研修転移のルーツ(1)ソーンダイク(1901)

ライブ配信

ラーンウェル代表の関根です。

2022年4月11日(月)朝5時15分~5時35分、ライブ配信を行いました。

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・週末は、家族とお花見(花桃)

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・転移の定義は多様。簡潔に表現すると、○→○

・転移研究のルーツ:ソーンダイク(1901)の同一要素説

・ソーンダイクの仮想敵は、形式陶冶説

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・今週は、安岡正篤先生の本を読む。

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・今日は、ライブ参加 7名でした! ありがとうございます!

次回は、4月18日(月)5時15分から、15分~30分程、テーマは「転移のルーツ(2)」です。お楽しみに!

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●楠田リエさんのメモ(ありがとうございます!)

2022/04/11MMMT「研修転移のルーツ(1)」メモ

マンデーモーニング、学びタイム!

毎週月曜日、朝5:15~

★記録者:楠田

<楠田個人の振り返り(4/24)>

今回から「研修転移のルーツ」がスタートした。一度聴いただけでは理解が追いつかず、何度も繰り返し聴いていた。今日改めてじっくりと腰を据えて聴き、レジュメも参照して、ようやく理解した。前回までは、現代の研修現場の様子を関根さんが例えを用いながら説明くださっていたので、様子を思い浮かべることができ理解しやすかった。今回から難しさを感じたのは、舞台が少し昔に遡ったからというのもあるかもしれない。

同一要素説、面白かった!次回の形式陶冶説も改めてじっくり聴き直して、自分なりに両者を比較してみたい。

関根さんが、先行研究の論文をもとに源流を探っているというお話から、そうやってコツコツと研究を進めていくのは大変そうだけど、楽しそうでもある様子が印象に残った。

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<オープニング>

週末はいかがお過ごしでしたでしょうか?

(関根さん)

ハナモモが満開だったので家族でお花見。

<ボディ>

研修転移のルーツ(源流)

「転移」とは

Google検索で上位に来るのは「がんの転移」

がんの場合の転移は、「メタステイシス」を和訳

臨床心理学におけるフロイトの「トランスファランス」も転移と訳されている

小さい頃の親子関係等が医師やカウンセラーとの間に投影されてしまう

これから見ていく転移は、メイタステイシスともトランスファランスとも違う英語

最近では人工知能や機械学習の領域でも転移(トランスファー)が使われている

今日は、心理学・教育学における転移という概念を見ていきたい

心理学・教育学においても転移の定義は幅広く、安定しないと言われている

レジュメにいくつかの定義を紹介しているのでブログをご参照

特に有名な定義は「ある一つのことの学習が、別のことを学習をするのに役立つこと」

企業研修においては、研修室で学んだことが仕事の現場でも使われているということ

単純化して言うと、〇→〇

この図式は転移を勉強しているときに思い付いた

調べていたら、佐藤先生も同じような図を書いていた(関根さん5歳のとき)

これは自分しか思い付いていない!みたいなことはすでに誰かがやっているし、そういうことを学んでいくのが先行研究、謙虚に文献にあたっていくなど

〇→〇の一件でそのようなことを感じられた

〇→〇は本当にそうなのか?

それを実証しようとしたのがソーンダイクという研究者

ある文献の中でも、「認知研究を最初に行ったのは」と残っている

ということはソーンダイクがルーツなのだろうと言える

裏をとるためレビュー論文を見ていくと、1901年のソーンダイクの研究からレビュー(先行研究)を始めているものがほとんどだった

研修転移のルーツはソーンダイク(1901)にあると考えてもいいのではないか

ソーンダイク(1901)は何をやったのか?

見つかる範囲で3本の論文がある、A・B・C

共同研究者のウッドワークㇲとともに

ただ有名なのはソーンダイクだけ

何を実験したのか?英語の原文を読んだがよく分からなかった

それを解説した日本の先生の論文が分かりやすかったのでそこから取り上げる

複数種類の実験をやって、その一つが「面積を測る」

面積を測りやすくするために、1平方㎝、25平方㎝、100平方㎝の正方形を準備してある

それを参考にして、長方形、三角形、円、台形など色々な形の面積を測るという実験

まず1回やって、2回目は最初に使った形(例えば25平方㎝の正方形)を使えば同じように面積を推定できた

それが用意されていなかったら、できなかった

つまり、学習したのと同じ形(正方形であれば同じ大きさを持つもの)が次の環境でも用意されていないとできない

同じものがないと応用できなかったから、「同一要素説」を述べている

人間はそんなに頭は良くなくて、同じような環境が用意されていればできるけれども、そうでなければできない、という考え方

同一要素説は「人間の力を矮小化している」という批判もある

同一要素説は非常に強力だったので、転移はなかなか起こらないのではないかということがしばらく言われていた(またある時期から変わってくる)

ソーンダイクはなぜこういうことをやりたかったのか?

研究は仮想敵を置くのが一つのやり方

それを批判して自分のオリジナリティ、新しさを出していく

当時のソーンダイクらの仮想敵は、「形式陶冶説」だった

ソーンダイクらは「形式陶冶説には科学的根拠がない」ということを実証するためにこの実験を行い、「やはり科学的根拠はなかった」「形式陶冶説は間違っている」と主張

では、形式陶冶説とは何か?ということを次回以降見ていく

形式陶冶説は教育学の根本にもなっている

研修転移の源流(ルーツ)の一つは、ソーンダイク(1901)による転移研究であると言える

他にも源流がいくつかあるが、次回以降触れていく

同一要素説にのっとって考えると、料理を教える際、全く同じ道具が別のキッチンに用意されていれば転移される、という考え方をする

「同じものを用意」を忠実に行っているのが、関根さんがお手伝いしていた電力会社さん

原子力発電所のシミュレーション、現場と全く同じものが用意されている

(渡邊壽美子さんから「おはようございます」)

こういう動画を始めようと思ったのも、渡邊さんの研修評価に関する動画配信がきっかけだった

渡邊さんから学んだことをまさに転移して今こうしてやっている

同一要素説によれば、キッチンで同じ道具、同じ材料が用意されていれば転移するということになる

それに対して、全くの初心者でなければ応用できるのでは?という批判もある

小林豊さん:おっしゃる通りです。和食のキッチン道具がないのでヨーロッパのキッチンでは苦労しています。

楠田:心理学の社会学習理論に通じるものも感じました!観察学習、モデリングなど。見たことがあるものを再現する、という意味で。

小林豊さん:道具だけでなくヨーロッパ人のメンタリティーも違うので難しいです。

<クロージング>

今週はみなさんいかがお過ごしになるのでしょうか?

今週はいくつか研修がある

この時期、新人の方々に対して、どうやって職場の人から学んでいくのか?という研修

リアルで集まって行う研修とオンラインの研修がある

リアルで行うと移動が発生する

ランチェスター戦略の竹田先生によれば「移動は無駄だ」ということになる

移動の良さは本を読めること

今は「比企学」を読んでいる、比企に関連する学問

嵐山町には、日本農士学校というものが戦前あった

戦後、日本農学校に変わり、今は国立女性教育会館(ヌエック)

日本農士学校を立ち上げたのは安岡正篤先生、東洋の哲学を研究された方

お互い楽しく学びながら過ごしていきましょう!

投稿者:関根雅泰

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