AOM 4日目 「Socialization &Training」

AOM 2014 参加報告

2014年8月4日(月)AOM 4日目。
この日は、興味あるセッションが目白押しです。
聞きに行く予定の発表文献は、全て読み込んできました。
また、昨年知り合ったフランス人研究者 Lucasとの昼食も
予定に入れています。
楽しみです。

(・文献の要約 -セッションでの発言 ○関根の独り言)
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◎Employee Socialization 従業員の社会化
 Program Session #: 941
 Monday, Aug 4 2014 9:45AM – 11:15AM
 at Philadelphia Marriott Downtown in Room 413
●New Employee Socialization: The Roles of Social Networks
 Author:Yongjun Choi; U. of Minnesota 
・どのように新人が、insiders内部者との関係を築いていくか、
 あまりわかっていない
・本研究では、新人の社会化にSocial networks社会的ネットワークが、
 どのような役割を果たすのか、Speedの観点も入れて探索する。
・制度的社会化戦術により、内部者との接点機会が増える。
・「Matthew Effect」金持ちはより金持ちに。貧乏人はより貧乏に。
・初期段階で制度的社会化戦術が用いられると、
 新人のネットワークが早く、広がりやすい。(規模、立場、幅、強さ)
・人との接点が必要な仕事についている新人のほうが、
 ネットワークが早く、広がりやすい。
・Proactive personality 能動的人格をもつ新人は、
 ネットワークが早く、広がりやすい。
・Social integration 社会的統合がされている新人は、離職しにくい。
・入社後28週間において、3回の縦断的調査を実施。206名が全3回に回答。
・結果、線形な変化は認められなかった。線形以外の変化の可能性。
・本研究では、組織社会化戦術が、新人のコミュニケーションネットワーク
 構築に関係していなかった。何かほかの要因があるはず。
○ちょっと残念な結果。感覚的にはありそうな仮説が支持されなかった。
 何でだろう?
-Task interdependence 相互依存的な仕事が、ネットワーク構築に影響。
 上記仕事には2種類ある:
 1)Initiate 自分から
 2)Receive? 受け身で、周囲から依頼される
 Receive? な相互依存的な仕事をしている新人のほうが、
 ネットワークを築きやすい。
-会社は、新人に、Receive? な相互依存的な仕事を与えるべき。
○面白い! やっぱり聞きにきて良かった。
 
●Adapt to survive: Individual differences affect
 performance trends during organizational entry
 Author: David Glerum; U. of Central Florida;
 Author: Dana Joseph; U. of Central Florida;
 Author: Jeremy Beus; Louisiana State U.;
 Author: Steven Jarrett; Select International, Inc.
(文献無し)
-社会化には2つのPhases段階がある(Murphy 1989)?
 1)Transition ←Abilityが重要
 2)Maintenance ←Conscientiousnessが重要
●Employee Strategic Alignment:
 Aligning Newcomers with the Organizational Strategic Priorities
 Author: Annelies De Vuyst; Ghent U.;
 Author: Sebastian Desmidt; Ghent U.;
 Author: Alex Vanderstraeten; Ghent U.
・複数の情報源のどれが、従業員の戦略alignment連携?に有効なのかを
 明らかにする。
・組織社会化が、従業員戦略連携の先行要因となりうるのでは。
・253名のベルギーの大学を卒業し、組織に入った新人のデータを使用。
・結果、情報探索行動が、従業員戦略連携に最も強い正の効果を示した。
 同僚は、戦略連携に負の効果。戦略連携が、役割明確化に正の効果。
・戦略連携に関していえば、新人は公式のオリエンテーションと同僚を、
 有効な情報源として認めてはいなかった。
○新人が自ら戦略に関する情報を探索する?かな?
