「地域での起業支援」_201120

お薦めの本

『ハイテク産業を創る地域エコシステム』西澤昭夫他(2012)
○先週読んだ『地域が元気になるために本当に必要なこと』(2013)で、引用されていた本。
https://www.learn-well.com/blog/2020/11/_201112.html

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・MITは「企業家大学」として新たな制度を整備し、これを武器にして第二次世界大戦において、連邦政府から軍事技術の研究支援を受けることになる。
・軍事技術の開発は、軍から開発課題が提示されると、大学が元請けとなり、その下請けとして企業が参加する産学連携組織が組成され、入札が行われる。
・通常の企業活動を行う市場経済を「第1経済(Economy One)」
支援機関による経済活動を「第2経済(Economy Two)」と区分した(Kenney 2000)
・Triple Helix Spaces 3空間の統合
1)知識空間 Knowledge Space:企業家大学
2)コンセンサス空間 Concensus Space:地域がNTBFs支援を承認する
3)イノベーション空間 Innovation Space:支援機関などの集積
・NTBFs:New Technology Based Firms(Oakey 1994)
・アメリカにおける先行研究では、外的インパクトとしての経済危機が発生した場合には、Influencerが地域から生み出されると言われている(Gibson and Rogers,1994他)
・Entrepreneurの語源である entreprendre は「間 entre」から「手に取る、掴む prendre」という意味を有しており、「民事、軍事のプロジェクトのために労働力や物質を組織する人であった」が、18世紀中ごろから、フランスの政治経済学者によって、価格変動により利潤獲得にリスクある事業に着手する個人という「今日の曖昧な意味」が与えらえれたと言われている(Burt 1992)。
・BANs:Business Angel Networksは、インフォーマルベンチャーキャピタル市場の「教育」の側面に焦点を当てるべき(Jose,Roure, & Aernoudt 2005)。
・BAとしての条件を満たしてはいるが、まだ投資を行ったことのない投資家(Virgin Business Angels)が多く、ヨーロッパで85万人、アメリカで175万人にのぼると推定されている。
・潜在的エンジェル(Latent Angels)を活動的なエンジェル(Active Angels)に転換するための教育として「投資未経験のビジネスエンジェル教育」の役割について指摘している。
○これも大事だよな~。
・支援制度は、日本の方が進んでいるのではないか。
・しかし、日本での創業活動は活発なものとはなっていない。
・ベンチャー企業の創業に関する研究:
1)企業経済学者による研究:E=f(π、BE,GR,C)
2)労働経済学者による研究:個人が決定した判断
・GEM(2007)の創業モデル
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・日本の大企業のように長期雇用慣行が支配的な経済社会環境において、創業は決して経済合理的な選択とはなっていないと考えられる。
・簇業(そうぎょう)モデル  簇:むらがるという意味を持つ
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・小さな地域に集中して資源を投入し(RAを高める)、人材の相互刺激を高める(EEを高める)ことが有効である。
・RA:Resource Accessibility(外的資源の入手可能性)
EE:Entrepreneurial Expectation(創業への期待値)
・日本では、タネ(技術)は十分にあり、ハタケも耕してあるが(支援制度)、水が無く(市場機会が乏しい)気温が低すぎて(創業の費用対効果が悪すぎる)、発芽しない状態であると言える。
・もう少し気温が上がれば、創業が合理的に思え、創業が増え、それに影響を受けた人も創業を開始するという連鎖が現実のものになるだろう。
○これを、比企という小さな地域で実現したいな。
・人的資源開発の企業間での戦略的連携も重要なアプローチ(Lepak & Snell 1999)
・南カリフォルニアにおいて、受注に失敗した戦闘機メーカーが、ライバル企業に、自社の開発チームを貸し出して、そこで先端的な技術経験をさせることで、戦闘機産業で共通の専門人材の能力開発を共同開発している(Cappelli 1999)
・企業間 准内部労働市場(Gardner 2005)
・クラスター形成の共通要素の一つが「インフルエンサー(Gibson & Rogers 1994)」や「地域リーダー(東2001)」である。
・創発型のクラスター形成における最大の課題は、個々のローカルなイニシアティブをどのようにして融合して、地域レベルの集合的行為にまで高めていけるかということである。そのためのポイントは、行動のベクトルを合わせること。
・メゾ組織構築という企業家活動は、Burt(1992)の主張する「構造的な溝(Structural Holes)」を埋めるネットワークハブとしての企業家。
・企業家活動の「ミクロ-メゾ・ループ」によるクラスター形成。
・USモデルの副作用は、所得格差の再現、拡大。
・第二次世界大戦から、1980年代初頭に、Cloning Silicon Valley政策が導入されるまで、アメリカにおける所得格差は小さく「大圧縮の時代」と呼ばれていた。
・日本の高度成長期において、Statistモデルが、きわめて有効に作用していた(フリーマン1989)。
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●講師ビジョンの島村さんからのメール
関根さん、ブログ拝見しました。
>日本では、タネ(技術)は十分にあり、ハタケも耕してあるが(支援制度)、
>水が無く(市場機会が乏しい)気温が低すぎて(創業の費用対効果が悪すぎる)、発芽しない状態であると言える。
>もう少し気温が上がれば、創業が合理的に思え、創業が増え、それに影響を受けた人も創業を開始するという
>連鎖が現実のものになるだろう。
事業会社の人材開発のご担当者が、講師業、研修業を生業としたキャリアプランを考えていらっしゃる方が一定数いると思うのですが、そこに踏み出す人は意外と少ないなと感じています。
個人的には、人材開発担当者の皆さんが自社で得た知見は、より多くの会社の課題解決に役立てられると思うのですが、一歩踏み出せないのは、社会にとっての機会損失だとも感じます。
タネ(技術)は十分にあり、水(市場機会)はある程度あるが、畑(支援制度)があるようでそれを感じられず、発芽しない状態であると言えるのかな思います。
近い将来、外部講師育成の事業化を考えていますので大変参考になります。
いつもありがとうございます。
講師ビジョン 島村
(こちらこそ、いつもありがとうございます!)

投稿者:関根雅泰

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