「オンライン研修」文献_200611

論文

The promise of online cognitive behavioural therapy training for rural and remote mental health professionals
J. Benett-Levy & H. Perry (2009)
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・オンライン研修により、エビデンスに基づいた教育を、遠隔地域に対しても届けられるようになった。それは、対面研修よりも、コストを50%削減することにつながった。

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・オーストラリアでは、遠隔の田舎に住む人たちに対して、質の高いセラピーを提供することができていなかった。
・そこで、オンラインにより、エビデンスに基づいた教育を、地域のメンタルヘルス専門家に受講してもらい、セラピーの質を高めてもらうことになった。
・CBT研修受講において、以下が示唆された。
 1)短いコース(4~8日)は、効果が低かった
 2)スキルをもつCBTセラピストによるsupervision監督・指導が、適切なスキル発達には必要であった。
 3)長期コース(1年間)が、効果が高かった。
・上記結果から、長期コースで、定期的な指導が必要であることが分かった。
・Declarative knowledge宣言的知識の習得には、読書と講義が有効であった。Procedural knowledge手続き的知識は、ロールプレイが最も有効であった。
・オンライン研修によって
 1)宣言的知識は、講義と読み物によって習得が可能であった
 2)スキルは、動画を通じて、複数のモデルを観察することができた
 3)受講者同士は、Eメールを使って、内省を共有していた
 4)受講途中でいったん停止させ、ノートをとることができていた
・新しい手続き的知識を、他の受講者と共に、ロールプレイで学ばせたい時には、対面研修が必要であった。
・また、対面研修により、新しい学習コミュニティが形成されたのも、受講者が得た便益の一つであった。
・対面研修は、新しいスキルを、ロールプレイと練習経験によって身につけさせたい時に使用すべきである。
・オンライン研修の効果を高めるためにも、
 1)受講者による事前学習が必要
 2)受講者が、指導者や講師に質問できることが必要
 3)高速ブロードバンド環境が必要(オーストラリアの田舎では課題)
・オンライン研修に、指導・監督機能が加わればより高い効果が期待できるだろう。
https://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1080/10398560902948126?casa_token=-HPC_B3ovPMAAAAA:u-eXSnWn03oPgeaVTMsSKOOigd_G39EjexRC6iqNxj3zA6kvVpLcUQ3rLlZqfOdVfz8hE4ebv8iE
○オンラインで出来ることと、対面ですべきことを考える際のヒントになりそう。
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●講師ビジョン 島村さんから頂戴したメール
関根さん、おはようございます。ブログ拝見いたしました!
以下、感想です。
(参考になった箇所)
・オンライン研修によって
 1)宣言的知識は、講義と読み物によって習得が可能であった
 2)スキルは、動画を通じて、複数のモデルを観察することができた
 3)受講者同士は、Eメールを使って、内省を共有していた
 4)受講途中でいったん停止させ、ノートをとることができていた
(感想)
オンライン研修の事前動画などは、一旦停止させてメモをとることができるのは、通常の研修講義ではできないことですし、理解が追いつかない人は考える時間にもなるわけで、より多くの人が学習しやすくなり理解度も増すのでないかと感じます。
また、動画は、知識の説明だけでなく、動作やスキルを習得しやすくする側面もあるのだと改めて感じました。
(参考になった箇所)
・新しい手続き的知識を、他の受講者と共に、ロールプレイで学ばせたい時には、対面研修が必要であった。
(感想)
おそらく、ロールプレイで何を学ばせたいのかで、変わってくるのだと思いました。相手とその場で一緒にいないとできない動作は対面研修でのロールプレイでないといけないが、そうでない場面ではオンラインでのロールプレイも機能すると感じています。
例えば、セールストークをお互いに役割を決めて話すロールプレイや部下との1on1の練習をオンラインでロールプレイをするなどは十分に可能です。
今後、オンライン商談やオンライン1on1は普通になってくるので、オンラインで行っているものをロールプレイにして練習する動きは、より活発になってくると思いました。
今回も貴重な論文を紹介いただきありがとうございました!
講師ビジョン島村
(島村さん、こちらこそいつもありがとうございます!)

投稿者:関根雅泰

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