていく。

・口頭詩では、1回1回の口演が、語り手の創作の場であった。
・ホメロスの詩が筆録されたことにより、口頭詩の自発性を奪って、その後の発展を妨げる結果になった。

・『イリアス』『オデュッセイア』は、トロイア伝説に取材した物語である。

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●本論 第一歌~第十二歌 第十三歌~第二十四歌

・疲れた時には、酒が一番力を盛り上がらせてくれる。
・定まった運命を逃れることはできぬ。
・「夜」のいうことを聴くのも悪くはなかろう。
・総帥アガメムノンが言うには「確かにわしは思慮を失って過ちを犯した、それは当のわしも否みはせぬ」
・怒りは、のどにとろけ込む蜜よりも遥かに甘く、人の胸内に煙の如く湧きたってくる。
・人間にとって戦いは、始まればすぐに嫌になってしまうものだ。
・戦いは、人間どもにさせておけばよい。
・人間はしょせん神には及ばぬ。
・憐れむべき人間ども。彼らははかなく滅びてゆく。

○神様が、とても人間臭い。このあたりが、ギリシャ神話の面白さなのかも。
○名前が色々出てくるので、最初ついていくのが大変。
○人間も喜怒哀楽を素直に表現していて、気持ちいい。
○これを、詩人が口頭で歌うのを、聴衆はハラハラドキドキしながら聞いてたんだろうな~。

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●ホメロス伝

・メレシゲネス(ホメロス)は、目を患い、イタケ人のメントルに看護された。
・イタケで、メレシゲネスは、オデュッセウスに関わる様々な伝承を聞き知ることができた。

・彼の名は、メレシゲネスよりも、ホメロス(盲人)のほうが、通りがよくなった。
・ホメロスは、キオスの町で塾を開いて、子供たちに詩を教えた。
・十分な貯えもできたので、妻を迎え、二女を儲けた。

・ホメロスは、詩によって、人々から受けた恩に報じようと考え、まず『オデュッセイア』の中で、イタケ人 メントルに恩を返した。
・メントルを、オデュッセウスの親友とした。
・アテナが、人間の誰かと言葉を交わす際に、メントルの姿をとるようにさせているのも、メントルに敬意を払ってのこと。

○そうだったんだー! このメントルが、オデュッセウスの息子 テレマコスを指導するので「メンター」という名が生まれるんだよな~。

・ホメロスの生まれたのは、トロイエ戦争から、168年後のこと。
・ホメロスは、イオスで病で死んだ。子供たちの言葉が解けなかったためではない。

○『オデュッセイア』も読もう!

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投稿者:関根雅泰

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