「組織開発」本

企業内教育担当者向け

12月に読んだ「組織開発」に関する文献

(・引用 ○関根の独り言)
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『入門 組織開発 活き活きと働ける職場をつくる』 中村和彦 2015
・現代の日本企業が抱える問題は、今の50代以上の上司の入社時が、
 30年以上も前で、上意下達で育ってきた世代だということ。
 つまり、上司の世代には、X理論のマネジメント観をもつ人たちが多い。
○う~ん、確かにそうかも・・・
・現代は、関係性に対するマネジメントを何もしなければ、
 自然と個業化に向かっていく。
・組織開発はアメリカで誕生して発達した。組織開発が必要とされたのは
 アメリカが他民族国家であり、人種、民族、言語等において、異なる
 人々がともに働くことの難しさを抱えていたから。
・ODが働きかけるレベル
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・日本企業における現代的課題の殆どは、このプロセスロスにあてはまる。
 仕事に対するやる気、仕事の意味の腹落ち感、個業化による協働
 作業の減少、多様性の増大による協働の難しさなど。
・OD実践者として、チェンジエージェントとして、「プロセスに気づく力」
 が最も重要であり、そのための自己成長が大切。
・ODの手法のタイプ分け
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・グループ間の対立や葛藤は、相手に対する不信感や不満から生まれる。
 そのような関係を改善するには、お互いの見方を共有して誤解に気づく
 こと、共通の目標を見出して、部分最適から全体最適を目指すこと。
○地域での活動も一緒かも。
・社会構成主義を分かりやすく表す表現として
 「言葉が世界を創る Words create world」がある。
・「何を問いかけていくか」という質問の仕方がカギ。
・経営層の人間観(マネジメント観)は、組織の人間的側面に強く影響。
 組織開発は、人間尊重と民主的な価値観やY理論のマネジメント観が
 ベースになっている。
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『組織開発の基本』 L.ヘインバーグ著 川口大輔訳 2012
・ODの仕事の本質は、目的をもったシステム的な業務を行うことで、
 人々とビジネスのプロセスが上手く機能するよう支援すること。
・変革とトランジションは同じではない。
 変革は、人々を取り巻く状況が変わること。
 トランジション(移行)は、変革に対して人々が折り合いをつけていく
 内的プロセス。
○これ分かりやすいな~。
・コンサルティングとは、ビジネス上の何らかの側面を高めることを目的に
 客観的な第三者として取り組むシンプルなプロセス。
・コンサルティングのコアとなるもの:
 パートナー重視、有能さ、カタリスト(触媒)
・ファシリテーターによる質問の例:
 なぜ~でしょうか?
 どのように、~すべきでしょうか?
 誰を巻き込むべきでしょうか?
 いつまでに必要でしょうか?
 「人」「テクノロジー」「プロセス」「製品」の観点では、どうでしょうか?
 どのような障壁がありますか?
 その他のアプローチはありますか?
 競合は何をするでしょうか?
 カスタマーは何を望んでいるでしょうか?
 私たちは何を知る必要があるでしょうか?
 私たちのゴールは何でしょうか?
 どこで抵抗に遭うでしょうか?
 私たちは何を期待しているのでしょうか?
 何にフォーカスすべきでしょうか?
 何が上手くいっていて、何が上手くいっていないのでしょうか?
 もし制約がなかったとしたら、何を行うでしょうか?
○これいい質問だな~。普段使っているのもあれば、使えてないのもある。
・クライアントがゴールを実現するためには「コーチングを受ける状態」を
 高めることが必要。
 優れたマネジャーは、全般的にコーチングを受ける状態が高い。
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・即興によるコーチングは、組織に多くの価値を生み出すことができるが、
 そのためには自身が「近づきやすい存在」であるべき。
・組織開発の背景にある世界観・哲学
 1)計画的・機械論的世界観
 2)生成的・生命体的世界観
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組織開発のアイデンティティ・ロスト:
「組織開発の開発」という屋上屋現象を手がかりに
 神戸大学 貴島耕平他 2014
http://ci.nii.ac.jp/naid/110009832616
・組織開発論者にとって重大な問題は、犠牲にされた理論的厳密性よりも
 実際に組織開発が想定された通りの成果を上げられていないという、その
 実務的有用性への批判を受けてきたことにある(Bradford & Burke,2004)
