「リフレクションの理論と実践」

企業内教育担当者向け

2014年10月15日に中原先生達が行われたUstreamの様子です。
http://www.nakahara-lab.net/blog/2014/10/post_2288.html
(司会進行は、青山学院大学・坂田先生)

(・先生方の発言要旨 ○関根の独り言)

●村井先生 「リフレクション(省察)概念の検討
          ~教育的タクトとの関連において」
・リフレクションの時間制:
 1)予期 
 2)行為の中の省察 Reflection in action
 3)行為の後の省察 Reflection on action
・中の省察には、2つ:
 1)直観としてのリフレクション
 2)言語によるリフレクション
・Van Maanen 現象学的教育学者 ユトレヒト学派
  によるSchonへの批判
・「行為の中の省察」をしなければならないと、
 教育実習生には大きなプレッシャー。
 ただ「行為の中の省察」を行うと「心ここにあらず」の状態になる。
 生徒はそうなると不安になり、教師に対する信頼感をなくす。
・ベテラン教師は「行為の中の省察」をやっているかもしれない。
 それは様々な状況に適切に対応する「教育的タクト」と言える。
 教育では実践の流れの自然さを損なわないことが大事。
 教育的タクトは、リフレクションの後に身につく知であり、
 そのためにも「行為の後の省察」が重要では。

●中田先生 「教師教育とリフレクション実践」
・専門家としての発達は「中から外へ」「外から中へ」
 
 外から中へ 自分を見つめなおすことが大事では。
・学校で機能させたい2つのリフレクション場面:
 1)日頃の先生同士の関わり
 2)授業研究
・ベテランの経験をいかに伝えていくかということと
 若手が経験したことをいかに引っ張り出すかが重要。
・ベテラン教師は伝えることが得意。更に引き出す能力が増せば。
・コルトハーヘン「ALACTモデル」
 特に2番目のLooking back on the actionが大事。
いかにふり返らせるか。
・8つの窓
 1)私は何を考えていたのか
 2)私はどう感じたのか
 3)私は何をしたかったのか
 4)私は何をしたのか
 5)子供は何を考えていたのか
 6)子供はどう感じたのか
 7)子供は何をしたかったのか
 8)子供は何をしたのか
・学校現場では、ゆっくりリフレクションしている時間がない。
・学校で既に行われている授業研究には、対話を通じた教師の協同的
 な省察を内包している。
・授業の事実をいかに「対話」の中心にもってくるか。
 実在的なリフレクションの実施。

●鈴木先生 「看護教育とリフレクション実践~理論と実践をつなぐ」
・状況との対話:行為の中のリフレクション
 自己との対話:行為についてのリフレクション
・看護のリフレクションは比較的新しい。2001年から。
・Gibbs(1988)のリフレクティブサイクルが良く使われる。
 ステージ1~6
・自己のふり返りを深くするために、適切な支援者が必要となる。

●中原先生 「人材開発とリフレクション」
・リフレクションは、経験学習と共に普及
・リフレクションを新たに展開するのではなく
 現場に既にあるものに、リフレクションを入れていく。
・ALACTモデルは、ほとんど知られていない。
 Kolbのモデルは良く知られている。
・ショーンのプロフェショナル論は実践概念としては取り扱いにくい。
 暗黙知とも似ている。語り得ない。
 言語化できないものを言語化しようとする難しさ。
・研修の転移研究でも、脱・導管型教育の文脈でリフレクションが
 語られている。
・いろんな言説と共振して、リフレクションが語られている。
・個人がリフレクションするだけでなく、組織レベルで行う
 リフレクション≒OD
・リフレクションは、組織論として語られている。
・組織開発(OD)
 人が集まっても組織としてWorkしない集団を対象にした技術
 1)見える化する仕掛け サーベイフィードバック
 2)集団のあり方を皆で対話、内省し変革につなげる
・コルトハーヘンさん 研究、実践しつつ参加者とも対話
・企業のリアルな課題に根ざしたリフレクションのあり方は?