 なんで、そういう行動をとるのかな。
 特に、同僚がネガティブな影響を与える中、それに染まって、
 流される方がありやすいけど。
-Strategic managementは、マクロからミクロへ。
 従業員への影響を見るようになってきている。
-情報探索と直属上司が、正の効果
-同僚が負の効果を示したのは、おそらく会社とは違った
 戦略の受け止め方を示すからだろう
-戦略連携が、役割明確化に正の効果を示した。
●Making Use of Organizational Insiders’ Resources:
 An Interactive Model of Newcomer Socialization
 Author: Yukun Liu; National U. of Singapore;
 Author: Zhen Wang; Central U. of Finance and Economics;
・組織内部者が社会化に果たす役割はあまりわかっていない。
・内部者が新人に対してどのような価値観を持っているかを
 Resource based 資源という枠組みを使って検討する。
・これまでの研究では、内部者を一塊のものとして見てきた。
 今後は、内部者の特徴により焦点を当てるべき。
・組織社会化のプロセスは、新人が内部者の資源にアクセスし、それを
 使用する過程とも考えられる。
・資源には3つ:
 1)Human capital 知識
 2)Social capital 人脈
 3)Psychological capital 自己効力感、楽観的、希望、柔軟性を持つ人
・新人が最も高頻度で関わる内部者(上司、メンター、同僚)が重要。
 彼らがどの程度の資源を持っているかが新人の学習と同化に影響。
・本稿では、組織社会化戦術の研究をレビューし、資源ベースの枠組みでの
 研究を提唱した。
・本稿のモデルを、実証研究として使ってほしい。
○会社の先輩たちが持つ資源により、新人の成長に差は出るだろう。
 知識豊富で、人脈もあり、精神的に大人な先輩社員の下についたら
 新人は伸びる。
===
4つの文献発表が終わった後、ChairのDr.Davisのまとめがありました。
-これまでの社会化研究は、Eventを見てきた。
 今回の発表では、社会化を、Dynamic processとして見ている。
-従業員全員が、Proactiveという前提はどんなものか。
-How much power does organization have to socialize newcomers?
How much control?
 企業がどれだけ新人の社会化をコントロールできるのか?
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◎Career Transition and Identity キャリア移行とアイデンティティ
 Program Session #: 914
 Monday, Aug 4 2014 9:45AM – 11:15AM
 at Philadelphia Marriott Downtown in Room 408
 (セッションには参加せず)
●I still feel kind of temporary about myself:
  Liminality in Cruise Ship Work
 Author: John Blenkinsopp; U. of Hull;
 Author: Imke Matuszewski; U. of Teesside
・人生の移行期における3つの段階:
 1)Separation 分離
 2)Transition 移行
 3)Incorporation 結合? (van Gennep,1960)
・通過儀礼において、人々は、Liminality 境界?を感じる。
 Turner(1969)は、Liminalityを、Betwixt and Between どっちつかず
 と表現した。
・本研究では、Cruise ships という全員が一時的に乗り組むという状況を
 取り上げる。
・同じ船に乗り組み、インタビュー調査と、下船後のメール調査を行った。
・乗員は、船での生活を、another world 別世界 と表現する。
・乗員同士の関係は非常に深くなるが、長くは続かない。
・性的関係を持つことや、酒をたくさん飲むという、
 地上ではアブノーマルと捉えられることも、船上ではノーマル。
・Normalizationが、船上と地上と2回起こる。サイクルプロセス。
○これ面白いなー。「娑婆に戻れなくなる」感じかな。
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11時までの「Employee Socialization」のセッションを聞いてから、
Lucas(フランス人)と、
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彼の研究仲間 Massimo(イタリア人)と昼食を共にしました。
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(「あとでもっとGood lookingな写真を送るから」と言われました。
 さすがイタリア男、伊達です。)
Massimoは、ネットワーク分析を専門としている研究者で、
スペインのIESEというビジネススクールで教えているそうです。