・実務的有用性への批判に応じるための「組織開発の開発」は、
 組織開発そのものを見失わせる屋上屋を架す(Gritting refined gold)
 現象だったのである。
・組織開発と組織変革の区別は、人間主義的価値観の有無(中村2010)
・実務家は、人間主義的価値観を過去のものとし、業績という成果に
 結びつく有効性を組織開発に求め始めた(Church et al.,1994)
・組織開発の技法が、直接的に組織の生産性や効率性を向上させること
 は、神話の一部である(Marguiles, 1971)
・研究者の関心に、実務家が重視する客観的な組織成果(業績や生産性)
 が含まれていない(Bass, 1983)
・組織開発自らを有用せしめる手法の開発のために、様々な学問領域
 (管理会計、戦略的人的資源管理論)を取り入れていった。
 この現象を、組織開発の開発と呼称する。
・組織開発の開発における領域としての広がりは、組織開発のアイデンティティ
 の希薄化を招いた。
・日本では、1970年代までは組織開発が盛んであったが、それはQCサークル
 や人材育成という部分的導入にすぎなかった。
・本稿では、訪米調査団17名に対するインタビュー調査を実施し、
 KJ法で分析した。
・実際に実務家が採ろうと思索する方法は、人間主義的価値に必ずしも
 適合しないもの(トップダウン方式、単発事例の事実化)であった。
・組織開発を駆動させるためには、人間主義的価値に依らない方法を
 取らざるを得ない。
・実務家は、組織開発を科学性をもつものと捉え、組織開発が実務上の
 課題を解決するであろうと考えていた。
・組織開発の開発も、利用しうる価値の多様化と言える。
・様々な価値を利用した多様な手法への広がりこそ、組織開発の
 アイデンティティとして言えよう。
○何でも包み込む幅広さこそ、組織開発ってことかな。
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The Myth and Magic in Organization Development
 N. Margulies 1971
・ODは、科学と言うより、Artであるが、更に
 Artというより、魔法でスピリチュアルなものといったほうがよい。
・ODコンサルタントは、シャーマンのように、儀式を行っている。
・クライアントとコンサルタントとの関係性により、2つの魔法:
 1)プラシーボ効果 2)教義の遵守 が起こっている。
・ODの神話:
 1)ODは学問分野
 2)研究不可能な変数
 3)ODは新しい (古くからある手法に新しい名前をつけただけ)
 4)効果の増大 
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HRDとOD
 東京大学 中原淳 2015
 http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2015/04/pdf/048-049.pdf
・人的資源開発HRDは、工場労働者の確保がその起源にあり、
 介入対象は、「個人」であった。
・その後、HRDは介入内容と介入対象において、概念拡張を起こした。
・現在、HRDの下位構成要素として「教育訓練T&D」「組織開発OD」
 「キャリア開発CD」が位置づけられる傾向にある。
・組織開発は、近年グローバル化の影響によって、ダイバーシティが日々
 高まっている日本企業においても再評価がはじまっている。
・組織開発の2カテゴリー:
 1)診断型OD 2)対話型OD
・組織が変わるといっても結局変わるのは「個人」ないしは「個々人の関係」
・組織開発と人的資源開発を明瞭に切り離すことは難しい。
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組織開発(OD) における介入手法の日米比較
 一外部コンサルティング会社が用いる介入方法の違い一
 中村 和彦 2006?
http://ci.nii.ac.jp/els/110006209467.pdf?id=ART0008230534&type=pdf&lang=en&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1451790134&cp=
・日米の外部コンサルティング会社35社+35社のウェブページを基に分析。
・日本では「人間関係のプロセスへの介入」が米国に比べて少ない。
・日本では「人間関係のプロセスへの介入」をする際に「トレーニング」を
 用いることが多い。それ以外の手法を身につける機会が少ないためか。
・今後、日本においても「人間関係のプロセスへの介入」の重要性が増して
 くると思われる。
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投稿者:関根雅泰

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