新書イロイロ_200925

お薦めの本

○先を考えるために読んだ新書イロイロ
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『コロナ後の世界』
大野和基(編)2020
ジャレド・ダイアモンド
・日本の人口が、2050年の予測で、9000万人ほどに減るのであれば、それはむしろアドバンテージ。
・人口が減少すれば、それだけ必要とする資源が減る。
・問題は、高齢化ではなく、定年退職というシステム。
・人口の半分を占め、教育レベルが高くて、健康な女性が働ける環境を作れていないことが、日本の問題。
・日本の目の前にある危機は、1854年の開国や1945年の敗戦に比べたら大したことは無い。以前やったように、時代に合わない価値観を捨て、新たな価値観を取り入れればよい。
マックス・テグマーク
・パンデミックと闘うことは、情報戦。
・今後、AIのアルゴリズムが人間のレベルに近づけば近づくほど、膨大なデータを持つことのアドバンテージは消えていく。
・あらゆる職種において「AIで何ができるかを理解し、上手く活用できる人」が生き残り、そうでない人は負ける。
・今の段階で、2060年の労働市場がどうなっているかを考えるのは馬鹿げたこと。それよりも常に何が起きているかを把握し、新しいことを必要に応じて、学習し続けることが重要になる。
リンダ・グラットン
・労働時間や生産性で、他の先進国から遅れをとっていた日本が、パンデミックによって半ば強制的に「働き方改革」を成し遂げる絶好の機会を得た。
・副業制度はあまり生産的な方法ではない。それよりも、まとまった時間を与えられるほうが、社員はさらに多くの選択肢を持てるようになる。
・人生を通して、絶え間なく学び続ける姿勢が必要。
スティーブン・ピンカー
・我々の認知能力は、バイアスの影響をすぐに受ける。そうした限界を克服するために、データを理解する必要がある。
・原発は、皆さんが考えるより安全なエネルギー。原発ができてから約60年で、死者は、1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故での31人だけ。
スコット・ギャロウェイ
・「つながり」を促す一番の要素は「怒り」
・GAFAの中で最も生き残る可能性が高いのは、アマゾン。
・アメリカにおける最も裕福な層は、スモールビジネスのオーナーたち。
・Big winnerとなるのは、時間を節約してくれる企業。
ポール・クルーグマン
・インフレ率が低迷している直接的な原因は、企業が賃金を十分に上げないことと、モノの価格をあげたがらないことにある。
・歴史的にインフレ率の低迷に悩む国が何をしてきかた、それは戦争。戦争は公共投資、財政支出にあたる。
大野和基
・新型コロナウィルスは、私たちに「深く考えるきっかけ」を与えてくれた。
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『働き方5.0』
落合陽一(2020)
・2016年からよく目にするようになった言葉に「Society 5.0」がある。科学技術基本計画で提唱。狩猟社会(1.0)農耕社会(2.0)工業社会(3.0)情報社会(4.0)に続く、新たな社会の姿。
・コンピューターには不得意で、人間がやるべきことは何か?
・コンピューターが得意にしているのは「総当たり戦」
・システムになくて、人間だけにある「モチベーション」
・システムには「これがやりたい」という動機がない。
・「魔法をかけられる側」ではなく、良心をもって「魔法をかける側」で生きる。
・これまでブルーカラーの労働者は、その仕事をマネジメントするホワイトカラーの搾取を受けてきた。
・自分の能力を活かすために、資本か組織が必要かどうか。
・これからは「専門的な暗黙知を持つクリエイティブクラス」を目指すべき。
・ロールモデルのないオリジナルな価値を持つ人間になろうとするなら、何らかの「魔術師」になるのが、一番。
・暗黙知の彫り込みとは、広い意味で「研究」のこと。
・5つの問い(オリジナリティの説明:文脈)
1)それによって、誰が幸せになるのか?
2)なぜ今その問題なのか?なぜ先人たちはそれができなかったのか?
3)過去の何を受け継いで、そのアイデアに到達したのか?
4)どこに行けば、それができるのか?
5)実現のためのスキルは、他の人が到達しにくいものか?
・「自分が解決したいと思う小さな問題」を探せ
・思考体力のある人間は、常にマジ。
・SNSは「他人が目立つ」メディア。
・レンジをある程度広くとった「変態性」が重要。
・「これがやりたい」というモチベーションのある人間は、コンピューターが手助けしてくれる。
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『問題発見力を鍛える』
細谷功(2020)
・不確実性が高い時代には「与えられた問題を上手に解く」のではなく、問題が与えられたら「そもそもこれは解くべき問題なのか?」を疑ってかかり「解くべき問題はこちらである」と逆提案する能力が重要。
・VUCAの時代や新型コロナ危機というのは、問題発見力がある人にとっては限りない機会を次から次へと提供してくれる絶好のチャンス。
・VUCAの時代には、曖昧な依頼が増える。
・現在のAIでは「適当にやっといて」とか「いい感じに仕上げといて」などというあいまいな問題では動き出すことができない。
・問題が問題だと認識されていないことが、最大の問題。
・5Wの中でも「Why」は特別。4Wへの回答は「名詞で一言」で終わるが「Why]への回答だけが「○○だから」となる。
・4Wは点、Whyは線。
・問題は常に、2つの状態の比較からくる
・問題発見型の人を活かすには。「育てるという他動詞」ではなう、「育つという自動詞」を重視すべき。
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『次のテクノロジーで世界はどう変わるのか』
山本康正(2020)
・これからの時代に必要なのは、テクノロジーの基礎的な教養。
・AI(人工知能)、5G、クラウドが、メガテクノロジー。
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・テクノロジーの土台の上に、あらゆるビジネスがある。
・外国のアカデミアが、日本企業とコラボレーションしたいと思っても、アカデミックとビジネスの間にはギャップがある。つながるための窓口もない。
・AIにできないことの内で、代表的なのは「善悪」「倫理」の判断である。
・中国に大量のデータが存在するのは、中国にはプライバシーと言う概念がないに等しいからだ。
・AIを担う業者は数多くいる。自社にとって、どのようなデータをどのような部分に使えば成長できるのか。アイデアさえあれば、外注できる。
・ハードウェア、ソフトウェア、サービスの内、顧客との接点や利益率がもっとも高いのは、サービスである。
・素人が撮影した動画でさえ、5Gで、4Kなみの高画質になる。
・恩恵を受けられずに損をするのは、テクノロジーの知識や情報に疎い人。
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『5Gビジネス』
亀井卓也(2019)
・5Gの利用シナリオ
1)高速大容量通信 2)超信頼・低遅延通信 3)多数同時接続
・ビジネスオペレーションを組みたてるにあたって、制御やデータの流れをそこに組み込むことが必須になる。
・5Gのメリットを実感できる一番のコンテンツは、動画。
・高度化したカメラが映像を送る先にあるのは、AI
・B(通信事業者)2B(センター事業者)2X(エンドユーザー:データ提供者)
・5G時代には、上り通信(端末側から利用者の情報を収集)が増える。
・プライバシーを確保する上で、重要なパーソナルデータが何か、誰に対して、どういう目的であれば提供するのか、各自が判断しなければならない。
・5G環境が充実するかどうかは、5Gへの需要を生み出せるか次第。
・能動的に、5Gを活用しようとするセンターB事業者が、新たな時代の勝者となる。
・センサー(カメラ)、クラウド(AI)、アクチュエーターが、通信を意識することなく、一体となって稼働することによってコネクテッドサービスを実現する。これが、基本的なアーキテクチャー。
・XaaS (X as a Service)
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投稿者:関根雅泰

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