彼のネットワーク分析調査と、新人の組織社会化を組み合わせると
面白い研究ができそうなので、共同プロジェクトを検討することにしました。
どんなことをやろうと思っているのかは、おってこのブログでも
紹介できたらと思います。
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午後から、下記のセッションに参加します。
(すぐ下にある「Hazing and bullying~」は、Lucasの文献ですが、
 彼は奥さんの代わりに、連れてきていた赤ちゃんの面倒を見るというので
 この発表はキャンセルしてました。)
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◎Internal and External Reactions to Wrongdoing 悪事への反応
 Program Session #: 1179
 Monday, Aug 4 2014 1:15PM – 2:45PM
 at Loews Philadelphia Hotel in Commonwealth A2
●Hazing and bullying in the socialization context
 Author: Lucas Dufour; GSCM, Montpellier Business School
・本研究では、Hazing(しごき、いじめ)と、Bullying(いじめ)の
 違いに焦点を当てる。
・新人の統合には、それなりの時間がかかるため、受け入れ側社員と
 新人、双方にテンションとストレスがかかる。
・新人の加入は、グループのダイナミクス、パフォーマンス、
 グループ内の人間関係に影響を及ぼす場合、Disturbing 平穏を乱すものと
 して受け取られる(Choi & Levine, 2004)
・Peers同僚たちは、新人を歓迎する必要はなく、組織によっては、新人に
 対して、Hazingしごき、いじめを行う。
・Hazingは、教育分野で研究されてきた。マネジメント研究では、Hazingより
 Peer-bullying同僚によるいじめ という言葉を使うことが多い。
 しかし本研究では、この2つは違うものであることを議論したい。
・Hazingは、新人に対して行われる酷使、しごきである。
 これが行われる理由3つ:
 1)新人に対して支配権を示す
 2)新人がどれだけグループにコミットするかテストする
 3)新人のグループへの一体感の向上を図る
・「ストックホルム症候群」監禁された被害者が、犯人によるHazingを
 好意的にとらえる。
・Peer-bullying 同僚によるいじめは、新人に対する否定的な行動が、
 繰り返されている状態。
・Hazingは、すべての新人が対象になるのに対して、
 Peer-bullyingは、グループの規範を逸脱した特定の新人に対して行われる。
・Hazingを、Rite of passage通過儀礼としている組織もある
 (Josefowitz & Gadon, 1988)
・しかし、そこに上司の強いリーダーシップがない場合、Hazingがそのまま
 Peer-bullyingにつながるケースもある。
・低スキルの仕事をするブルーカラーのほうが、ホワイトカラーよりも、
 Hazingが起こりやすい。
・本研究では、HEY:High-school Educated Youthに対して、質的調査を
 行い、HazingとPeer-bullyingの違いについて明らかにする。
・どのような同僚の態度が、新人にとって、それをHazingと感じるのか、
 Peer-bullyingと感じるのか、Critical incidents methodを使用して調査。
・同僚が「新人という位置づけ」に対して行うのが、Hazing.
 「特定個人」に足して行うのが、Bullying。
・新人のPeer-bullyingを避ける対策として
 1)同僚の期待する行動をとる
 2)ある時点で、NOという態度を示す
 3)上司の助けを求める/求めない があった。
 Baillien et al.(2009)では、新人のBullingに対する戦術として4つ:
 1)忠誠
 2)無視
 3)反抗(意見を言う)
 4)離職 があるとした。
○先輩によるいじめや、からかいに対して、どこかの段階で
 「それ以上、いうな」といった態度をとらないと、なめられる。
 俺も、ガテン系の仕事をしていたとき、なめられたことがあった。
 その時は言い返せなかったから、無視という戦術をとったってことなんだろう。
 映画やドラマのように、毅然とした態度をとれたらいいけど、
 実際は躊躇するよなー。その人達とはその後もつきあい続けるわけだから。
===
◎Construct Development and Scale Validation of
 Organizational Measures 尺度開発
 Program Session #: 1132
 Monday, Aug 4 2014 1:15PM – 2:45PM
 at Philadelphia Marriott Downtown in Room 302
●Development and Validation of the Workplace Hazing Scale
 Author: Johnna Capitano; Drexel U.;
