「起業家」本_201130

お薦めの本

『新・起業学入門』高橋徳行(2007)
・起業活動の枠組み
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○これ、すっごくいい! ここまで、起業の全体像(しかも運・偶然含め)を分かりやすく示しているフレームワークは無いと思う。これにプラスして、竹田陽一先生の「ランチェスター弱者の戦略」を学べば、鬼に金棒!

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・自分が発見した未開拓の事業機会を実現するために行うあらゆる活動=起業活動と考え、その担い手を、起業家と呼ぶ。
・供給システムのボトルネック(弱い部分)が、創業時の売上高を決める。
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○これ、まさにそう! 何となくそう感じていたことを、明示してもらった感じ。
・GEMでは、3年半以上経過した企業は、不安定な段階を乗り越えたものとしている。創業後、3~4年程度を経過した企業は、起業段階を終えたものと考えることができる。(経営段階に移行)
・「紅茶とミルクの法則」ある財、サービスの需要が伸びた時、補完財に注目する。
・その変化が、どのような事業機会を生み出すか。それは普通の人は気づかない。これを見つけるのが起業家であり、事業機会の認識能力といえるもの。
・事業経営を初めて意識した時期:20代~30代で、約5割。
・仮説型事業機会(潜在欲求、ウォンツ)
 問題解決型事業機会(顕在ニーズ)
・起業活動の特徴の一つが「個人の信用」をベースに、経営資源を調達したり、供給の仕組みを構築したりすること。
・草の根エンジェルは、時間と手間をかけ、それまで培った経験、知識、ノウハウ、人脈などを駆使しながら、起業家を支援している。
・売上高や事業規模は、供給システムの最も弱い部分で決まる。
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・社会、経済、経営環境の変化は、起業家にとっては追い風である。
・限られた経営資源を得意な活動分野に、集中的に投入する方がより競争的になる。
・起業活動のダイナミズム:同時性、不均衡性、非戦略性
・起業活動には、非戦略的部分が多い所に、一般的な経営活動との大きな違いがある。
○起業と経営を分けて、起業活動の特徴をまとめてくれているのが、ありがたい。一緒くたになっているか、どっちかに偏っているものが多い。
・タフな状況を乗り越える起業家は、「上手い下手は問わず、白紙の紙に絵を描ける人」 起業家になれない人は、他の人が描いた絵を批判ばかりしている人。
・最も重要な資質は「不安と戦うことができる能力」
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『企業家とは何か』 J.A.シュンペーター 清成忠男(1998)
・企業家は、リーダーシップの社会的現象の特殊ケース
・企業家の経済的リーダーシップ:(新結合の内容)
 1)新しい生産物または生産物の新しい品質の創出と実現
 2)新しい生産方式の導入
 3)工業の新しい組織の創出
 4)新しい販売市場の開拓
 5)新しい買い付け先の開拓
・新しいことを断行するという機能の遂行は、企業家の本質を成すもの。
 それに結び付いた利益は、本来的な企業家利益である。
・Selfmademan(一代で成り上がった男、叩き上げ)
・企業家を定義付ける特徴とは、単に新しいことを行ったり、既に行わて来たことを新たな方法で行うと言うことである。
・新しいアイデアを具体化する事業を起こす:Enterprise企業
 ゴーイングコンサーンの管理を指揮する:Management経営
・発明家はアイデアを生み出し、企業家は「事を行う」。
・カンティヨンが「企業家 Entrepreneur」という言葉を初めて用いた。
―――(編訳者による解説)
・かつて、シュンペーターは、新産業の担い手は、新人であり新企業であるという仮説を提示した。のちにシュンペーターはこの仮説を撤回するが、彼の死後、アメリカの経営史は、前述の仮説が妥当であったことを示している。
・シュンペーターは、企業家の「群生的出現」を指摘している。一人の企業家の成功的出現は、単に他の数人の企業家の出現を惹き起こすばかりでなく、ますます多数の、そしてますます能力の乏しい模倣的企業家の出現を惹き起こすのである。
・ドラッカーの「イノベーションと企業家活動」(1985)に、シュンペーターは少なからぬ影響を与えている。
・シュンペーターの企業家論は、なによりもまず、企業家の革新性を強調した点にある。
・企業家とは、シュンペーターにとっては「不均衡を作り出す勢力」であり、カーズナーにとっては「均衡を作り出す勢力」なのである。
・これまでの我が国においては、キャッチアップ型の企業組織、企業間関係、企業文化が形成されてきた。同質、横にらみ、集団主義、ピラミッド型、等々がその特徴である。
・今創造活動を展開するために、企業家風土の形成が不可欠。そのためには、次の4点を重視する必要がある:
 1)個人の自立、自律
 2)異端、異質を認める
 3)失敗の許容
 4)自立を基礎にした連携
○昔も今も同じことが言われてるんだな~。
・自立型人材の輩出が、企業家風土形成の前提になる。
・対極にあるのが、組織依存型人間。
・自立型人材輩出には、教育が重要であり、かつ有効である。
・自立型人材は、企業家予備軍である。
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●講師ビジョン 島村さんからのメール
関根さん
おはようございます。いつもブログ拝見しています。
>最も重要な資質は「不安と戦うことができる能力」
これは、なくなるものではないかなと感じていますので共存していくことが大切ですし、負けるか!という気合も長く続けていく上では大切だと思います。
また、不安を共有できる仲間がいることも大切だなと思います。一人で歩むのは危険な気もしています。
>社会、経済、経営環境の変化は、起業家にとっては追い風である。
>限られた経営資源を得意な活動分野に、集中的に投入する方がより競争的になる。
変化をチャンスだと思うようなマインドや心がけは本当に大切だと感じます。特に今の時代には尚更ですよね。やはり色々手を出したくなるのですが、集中させることが大切だと思いますし、集中のさせ方として、自分の事業にどう他者の強みを掛け算するのかというのも大切だのではと感じています。
起業家向け内容は、とても興味深いです。貴重な情報をありがとうございます。
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こちらこそいつもありがとうございます!

投稿者:関根雅泰

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