【木曜日22-31】「行動経済学」本(1)

木曜日

○22年8月2日の「OD勉強会@立教大」で「システム1・2」が出てきたので、積読していた「行動経済学」本を読むことにしました。

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『ファスト&スロー(上)』D.カーネマン著・村井章子訳(2014)

・社会科学者の間で、1970年代に広く受け入れられていた人間観:
 1)概ね合理的 2)合理性から逸脱した行動は、だいたいは感情で説明がつく

・私たちは、感情の影響ではなく、認知装置の設計に起因することを示した。

・速い思考を行うのが、システム1。遅い思考が、システム2。
・多くの選択や判断の背後にあるのは、システム1。

・「注意」は、限度額が決まった予算のようなもの。

・瞳孔は、知的努力を敏感に示すバロメーターになる。

・システム1は、甘党。
・システム2のセルフコントロールには、注意と努力が必要。(しかし、2は、怠けもの)

・観念によって行動が変わるという、プライミング現象は、イデオモーター効果として知られる。
・高齢というプライムを受けると、老人らしく行動する。

・お金という観点が、個人主義のプライムになる。

・図5

・反復は認知を容易にし、なじみがあるという心地よい感覚を与える。
・R.ザイアンスは「単純接触効果 mere exposure effect」と名付けている。

・ご機嫌だと、直感がさえ、創造力が一段と発揮される一方、警戒心が薄れ、論理エラーを犯しやすくなる。
・上機嫌なのは、ものごとが概ね上手くいっていて、周囲の状況も安全で、警戒心を解いても大丈夫だからである。

・多くの宗教の中心をなす二つの信念:
 1)物理的な世界を作った究極の原因は、無形の神
 2)人間が生きている間は、不死の魂が一時的に肉体を支配し、死んだ後は肉体を離れる

・システム2が、他の事にかかりきりのときは、私たちはほとんど何でも信じてしまう。

・順番は重要。ハロー効果によって、最初の印象の重みが増す。

・つじつま合わせに走るシステム1と、怠け者のシステム2の組み合わせ。
・「自分の見たものが全て What you see is all there is」

・ヒューリスティックスという言葉は「見つけた!」を意味するギリシャ語のユーレカを語源に持つ。

・ホットハンドは存在しない。
・人生で遭遇する大半のことは、ランダムである。

・アンカリング anchoring effect 係留効果。ある未知の数字を見積もる前に、何らかの特定の数値を示されると、この効果が起こる。

・全体から個を推薦することには不熱心だが、それと釣り合うように、個から全体を推論することには熱心である。

・「ただの統計データを見て、彼らが本当に意見を変えるとは思えないね。それより、一つか二つ、代表的な事例を示して、システム1に働きかけるほうがいい」

・平均の回帰 regression to the mean 不出来だった後は良くなるし、上出来だった後は、まずかる。

・私達の頭は、因果関係を見つけたがる強いバイアスがかかっており、「ただの統計」は上手く扱えない。

・実際には、運が重要な役割を果たしている。
・運の役割が大きいほど、学べることは少なくなる。

・企業の成功とCEOの手腕との相関係数をかなり甘めに見積もったとしても、0.30がせいぜいだろう。

・「ビジョナリーカンパニー」の魅力も、ハロー効果と結果バイアスで、あらたか説明がつく。

・情報は少ない方が、つじつま合わせがしやすい。
・「ブラックスワン」で指摘されたように、私達は過去についてつじつまの合った後講釈をし、それを信じこむ傾向がある。

・「チェックリスト」をなぜ使わないのか。

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『ファスト&スロー(下)』

・一定の規則性が存在しない状況では、直感は信用できない。
・プロフェッショナルの直感的なスキルの習得は、
 1)質の高いフィードバックをすぐに得られるかどうか
 2)練習し実践する機会が十分にあるかどうか にかかっている。

・「くそおもしろくない」統計情報は、個人的な印象と一致しない限り、簡単にゴミ箱行きになりやすい。

○この辺りが、SCMの活用につながるかも。あえて、人間の認知的バイアスを利用する。

・起業家の楽観主義において、重要な役割を果たしているのは、認知バイアスである。

・「死亡前死因分析 premortem」

○取り組む前に、できない前提で「障害」を考える「逆戻り予防策」に通じる。

・経済学者が定義する合理的経済人は、エコン類(Econs)であり、
 心理学者が定義するふつうの人間は、システム1を持つヒューマンである。

・参照点 reference point

・変化に伴うデメリットは、メリットより強く感じられ、現状維持を好むバイアスを誘発する。

・プロスペクト理論の要は、
 1)参照点が存在すること 
 2)損失は、同等の利得より、強く感じられること である。

・損失回避というコンセプトは、心理学から行動経済学への貢献の中でおそらく最も重要なもの。
・得をするより、損を防ぐことに熱心。
・損失回避は、私たちの生活を、参照点にとどめおく重力のような存在。

・図 四分割パターン

・得をする場面では、リスク回避的に、
 損をする場面では、リスク追及的に、なりやすい。

・行動して生み出された結果に対しては、行動せずに同じ結果になった場合よりも、
 強い感情反応が生まれる。

・予定される後悔を、あらかじめ書き出しておくこと。

・システム1は、感情的な言葉に無関心ではいられない。フレーミング効果。

・最後が悪かったからといって、全部が悪かったことにはならない。

・所得が増えるほど、生活の小さな楽しみを味わう能力が減ってくるのではないか。

・ハッピーになる一番簡単な方法は、時間の使い方を自分でコントロールすることだ。

・ほんの小さなことを、全体の代用にしてのけるのは、システム1の得意技である。

・行動経済学では、自由はコストを伴うと考える。
・シカゴ学派では、自由は、Freeなのである。

・建設的に批判するスキルには、的確な語彙が欠かせない。

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投稿者:関根雅泰

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