 Author: Mary Mawritz; Drexel U.;
 Author: Quinn W. Cunningham; Drexel U
・個人は20年間に、11.3回の天職を繰り返す。このような従業員の流動性が
 ある中で、組織社会化は、さらにその重要度を増している。
・本研究では、Workplace hazing 職場でのいじめ という非公式、意図的、
 短期的な組織社会化手法に焦点をあてる。
 Hazingでは、新人を辱め、馬鹿にし、地位を貶める。
・Hazingは、肯定的な結果、グループ内のつながりやコミットメント向上を
 もたらす(Ashforth & Humphrey, 1995)。
・Hazingには、新人の能力や信頼度合についてテストする機能もある
 (Cimino, 2013)
・Hazingは、Divestiture剥奪的戦術である。
・本研究では、Hazing行動を測定する尺度を開発した。
○前述したLucas DUFOURの研究は質的調査により、
 HazingとBullyingの違いを明確にした。
 本研究では、量的調査の参考になるHazingの尺度を開発。
 でも、こういうのを開発して、職場でのいじめを調査するって
 あんまりしたくないよなー。
-Hazingは、Anthoropologist人類学者が研究してきたテーマ
-組織社会化戦術におけるDivestiture剥奪的戦術が、Hazing。
●Ostracism in Team Socialization:
 Teaching Social Norms through Exclusion
 Author: Catherine Ott-Holland; Michigan State U
・今日の組織は、Team-basedであるが、社会化研究はグループではなく、
 上司-部下といった2者間を見ているものがほとんどである。
・グループでの社会化に関する理論(Moreland et al., 2001)では、
 Evaluation、Commitment、Role transitionというサイクルを回すと
 考えられている。
・Norm規範にはずれた新人の行動を修正するために、Ostracism追放、排除
 という行動が、グループにおいてとられる。
 本研究では、チームが新人の社会化を促すためにとるOstracism行動に
 焦点をあてる。
・新人がSocial normを逸脱している場合、Indirect intervention間接介入が
 行われ、Taskを逸脱している場合Direct intervention直接介入が行われる。
・Ostracismは、チーム内にSocial norm社会的規範が存在していることを
 知らしめる間接介入の手段である。
・Ostracismには、目を合わせない、意見を無視するといった行動がある。
・チームが物理的に近い距離にあるか、離れているかによって、
 Ostracismのあり方に違いが生まれる。
・チームがどのような種類のTaskに従事しているかも、Ostracismの
 表れ方に影響する。
・Ostracismに対する新人の反応は4つ:
 1)Tend and befriend 親しくなろうとする
 2)Fight 反抗する
 3)Flight 避ける
 4)Freeze 固まる (Williams, 2007)
 新人の反応にチームがどう反応するかは、今後の研究のテーマになりうる。
・Ostracismは、グループが現状維持を図るために、新人の逸脱行動を修正し、
 チーム内のつながりを強化する働きがある。
 しかし、Ostracismはチームのパフォーマンスに影響し、
 新人の離職を増やす傾向もある。
○チームから「仲間外れにされる」というのが、Ostracism追放行動。
 「目立つ新人」が、受け入れられるか、のけ者にされるか、
 入ったチームによるんだろうなー。
-Ostracismされるような新人は、鈍いから、
 自分がOstracismされていることに気づかないのでは。
 
 そういう新人は、次の段階としてHazingされるのかも。
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◎Our Own Worst Enemy: How We Harm and Help Ourselves 自身の最悪の敵
 Program Session #: 1254
 Monday, Aug 4 2014 3:00PM – 4:30PM
 at Philadelphia Marriott Downtown in Room 404
 (セッション参加は無し)
●Onboard with an Alcohol-Focused Work-Style?
 An Examination of Newcomer Emergent Behavior Patterns
 Author: Songqi Liu; Pennsylvania State U.;
 Author: Peter A. Bamberger; Tel Aviv U.;
 Author: Mo Wang; National Science Foundation;
 Author: Junqi Shi; Sun Yat-sen U.;
 Author: Samuel Bacharach; Cornell U.;
 Author: Robert Melloy; Pennsylvania State U.
