最終号「何をもって成果とするのか?」

教育担当者向け 【成果につながる営業教育】

「何をもって成果とするのか?」
皆さん、こんにちは。関根です。
さて、「成果につながる営業教育」もいよいよ今号で最後となります。最終号のテーマは「何をもって成果とするのか?」です。
私たちはこの半年間「成果につながる営業教育」とは何で、具体的に何をすれば良いのかを見てきました。ただ、ここで一つの疑問が出てきます。「成果につながる営業教育」とは何をもって成果とするのか?営業教育をして結局何が得られるのか?
これがはっきりしないために、研修教育という分野では「効果測定」という言葉が良く出てきます。「この研修をやった効果は?どうやって成果を測るのか?」私たちがこの半年間見てきましたように、単発の研修で成果を出すことは難しいです。よって研修効果を測ることも難しいですし、測れたとしても少しの成果しか示せないでしょう。
「成果につながる営業教育」では、その会社の営業戦略実現の手段としての研修という位置づけにする。「質」(営業スキル)だけでなく、「量」(マーケティング・訪問回数)も見ていく。研修の定着化を図るために、営業マネージャーと担当者が同じ研修内容を理解する共通言語化が必要。営業マネージャーによる指導も「質」と「量」を管理し、部下指導を研修内容に基づき行う。
ここまでやらないと、営業教育は成果につながりません。では、ここまでやった結果、どんな成果が期待できるのか?最終的に営業、マネージャー、会社として何ができるようになるのか?「成果につながる営業教育」によって、皆さんが「何を得ることが出来るのか」を見ていきます。
得られることは大きく3つあります。
1.営業担当者の売上数字があがる。
「量」と「質」の管理により、「面談すべき顧客」と「質の高い面談」をする。「質の高い面談」件数が増えれば、商談につながる件数も増える。商談において的確な提案をすれば、受注する件数も増える。
これら「商談率」「受注率」が高まれば、売上数字もあがります。今までは「行きやすい所」に訪問していた営業。話が出ればラッキー。出なくても行きやすいので訪問する。そんなレベルであったとしても「量」と「質」の管理により、受注の可能性が高い所に訪問し、質の高い面談をすれば、受注の確立が高まり、売上があがります。
「本当かな。こんなに上手くいくかなー。」という方もいるかもしれません。ただ、私は断言します。「量」と「質」の管理をすれば、売上数字はあがります。
私の経験の範囲で恐縮ですが、一社目の教材販売では、組織的にこれに取り組んで成果を出していました。(ただ、営業は仕組みの中の駒でしかなかったので、私には耐えられなかったのですが。)前職の研修会社でも、研修という「目に見えない商品」を社内で2番目に売っていたのですが、それも「量」と「質」の管理のおかげです。また、講師として様々な業界を見ても「量」と「質」の管理が出来ている営業担当者は、数字があがっています。
2.営業マネージャーによる指導の平準化が出来る。
「量」と「質」の管理の良いところは、営業マネジメントにおいて「何を、どのように見れば良いか?」が明確になるという所です。「量の管理」においては、「訪問計画と結果」を見れば良い。「質の管理」では、「プロセス」で面談の質を見る。といった具合に、営業マネージャーが部下指導をする際に、どこを見れば良いのかが明らかになります。
その結果、今までは自分の経験に照らし合わせてしか指導できなかったマネージャー、あるいはこの変化の時代に何をすれば良いのか、道が見えなかったマネージャー。そんなマネージャーに「成果を出すためには、これをすれば良いんだよ」と明確に示すことが出来ます。マネージャー自身が試行錯誤を繰り返しながら、成果を出そうとする。そこにかかっていた時間と労力を減らすことができます。
また、配属先のマネージャーによって、本来伸びるハズであった若手などがつぶされてしまう。将来の有望な人材の可能性をつみ取ってしまい、会社に見えない損害を与える。そのような今まで見えなかったコスト削減にもつながります。
3.会社として情報共有が出来る。
「成果につながる営業教育」の会社にとってのメリットは、今まで「KKD」(カン、経験、度胸)や「暗黒大陸」(何をやっているのかよく分からない)と言われてきた営業活動を「目に見える」ようにするということです。
今まで、どこをどういう基準で訪問しているのかもよく分からない。外で何をやっているのかも見えない。とりあえず客先を訪問していたら営業として仕事をしているように見えた営業。そんな営業に「何が成果に結びつく活動なのか」を明確に示す。成果に結びつく活動以外は、無駄であるという観点からコスト管理も出来るようになります。
第五号「営業スキル研修を選ぶ際のポイント」で確認しましたが、「成果につながる営業教育」では、集合研修で営業の経験を整理し、情報を共有します。これはいわば営業担当者個人の中に埋もれているノウハウを形あるものとし、会社の財産として共有を図ることだと言えます。
つまり「成果につながる営業教育」とは、「研修」というよりも「ナレッジマネジメント」の取り組みであるということです。
以上、「成果につながる営業教育」の成果とは、担当者の売上があがる、マネージャーによる指導の平準化が出来る、そして会社としてナレッジマネジメントが実現する、ということです。
ところで、皆さんの会社では、研修によって何が得られるのかを明確にしていますか?
研修をナレッジマネジメントの取り組みとして見ていますか?
成果につながる営業教育、一緒に取り組んでいきませんか?

投稿者:関根雅泰

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