第四号 「質の高い面談を実現するには?(2)」

教育担当者向け 【成果につながる営業教育】

皆さん、こんにちは。関根です。
さて、「成果につながる営業教育」第四号のテーマは、前号に続いて「質の高い面談を実現するには?(2)」です。
前号で「質の高い面談」を実現するには、訪問目的を明確にし、面談準備をしっかりすることが必要であることを確認しました。今回は目的を持った訪問を実現するにはどうしたら良いのか?を見ていきます。
訪問目的を明確にするとは、今日何の為にお客さんを訪問するのかをはっきりさせることです。その為には営業活動全体の目的と個々の面談の目的について考える必要があります。まず営業活動全体から見ていきます。
営業の仕事の目的が「モノ売り」でなく「問題解決」だとするならば、お客さんに会う究極の目的は「問題解決」をすることであると言えます。ただ、いきなりお客さんに会って、「問題解決させて下さい!」と言っても受け入れられません。
お客さんが「この営業となら問題解決を一緒にやっていっても良い」と思うことが重要になります。つまり問題解決に至る一連の流れが必要になるのです。
問題解決に至る一連の流れを、ここでは「営業活動のプロセス」と呼びます。お客さんの問題を解決するには、プロセスを踏んだ営業活動が必要になるということです。営業活動のプロセスには大きく5つあります。
1)位置づけ(Positioning)
2)信頼構築(Relating)
3)問題合意(Discovering)
4)解決提案(Advocating)
5)決定支援(Supporting)
お客さんに会うためには、まずお客さんが「この営業になら会っても良いな」と感じる必要があります。その為に営業と「会う価値」を感じさせる「位置づけ」というプロセスが必要になります。他社と何が違うのか?忙しい中会う価値があるのか?というお客さんの疑問に応える。
会ってみたくなる電話アポの取り方、第三者の紹介、パブリシティによる信用など、様々な手法を駆使し、「お客さんに会う」という第一関門を突破するのが、「位置づけ」というプロセスです。
お客さんに会えたとしても、お客さんは「どうせ売り込みだろう」「今後も会う価値があるのか?」「他社と何が違うのか?」といった警戒心を持っています。お客さんの営業に対する警戒心を解かない限り、お客さんは営業と一緒に問題解決をしていこうなどとは考えません。「そもそもどんな奴なんだ?何ができるんだ?」というお客さんの疑問を解消し、問題について話し合っても良いという信頼関係を築くことが重要です。
「信頼構築」のプロセスで、お客さんの警戒心を解いたならば、次の段階は「問題合意」です。お客さんは何を問題と認識しているのか?そもそも問題が存在するのか?問題があっても解決の必要性を感じているのか?などを、このプロセスではっきりさせていきます。
「問題合意」のプロセスで重要なのは「質問・傾聴」のスキルです。お客さんから問題を聞き出す、問題について考えさせる、問題解決の必要性に気づかせる、など「質問・傾聴」のスキルによりお客さんと「確かに解決しなければならない問題はこれだね」と合意に至ったならば問題の「共有」ができたと言えます。
「問題合意」ができたならば、次にやるべきことは問題の解決策の提案です。お客さんに対して「問題はこれで、解決する為にはこれ(営業が扱う商品・サービス)が必要」と提案する。お客さんへの説明で重要なのは「何故」この商品・サービスでお客さんが抱える問題が解決できるのかの論理的な説明です。これが出来るために、営業には
(1)お客さんの問題が何かを理解している
(2)自社の商品・サービスを熟知している
(3)お客さんの問題と自社の商品・サービスを結びつけることができる、
という3つが求められます。この中で難しいのは(1)と(3)です。お客さんと信頼関係が出来ていないと、お客さんの問題が把握できない、ということと、結びつけはそれぞれの営業の頭の中で起こっている活動である、といった理由からです。どの業界を見ても、この2つが出来ている営業が成果を出していると言えます。
「解決提案」でお客さんに問題解決の提案を論理的に説明した後、残るプロセスは「決定支援」です。お客さんの意志決定に伴う不安「本当にこれに決めてしまって良いのか?」「上長に後で何か言われるのでは?」「成果が出なかったらどうしよう」を解消する段階です。
このプロセスで重要なのはお客さんの立場に立って不安解消の支援をするということです。人は誰でも何かを決める時、特に高い買い物をする時は緊張する、ということを理解し、お客さんの緊張緩和の手伝いをすると言うことです。
これら5つのプロセスに共通するのは、お客さんの立場に立って、お客さんがどんな疑問を持つのかを想像し、その疑問に応える言動をとる、ということです。つまり顧客の側から営業活動を捉え、お客さんが営業にどう接してほしいのかを常に考えるプロセスであると言えます。お客さんと営業という「買う人」「売る人」という対立関係でなく、同じ人間として一緒になって問題解決をしていく協働関係を築いていくのが、「営業活動のプロセス」なのです。
営業活動をプロセスとして捉える2つのメリットがあります。一つはお客さんとの「現在位置が分かる」ということ、もう一つは「対策が打てる」ということです。お客さんが警戒心を持っているという「現在位置」が分かれば、営業が今すべきことは「信頼構築」である。「信頼構築」が出来たならば、次回訪問ですべきことは「問題合意」である、といった具合にです。
つまり、営業活動全体の目的とプロセスが明確になったのならば、個々の訪問の目的も明確にすることが出来ます。
個々の訪問の目的が明確になれば、第三号で確認したように「面談の準備」が出来ます。警戒心を持っているお客さんに対して、警戒心を解くために、例えば紹介してくれた人との関係を説明できるよう準備しておく。「問題合意」の段階のお客さんに対しては質問を準備していく、などです。
このように営業活動全体の流れをプロセスとして捉えることにより、目的を持った訪問をすることができます。お客さんとの現在位置が分かるため、面談前に必要な準備をすることが出来、「質の高い面談」を実現することが出来ます。
ところで、皆さんの会社では営業活動をプロセスとして捉えていますか?
それを実践していますか?
目的を持った訪問ができていますか?

投稿者:関根雅泰

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