・Supervisors上司だけではなく、Veteran peer group先輩集団が、
 新人のSensemaking意味付け に重要な役割を果たしている。
・本研究では、営業や顧客サービス業での接待飲酒における先輩集団の
 新人への影響について検証する。
・中国の2社で1年間にわたる縦断的調査を実施。新人147名、先輩183名
 第1波:新人、先輩
 第2波:3か月後 新人
 第3波:9か月後 新人
     6か月後 57名の上司が新人のPerfomanceを評価
・結果、新人の飲酒程度には「飲酒量が増える高いリスクカーブ群」と
 「飲酒量がほどほどの低いリスクカーブ群」に分かれた。
・Reichers(1987)とAshforth et al.(2007)は、新人にとって多くの学習が、
 境界越え(入社時)したときにおこるとした。
 本研究では、接待飲酒という職場での行動が、増えていったり、
 減っていったりする状況が見られた。
・高評価の従業員でも、リスキー(健康を害する)な職場行動がある場合、
 辞める可能性があることを、本研究は示唆した。
 ある種の職場規範の獲得は、離職を誘発するといえる。
・現場の上司任せのSensemakingやOJTは、新人の誤解釈を招く恐れがある。
 組織主導の社会化が、新人の健康や長期的な貢献に必要。
(2013年の発表内容
 The Dark Side of Socialization:
 A Longitudinal Investigation of Newcomer Alcohol Use
 http://amj.aom.org/content/early/2014/03/26/amj.2013.0239.short
https://www.learn-well.com/blog/2013/08/aom_4commitmentocb.html
○現場任せにしておくと、新人が望ましくない行動も真似してしまう。
 時には、人事主導であるべき姿を示す必要もある。
 日本企業で、現場任せにしていることで、
 新人に真似されてしまっている先輩社員の行動や職場規範は?
 長時間労働、就業後の飲酒・・・他にどんなのがあるかな。
 
===
◎The Effects of Voice and Proactivity on Motivation 
  モチベーションに対する能動性の効果
 Program Session #: 1244
 Monday, Aug 4 2014 3:00PM – 4:30PM
 at Philadelphia Marriott Downtown in Grand Ballroom Salon K
 (セッション参加は無し)
●What Makes Employees Proactive?
 Integration of Proactive Personality within Approach/Avoidance Model
 Author: Shereen Fatimah; Pennsylvania State U.;
 Author: Lance Ferris; Pennsylvania State U.
・Proactive 能動的な人材が、どんな行動をとるかはこれまでの研究で
 明らかにされている。
 
 しかし、何故そのような行動をとるのかは明らかにされていない。
・本研究では「Approach/Avoidance temperament」を分析の枠組みとして
 提示したい。
・Proactiveな従業員と、Reactiveな従業員。
・Approach/Avoidanceとは、楽しさを探究するか、苦痛を避けるかという
 人の傾向。
 これは、Personality traits 人の特性の根幹をなしている。
 Extraversion(外交的)な人は、Approach傾向をもつ
 Neuroticism( )な人は、Avoidance傾向を持つ。
・Proactiveな人は、Approach傾向をもつ。
・Study1で、上記仮説を実証。
・Proactiveな従業員は、上司から支援を受けやすく、自律も認められやすい
 という研究がある(Li et al, in press)。
 その反面、Proactiveな従業員は、上司や同僚から否定的なフィードバック
 や抵抗に出会うこともあるという研究もある(Frese & Fay, 2001)
・肯定的、否定的なフィードバックに、どのような反応をするか、
 Study2で実験。
 Proactiveが高い/低い Avoidanceが高い/低い による反応の違い。
○皆が皆、Proactiveな従業員なら、それはそれで大変そう。
 Reactiveな人が、先走りぎみなProactiveな人達を
 バックアップしてくれているのでは。
●Pathways to Training Transfer:
 Proactive Transfer Behaviour and Hope at Work
 Author: Ramon Wenzel; U. of Western Australia
・Hope希望が、Transfer motivation転移動機の先行要因。
・Transfer of training 研修転移と、Job performanceの相関は、.59
 (Colquit, LePine,&Noe,2000)
・本研究では、Hope at work職場での希望が、転移動機の認知的先行要因であり
 それが、proactive behaviours能動的行動を引き起こすと考える。
・研修動機と研修転移の間には、強い関係がある(p=.44)(Gegenfurtner,2011)
・転移動機には、3つある(Wenzel 2012):
 1)Can-do motivation できる!
 2)Reason-to motivation やる価値ある!
 3)Energised-to motivation やりたくなる!
・Hopeとは、目標に到達する道筋を明確にし、その道筋を辿ろうと思えること
 (Snyder 2002)(↑○かなり意訳)
・Proactive transfer behaviours 能動的転移行動には4つある:
 1)Envisioning どうやって適用するかイメージする
 2)Planning 具体的に計画する
 3)Enacting 実行する
 4)Reflecting 振り返る
・オーストラリアの研修会社が提供した研修プログラム参加者に調査を実施。
 148の研修コース参加者949名分のデータ。
・結果、転移動機が、研修転移を強く予測した(.84)
・もう一つ、オーストラリアの研修会社が提供した研修プログラム参加者に
 縦断的調査を実施。研修前、研修直後、研修最終日から4週間後(約40日?)
