『Transferring Learning to Behavior:
  Using the Four Levels to Improve Performance』
  D.Kirkpatrick & J.Kirkpatrick(2005)
 
 ○カークパトリック親子の本。
   研修転移には、役員の関与がカギ。
   4つのレベルとBSCをつなげる。
  
 
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 (・要約 ○関根の独り言)
 ・実は父の業績にはあまり興味がなかったのだが、1998年に父がクライアント
  先で話すのを聞いて、改めていかに「4つのレベル」のシンプルで実践的か
  を実感した。
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 PartI The Four Level’s Biggest Challenge
 ・レベル1と2は、我々のコントロール下にある。
  レベル3と4に対しては、影響を与えることしかできない。
 (以下、親父の文章)
 ・1959年にASTDに書いた4つの記事が「カークパトリックモデル」として
  知られるようになった。
 ・これらの記事に基づく本を、1994年に出した。
 ・息子から「1959年当時から、カークパトリックモデルに変化は?」と
  聞かれたが、本質的には変わっていない。
 ・研修参加者は「顧客」である。彼らの反応は重要だ。
 ・レベル3は、測定が最も難しい。
 ・レベル4の結果には、離職率の低減、生産性向上、品質向上、無駄削減、
  無駄な時間の削減、売上増加、費用削減、利益増加、ROIが含まれる。
 (ここから先は、すべて息子の文章)
 ・研修参加者は、我々が教えた通りに、現場で適用してくれるか?
  
  我々はコントロールを失い、影響に頼らざるを得ない。
 ・レベル2から3に移すことが、本当に重要な挑戦なのだ。
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 PartII Foundations for Success
 ・私(息子)がいたFirst Indiana Bankは、
  戦略に焦点が当てられていなかった。
 ・研修ベンダーが提供するモデルで、上手くいくのは、基盤と手法が、
  非常にシンプルなもののみである。
 ・私は、HR担当として、以前のTQMでの失敗を繰り返したくなかった。
  今回、BSCの展開を図る際に、私の上司や役員たちを絡ませることを重視した。
 ・役員たちに、BSCの課題図書を読ませ、質問中心のワークショップを実施。
 ・戦略的思考を促すような質問をする。4つのレベルに関して教育し、
  レベル2から3に転移させる重要性を訴える。
 ・ストッパーは、役員たちである。彼らのコミットメントを得ることがカギ。
 ・役員達を関与させることが、彼らのコミットメントと理解を生む。
 ・父の書いた本『Managing Change Effectively』の7ステップを参考に
  自社での変革を進めた。
 ・父は、変革の成功においては「共感、コミュニケーション、参加」がカギ
  だとした。
 ・Balanced Scorecardでは、4つのカテゴリーを見る:
  Financial/Production、Customer、Internal Systems、Learning and Growth
 ・4つのカテゴリーの下から上にあがっていく。
 ・BSCを「4つのレベル」と結び付ける。
 ○これ面白い!言われてみればそうかも。
  BSCの一番下「学習と成長」が先行指標となり、
  遅行指標である「財務指標」につながってくる。
  まさに、レベル1からレベル4「成果」への流れ!
 ・「学習と成長」=レベル1、レベル2、レベル3
  「内部システム」=レベル3
  「顧客」=レベル3
  「財務」=レベル4
 ・レベル3での成功は、レベル1と2での成功にかかっている。
  適切な学習が起こっていなければ、行動変化は起こらない。
 ・レベル1と2を高める工夫(例:成人学習理論に基づいた研修内容)が必要。
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 PartIII Solutions to the Challenge
 ・Support支援とAccountability説明のバランスがカギ。
 ・研修受講者は、3つのカテゴリーに分けられる:
  Reachers (受講後、現場で)自らやってくれる人
  Responders 言えばやってくれる人
  Resisters 抵抗する人
 ・Supportには
  「従業員に興味をもっていることを示す」
  「ベストプラクティスの提示」「フォローアップ」
  「新しい行動を評価し報償を与える」等が含まれる。
 ・Resisterには、Supportだけでは足りない。Accountabilityが必要。
 ・Accountability やると言ったことをやる 
 ・BSCや顧客サーベイ調査で評価。
 ・Feedback loop 研修受講者、マネジャー、HR間のやりとり
  Business relationships HRと役員たちとの関係 
  この2つが、全てをつなげる接着剤となる
 ・Appraisal 考課面談の仕方を研修で教える
  1)部下に何を期待しているかを明確にする
  2)インタビューを行う (50対50ぐらいで会話できるよう)
  3)パフォーマンス向上計画を作る
  4)コーチング(指導)計画を作る
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 PartIV Best Practices Case Studies
 ・「前線でのリーダーシップ研修」の転移が成功した理由:
  1)明確な目標
  2)利害関係者の高い関与
  3)仕事環境との関連性
 ・学習を行動に転移させる際の失敗10個:
  一番の失敗は、役員たちの関与を得ていないこと。
 ○企業内のHR担当として、Jimさんは色々苦労してきたんだろうなー。
  上(役員)を関与させることで、研修転移を実践していく。
  組織内だったら、確かにそうなるかも。
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 ○個人的に、この本で得られた最大の気づきは
  「4つのレベル」と「BSC」をつなげるという考え方。
  BSC、もっと勉強しよう! 研修効果測定の大きなヒントとなるかも。
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 参考:BSC関連本
  https://www.learn-well.com/blog/2015/03/bsc.html
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