●「リフレクションナイト」の松本さん、小田川さん
・「みんなの作戦タイム」
 立ち止まってしっかり作戦タイムとろうよ!
 それがリフレクションナイト。
・未来の喜びにつなげよう。
 そうでないとリフレクションする意味がない。
○いいな~。「未来に向けての作戦タイム」という言葉。
 確かにそうだよな~。
 作戦タイムだと短期的な印象があるから、
 長期的な未来に向けて立ち止まって考える機会は、
 別の言葉もいいのかも。
・1年続いている。2~30人集まる。企業の人事担当。
・土着のリフレクション。地に足のついたリフレクションが重要では。

●プレゼン後の意見交換
・過去を振り返り、未来を作る。それがリフレクションの意義では。
・なんでか上手くいっちゃったという事例をリフレクションすると、
 大きな自信につながる。
・「改善」は、反省的になりがち。
・リフレクションで、何かの概念を置換すると考えないほうがよい。
 トレードオフではない。
 例)これからの研修は、知識付与ではなく、リフレクションだ!
・反省はきっかけで、その先の学びが必要。
・「行為の後の省察」をすることで「行為の中の省察」が育つという
 ロジックはつながっているのか?
・ロジックでつなげようとすると難しく、実践していくしかない?
・リフレクションを促していく側の資質は?
・教師経験により説明する力はつくが、引っ張り出す力には他の経験も
 必要かも。
・本人がリフレクションで救われた経験を持っていることも大事では。
・タイミングや問いのたて方が重要では。
○相手のリフレクションを促すには?
 リフレクションを他者から促されることを嫌がる人もいるかも。
 (少なくとも俺はそうかも)
 であれば、
 -「この人だったらいいかな」と思われる信頼感
 -「この場だったらいいかな」と思われる場所と時間、雰囲気
 -「こういうことなら考えてもいいかな」と思われる価値ある問い
 とかは必要かも。
 仮に、これらがリフレクションを始めるきっかけだとしたら、
 リフレクションが始まったら、
 -相手がこちらの話を聞いてくれる
 -言葉にして話しているうちに、自分の頭の中が整理されたり、
   自身が納得したりする
 -相手からの質問や意見で、別の観点で考えたり、思考を深めたりできる
 といった相手との対話が大事になりそう。
 相手と話し終わった後、
 -時間をおいて、再度自分でふり返る機会がある
   (文章を書いたり、別の人に語ったり)
 -他の人から意見をもらう
 といったことがあれば、さらにリフレクションが促されるのでは。
 そう考えると、
  
  ①リフレクションに入る前のきっかけ
  ②リフレクションを促し、考えを深めていくやりとり
  ③リフレクションしたことを、さらにリフレクションする事後の機会
 が大事なのかも。

●出演者の感想
・リフレクションを超える概念を考えてもよいのでは。
・業界に横串を通して、リフレクションについて語ってきた。
 ある程度共通点があるのでは。
・遠隔地をつないだリフレクションも可能では。
・リフレクションを守る。時間や人。

●後日のブログ
 「リフレクションナイト」の松本さん
  http://ameblo.jp/reflectionight/entry-11941216095.html
===
11月1日~2日のコルトハーヘン先生来日ワークショップに向けて、
 http://www.nakahara-lab.net/blog/2014/06/post_2240.html
今、リフレクションについて集中的に勉強しています。
①Reflection研究会 9月19日開催
  https://www.learn-well.com/blog/2014/09/reflectionpart1.html
②Critical Reflection研究会 11月25日開催 (10月14日開催が台風で延期)
③Reflection関連の本
  
 J.デューイ:https://www.learn-well.com/blog/2014/09/j_2.html
 D.ショーン:https://www.learn-well.com/blog/2014/09/_the_reflective_practioner.html
 J.メジロー:https://www.learn-well.com/blog/2014/10/learning_as_transformation.html
 F.コルトハーヘン https://www.learn-well.com/blog/2014/11/post_426.html
 各種論文:
===
11月1日~2日、コルトハーヘン先生のワークショップは、
未来に向けて考える良い作戦タイムにしたいと思います。

投稿者:関根雅泰

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