 94名が3回すべてに回答。
・結果、転移動機が、40日後の能動的転移行動に影響(.46)(.49の間違い?)
○図表に出て来る数字と、文献内の数字が違う。どっちかが間違い?
・Hopeが、転移動機に影響し、転移動機が、研修転移に影響する。
 能動的転移行動が、研修転移に影響する。この2つの仮説が実証された。
○研修を受けて「職場でできそう!」と希望を持てれば、実践してくれる
 ってことかな。
===
今回のAOM2014で、特に楽しみにしているセッション。
「Transfer of Training 研修の転移」に関する発表です。
===
◎Employee Training 従業員研修
 Program Session #: 1328
 Monday, Aug 4 2014 4:45PM – 6:15PM
 at Philadelphia Marriott Downtown in Room 411
●Formal training stimulates follow-up participation
 in informal learning: A three-wave study
 Author: Timothy Colin Bednall; U. of New South Wales;
 Author: Karin Sanders; U. of New South Wales
・Formal training 公式な研修をすることで、
 Informal learning 非公式な学習を促進することができる。
・公式な研修機会は、5種の非公式な学習活動に正の関係を示した。
・非公式な学習は、2つに分けられる:
 1)Conducted in private 一人で行われる
   (例:日々の活動のふり返り、最新情報に触れる)
 2)Collaborative learning activities 協調学習
   (例:他者からのフィードバックを得る、知識共有、革新行動)
・公式な研修が、非公式な学習のNudge(そっと肘でおす)となる。
・HRMにより、経営陣は自社の価値、期待、望ましい行動を伝える。
・オランダの6つの学校の教師たちに、3年にわたる縦断的調査を実施。
 339名がすべてに回答。
・結果、公式な研修が、5種類の非公式な学習すべてに正の関係を示した。
・その理由として、公式な研修があることで、その後の非公式な学習に
 参加する構造的な機会となっているのではないか。
 また、公式な研修に投資してくれるということは、継続的な学習に
 組織が価値を置いていることを示していると感じるからかもしれない。
・強いHRMは、革新行動を減少させた。
○これ面白い! 
 現場での学習活動が主で、それを引き起こし、継続させるきっかけとして、
 公式な研修を使うという発想ができるかも。
-HRM signaling effect
○本当にそれだけかな。他にもあるのでは。
-Informal learningが、90%。Formal trainingが、10%。
この発言が、聴講者から出てから、議論が盛り上がりました。
-70:20:10は、Validateされていない。
○70:20:10については、今後調べてみよう。
●The Impact of Environmental Factors on Transfer of Training Over Time
 Author: Kristina Bauer; U. of West Florida;
 Author: Stormy Z. Speaks; U. of West Florida;
 Author: William T. Howard; U. of West Florida;
 Author: Richard N. Landers; Old Dominion U.;
 Author: Holly C. Cameron; Old Dominion U.
・Peer support同僚による支援は、
 1ヶ月後のTransfer effectiveness効果的な転移に影響し、
 Opportunity to use使用機会は、
 2か月後のTransfer use転移使用と、Transfer effectivenessに影響していた。
・本研究により、特定時期の介入方法に違いがあることが明らかになった。
・Blume et al.(2010)は、研修転移を2つに分けた:
 1)Transfer use(転移の頻度)
 2)Transfer effectiveness(仕事への適用の質)
・3つの転移モデル:
 1)Baldwin & Ford(1988)のGeneralization & Maintenance
 2)Broad & Newstrom(1992)の研修前、中、後のマトリックス
 3)Holtonら(2005~)のLTSI
・環境要因として、同僚による支援と使用機会を取り上げる。
 同僚は、距離も近く、フィードバックの源となるため重要。
・大学生に対し、3回の調査を実施。研修直後、1ヶ月後、2か月後。
 2か月後の調査に回答したのは、68名。
・結果、同僚による支援と使用機会が、研修転移に影響。
 1ヶ月後の研修転移に、同僚による支援が影響。
 2か月後の研修転移に、使用機会が影響。
・他、「以前の経験」という変数が、研修転移に影響。
 これは、自己効力感と関係している可能性あり。
○これも面白い!
