『Complete Training』

企業内教育担当者向け

『Complete Training:From Recruitment to Retirement』
R.Hoyle (2013)

○研修前後と、組織の入退社という
 研修に関する全体に目配りしようとした本。

(・要約 ○関根の独り言)

0. Introduction
・変化こそが、学習、研修、発達の中心である。
・行動の変化には時間がかかる。
・すべての事に訓練は不要。
 「見つけ、使って、忘れる」というモデルもある。
・研修業界にいる人間が使い勝ちなジャーゴン(専門用語)で、
 信頼を失うこともある。
○確かにそうだよなー。
 隔離された狭い業界の中で、カタカナ言葉を使い勝ち。
 特に、現場(ライン)では「で?」というものも多いかも。

1. Employee life cycles
・L&D 学習と発達に関するチームの仕事:
 人々が違うようにやることと、違うことをやることを支援する。
 enable people to do things differently
and to do different things.
○これ分かりやすくていいなー。この定義に出会えただけでも、
 この本を読んだ価値はあるかも。
・研修の観点から重要と考えられる5つのステージ:
 1)新規採用者
 2)新マネジャー
 3)リーダー
 4)専門家
 5)定年者

2. The starting point
・Training研修は、既存の役割を満たすために
 必要な知識とスキルの付与
 Development開発は、未来の役割のため
・Learning objectives と Learning outcomesは、同じ。
・TNA Training Needs Analysisで、Competence frameworkを
 使おうとすると間違いが発生し始める。
 コンサルタントが人事向けに作ったコンピテンシーは、
 現場のラインマネジャーには評判が悪い。
・測定できる目標は、具体的な動詞で表現されるもの。
・Learning Pyramidは、E.Dale(1957)によって示されたものだが
 単なる図示モデルであり、数値は入っていなかった?
・L&Dの悪いところは、半分ぐらいしか読んでないのに、
 わかったつもりになるところだ。
・ワークショップに参加しなくてもいいぐらいにしてもよいかも。
 L&Dは、ワークショップへの参加が必須と考える文化があるが。

3. Workshops
・欧州では、研修を日数で数えるが、研修費用が高い米国では、
 時間で計算している。
・真の意味での研修コストには、その場所集まってきている
 受講者の給料が含まれる。
・なぜ人々を研修室に集めるのか?
 一箇所で、共通の目的を持った集団がいる時に、
 ワークショップは行われる。
・そのような場においては、知識よりもスキルの付与が望ましい。
・N.Burch(1970s)Competence Ladder
・効果とは、正しいことをすること。
 効率とは、正しく行うこと。
・教えることはできないが、参加者が学ぶ環境を作ることはできる
○これいい言葉だなー。
・フィードバックこそが、研修講師に求められるスキル。
・受講者よりも、参加者という言葉を使うほうが、
 双方向の研修を予感させる。
・Unlearn:既存の知識とスキルの修正
・Guided discovery
・大きな違いをもたらす小さな2~3のことを明示するのが、
 講師の役割。
○そうだよなー。これこそが研修中に講師が提供できる価値。
・専門家にとっての教育とは、ほかの人に教える機会を作ること。
 その際は、参加者に専門家への質問を考えさせ、それに答える
 機会を作ること。
○これ面白いなー。SMEがかかわる研修に使えそう。

4. Follow-up activities and on-the-job/informal learning
・Pre workshop activites 研修前の活動として、ライン
 マネジャーが、下記を伝えるとよい。
 1)研修に参加する部下への期待
 2)研修に投資する目的
 3)研修後のフォローアップ活動
・最適な Post-workshop activities 研修後の活動は;
 1)Real 現実的
 2)事前に合意
 3)個人でできる
 4)短期間である程度の成果が出せるもの
・効果的なラインマネジャーの関与を得るために:
 1)コミットメントを文書でもらう
 2)マネジャーに期待することを伝える
 3)マネジャーに対するコーチの役割を果たす
○3)の活動は今まで足りてなかったかも。
 指導員だけでなく、その上司に対する支援。
・リーダーに対しては同じ立場にあるもの同士での
 Peer-to-peer coachingが有効。

5. Can all the tools work together?
・「70:20:10」は良く使われるが、実際にこのように人が
 学ぶのかの分析はなされていない。
・「70:20:10」の概念は、CCLのM.McCallらによって提唱。
 (2010の資料に詳細)
・70:20:10を実現するには、綿密な計画が必要。
・KolbやHoney & Mumfordの「学習スタイル」は、人々から科学的
 に認められたものだと思われている。
 D.Willinghamは、学習スタイルを「Nonsense」と談じている。
・「Now what?」というReflectionに答える4つ:
 1)はじめること 2)やめること
 3)たくさんやること 4)少なくやること
○ブルーオーシャン戦略と似た枠組みかな。

6. Technology: What works and what doesn’t
・PowerPointは、最も使われていて、最もダメな技術。
・PPTを使うなら
 1)複数枚示した後「まとめ」のスライド
 2)時折「質問やコメント」のスライド
 3)「思い出せる」スライド を入れるべき
・20分を一単位に、学習をChunk塊に分ける。
・SNSにより、人々が自分の知識を共有したくなるというのは、
 単なる神話である。
・Wikipediaは信頼できる情報源とはいえない。
・Information seeking情報探索は、学習と同じではない。

7. Knowledge management and performance management
・「失敗は成功の鍵:すべての失敗は何かを教えてくれる」
  植芝盛平翁
○合気道の創始者の言葉が引用されている。なんか嬉しい。
・L&Dの新たな役割に、Curatorがある。
・QCは、Situated learning 状況学習と
 アクションラーニングの組み合わせ。

8. What gets measured gets done
・D.Kirkpatrickのモデルは、1990年代半ばに広まった。
・レベル4のImpactとして組織に影響するのは4つのみ:
 1)質 2)量 3)コスト 4)時間
・戦略が浸透しない理由として:
 1)不明確さ 2)現場とのつながりがない 
 3)戦略策定の初期段階からL&Dがからんでいない がある
・HR役員は、営業、財務役員より下に見られやすい。
 Performance directorを目指すべき。

9. Growing your own talent and succession plannning
・大学で学んだことは、職業に直接的に適応しにくくなっている
・イギリスのHR専門家50名に対する調査では、採用基準として
 1)同じような役割での経験
 2)組織フィット
 3)組織と仕事に対する熱意
 4)資格
・大学からの新規採用者に今後もっとも必要なスキルは、
 Ability to learnである。
・日本では、構造的なキャリアパスとして、上に上がるという
 よりも、中をまわすような動きがとられる。
○日本でのローテーション。
・将来必要となるスキル:
 1)情報探索者
 2)自立した学習者
 3)探究心
・Internshipの代わりに、既存社員が組織の外に出る
 Externshipを薦めたい。
・「時間がたくさんあるように見える」Peak performerたちは、
 1)早く正しく物事を行っている
 2)人に教えることで、2回学んでいる
 3)チームとして他者を支援している
   (「弱い鎖の部分が、その鎖全体の強さを決める」)
○なるほどねー
 
 忙しい中、いろいろやっててすごいなー、と思える人は、
 確かにこういうことをやっているかも。

10. The strategy checklist
・「戦略の本質は、何をしないかを選ぶこと」
  M.Porter
・L&Dの戦略を
 1)どこからはじめて(現在地)
 2)どこを目指して
 3)何がユニークな能力で
 4)何をするか
 5)誰に対して
 6)どのようにやって
 7)どう実行し
 8)どう外部能力を活用するか を考える

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投稿者:関根雅泰

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