「質問紙法」

お薦めの本

「心理学マニュアル 質問紙法」
  鎌原雅彦 他編著

 
○質問紙による調査の全体像と具体的なやり方が見える本。
自分が質問紙調査を行う前に、再度読み返したい。

(・引用/要約 ○関根の独り言)
・質問紙法の特徴は、主観的な自己報告を求める点。
 これが人間の内面に迫ろうとする研究領域において欠くことができない理由
・入念な準備、専門的なトレーニングが必要。
・2つの利用法 1)心理尺度法 2)社会調査法
・何を調べようとする質問紙なのかをまず明確に
・質問項目作成作業においては、まず先行研究をすること
 既に質問紙が存在することも多い
・調査者の意図が明確になりすぎないように、フィラー(ダミー)項目も含める
・質問紙で得られた結果は、どのような形であれ、調査対象者に還元する
・質問紙作成の流れ
 1)測定対象を明確にする
 2)項目の候補を収集する
 3)予備データを収集する
 4)項目を決定する
 5)本調査を行う
 6)信頼性の検討
 7)妥当性の検討
・母集団からサンプル(標本)を抜き取るサンプリング(標本抽出)には、
 1)無作為抽出法 2)有意抽出法 がある
・サンプルの大きさを決めるのは、調査費用、労力、時間の制約といった
 現実的な条件
・回収率をあげ、質の高い回答を得るためには
 1)簡単な構造、分かりやすい言葉、多すぎない質問量
 2)依頼状による目的、結果の説明 
 3)謝礼 
 4)返信用封筒に切手
 5)督促状を出す
・結果のフィードバックは、集団レベルの結果にとどめ、個人名は慎む
・回収された質問紙を点検し、整理することを、editing という
・質問紙の個々の項目への回答を記号や数字などの符号に置き換えることを coding
・質問紙調査は、ある時点での集団に関する横断的な「静的」特徴をつかむのに
 適している。定点観測的に根気強く蓄積することで貴重な情報となる
・構成概念を測定する尺度(ものさし)を作るということは、
 数値をある規則に従って割り振ることである。
・尺度の信頼性(正確さ)と妥当性(測りたいものを本当にはかっているのか)
・予備調査を通して、項目の信頼性と妥当性を高め、本調査に臨む
・予備調査においては、尺度項目の10倍の人数は必要。
・ひとつの質問紙で調べられることは限られている
 まず、自分が調べたいことの的を絞ること。
 次に、先行研究を調べる。すでに質問項目が作られていることもある。
・量的資料収集のための回答方法として、
 自由記述法、単一回答法、複数回答法、限定回答法、順位法、一対比較法、
 強制選択法、評定法(7段階)などがある。
・質的資料収集のための回答方法として、
 自由記述法、文章完成法などがある。
・質的データ(カテゴリカルデータ)の分析には、母集団について特別な仮定
 をもたないノンパラメトリック検定が用いられる。
・質的データの検定を行う際に推測統計学が使用される。それが統計的仮説検定。
 統計的仮説検定では、証明しようとする仮説(対立仮説)が正しいことをいう
 ために、それと反対の仮説(帰無仮説)をたて、それを証明しようとする
 わざわざ否定されるために立てられる仮説が、帰無仮説。
 帰無仮説が正しくないことを証明することによって、正しいと言おうとする。
・仮説検定において注意すべきこと
 1)本当は帰無仮説が正しいのに、それを棄却した
 2)本当は対立仮説が正しいのに、帰無仮説を採択した
 
 1)を、タイプIエラー α  2)を、タイプIIエラー β という
・心理学では、2つの変数の関係について言及することが多い。
 その相関関係を表現するための3つの方法として
 1)散布図 2)相関係数 r 3)回帰直線 がある。
・因子分析は、変数の分散をなるべく上手く説明できるような因子を見出し、
 その因子負荷量を決定する手法
○「調査系論文の読み方」の後、この本を読んだから、少しは言葉の意味が
 分かるようになってきた。逆なら、難しかったかも。
○第三部「質問紙法の実際」で取り上げられている調査結果(学校教育)を
 読むと、公立学校に子供を預けていることが怖くなる。
 やはり、教室の中にいる教員によって、ずいぶん変わってくるだろう。
 恐ろしくなる。
・教師には「外部からの批判に対する警戒心」があり、自らの力量の低さを
 同僚や管理職に知られまいとする態度が反映されている。
○小学校でいえば、教室という閉ざされた空間に、大人は自分一人。
 隠そうと思えば、隠せる環境。
 
・いじめ被害ありと答えている子供が在籍するクラスの担任教師の4割が、
 「自分のクラスにいじめはない」と答えている。
 自分のクラスにいじめが存在すると認めることは、自分の指導力不足を
 認めることになり、受け入れるのが苦痛。そこで、自我が「現実を認めないで
 無視する」という手だてを講じているのである。
・教師による評価のゆがみの存在
 教師から見て「望ましい」とされた生徒の特徴は「勉強がよくできる」という点。
 (勉強ができない子は、成績とは関係のない側面まで、悪くみられがち)
 教師は評価項目であらわされている多様な側面をあまり区別できていない。
 教師は、生徒をきめ細かく見ているつもりでも、実際にはそれほど
 きめ細かな認識が出来上がっているわけではない。
○これは、ある意味仕方ないことかも。
 人間である一人の教員が、多数の人間を見るわけだから。
 だが、教師にとって大事なのは、自分が「それほど見えていない」ということを
 自覚することではないだろうか。
 「見えているつもり」の教員もいるのでは。
・自己の要求水準と実績が一致している子供は「ゆるぎない自信」を持っていて
 自尊心が高い
・自己を否定的にとらえていない子供は、順応性に優れている
○娘達にも、こういう面をもってほしい。そのために親にできることは何だろう。

投稿者:関根雅泰

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