 研修直後から1ヶ月ぐらいは、職場の仲間が、研修で学んだことを実践する
 参加者にフィードバック(どれだけ上手くできているか)を行う。
 1ヶ月後以降は、特にフィードバックしなくても、使う機会を増やしてあげる。
 
 営業研修だと考えやすいかも。
 研修直後から1か月間、同行してもらって、フィードバックをもらう。
 その後は、一人で行って、どんどん試すって感じかな。
-環境要因として2つ:Peer support & Opportunity to use
○「上司」を入れてないのは理由があるのかな。
 研修後の「同僚の支援(フィードバック)」を増やすために、何ができるか。
 研修を受けた受講者が、同僚に頼む。
 同じ研修を、同僚が事前に受けておく。
 上司が、同僚にフィードバックするよう促す、とかかな。
 
●Ignored No More: Within-person Variability Enables Better
 Understanding of Training Transfer
 Author: Jason L. Huang; Wayne State U.;
 Author: J Kevin Ford; Michigan State U.;
 Author: Ann Marie Ryan; Michigan State U.
・Trainee受講者の内面での変動が、研修転移に影響する。
・initial attempt to transfer 初期の転移試行
 subsequent rate of change in transfer その後の転移変化度合い
・これまでの転移研究では、受講者を固定的なものとしてとらえてきた。
 しかし、人は状況によって行動に変動がある。
・時間が影響し、同じ人物の研修転移にも違いが現れる。
・アメリカの大学で、統計学のワークショップを実施。その参加者に調査。
 研修後から、1週間ごと、6週間分のデータを収集。98名分。
・結果、初期の研修試行と、その後の転移変化度合いに違いがでた。
○う~ん・・・よく読み取れてないのかもしれないけど、
 研修直後のほうが「やってみよう!」と思い、
 日が経つにつれて「やらなくなる」のは当たり前といえば当たり前かな。
 「忘れちゃう」「他のことで気を取られる」「どうでもよくなる」等。
-Trajectory 転移の状況は、上がったり、下がったり、高いままであったりする
-研修直後に「Transfer motivation」の高い受講者は、
 直後も高く、その後の転移度合も上がっていく。
○転移を促す途中の働きかけ、刺激は不要なのかな。
●Training Engagement Theory: A Multilevel, Temporal Perspective
 on the Effectiveness of Training
 Author: Traci Sitzmann; U. of Colorado Denver;
 Author: Justin Weinhardt; Ohio U.
・本稿では、Training Engagement theory 研修エンゲージメント理論を提唱。
・組織、人間間、個人の内面レベルでの分析の可能性を提示。
・Training engagment研修での関わり?は、3つの段階がある:
 1)Goal establishment 目標設定
 2)Prioritization 優先順位づけ
 3)Persistence 継続
・2種類の研修ゴール:
 1)Completion goals 修了
 2)Content mastery goals 内容習熟
・Attrition 途中離脱 の問題
・7つの仮説を提示
・内容習熟ゴールを持つ受講者のほうが、
 修了ゴールを持つ受講者より、多くの時間を割く。
○う~ん、これもいまいち。ただ、
 研修企画の段階からの研修ゴール設定の重要性、
 その優先順位をいかに高めるか、という点で考えるヒントになる。
-Attrition(途中でやめる)が、Trainingの問題。
 MOOCSでは、90%が途中でやめている。
-Trainingは、OB researchers にあまりとりあげれていない。
 Trainingは、まだまだブラックボックス。
===
4つの発表が終わった後、ChairのDr.Wernerが、周囲の人との意見交換を促し、
その後、全体での共有が行われました。
-TimeとContextが、4つの発表に共通しているのでは。
「公式な研修が、非公式な学習を促す」という発表をしたTimothyと
名刺交換をしました。
日本好きらしく、両手で名刺を渡され「ありがとうございました」と
片言の日本語で言われました。
===
4日目、終了。明日が最終日です。

投稿者:関根雅泰

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