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2010年度夏学期 「組織学習システム論」5

中原先生の授業「組織学習システム論」の授業5回目が終了しました。

さし障りのない範囲で「学んだこと・気づいたこと」をシェアします。

(以下は、授業参加者MLに送ったメールです)
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「組織学習システム論」参加者の皆さま

参加者の一人、M1の関根です。


毎度で恐縮ですが、2010年5月18日(火)の授業のふり返りをお送りします。

間違って理解している点がありましたらご指摘いただけましたら幸いです。
どうぞよろしくお願いします。

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2010年5月18日(火)13時〜14時30分
 (・講義内容/他者の発言 ○関根の独り言)


●グループでのミーティング(Oさん、Kさん)

・その論文が引用されている他の論文もみる
 引用されている数が多い論文(被引用論文)ほど重要なターゲット論文となりうる。

・理系では、分散分析は使うが、主成分や因子分析はほとんど使わない。
 自明のものが多いので。


●中原先生によるイントロダクション

・組織社会化の文献では引用されないが、重要な概念として
 「正統的周辺参加」(1988、1991)がある。

・2つのメタファー:(1)学習=参加 participation (2)=獲得 Acquisition

 新参者が「参加」してくることで「古参者」との間に「Conflict=葛藤」が生まれる。

・学習は、Conflictを内包する。葛藤を乗り越えることも学習。

・メンター(指導員)とメンティー(新人)の関係においてもConflictがある、と
 クラム(1988)は言っている。

 新人は成長したら、指導員がうっとうしくなる。
 指導員は「俺のおかげで一人前になった」と考える。

 どこかの段階で、Conflict、葛藤があり「分離プロセス」を経る。
 ここを経て、お互いが新たな役割を得られるとよいが、なかなか上手くいかない。

 指導教員と学生の関係にも当てはまる。

・メンターを固定してしまうと、この分離プロセスが働かない可能性もある。

○期間を区切っておくのも一つの手かも。

○俺も、2社目のときにこの分離プロセスがあったなー。

 入社9か月目に、指導員が退職したことで、独り立ちせざるを得なくなった。
 その人が再度入社してきたときには、やっぱり以前と同じ関係には戻れなかった。

 物理的にも離れていたのがよかったのかも。
 同じ社内だったら上手く分離できなかったかも。


●グループでの発表 (Oさん、Kさん、関根)

 
 発表準備には時間がかかりましたが、やっぱりやって良かったです。
 (劇も皆さんに温かい目で見て頂き感謝します。ひかれるかとちょっと心配してました。)

 家では、奥さんと子供たちが、私が劇の練習をしている様子を、 
 不思議そうに見ていました。

 「楽しそうでいいわね〜」と奥さんには言われました。
 子供たちも「矢印を自分につきさす場面」では大笑いしていました。

 父親が楽しそうに勉強している様子を子供たちに
 見せられたらいいなーと思っています。


 次回発表(6月15日)の準備はこれから始めますが、楽しみながらやっていきます。

 Oさん、Kさん、ありがとうございました!

●中原先生による「統計的分析」の説明

・単回帰分析 一つの原因 X → 一つの結果 Y

・重回帰分析 複数の原因 X1,X2,X3 → 一つの結果

 たくさんのXでYを予想する分析

・相関分析 X(例:組織参入の容易さ)と Y(例:組織文化の肯定的受容)

 との間に関係があるのか、ないのかを探る分析

○オブザーバーのYさんから「統計分析」に関する分かりやすい資料を
 頂きました。これを読んで理解を深めます。

 Yさん、ありがとうございました!


●クラスでのディスカッション

・なぜ、組織社会化の文献では、正統的周辺参加が引用されないのか

・業界、業種によって、違うこともあるのでは(チーム志向、管理志向に関して)

・上司とのコンフリクトをどうの乗り越えていくのか

・古参者と新参者では、パワーバランスが違う

 上司が社会化されるケースは、上司自身の管理職経験が浅いとき

・新人が入る前から、職場はざわざわする

・クリティカルインシデントでは、ネガティブな経験から行動規範を学ぶとあるが、
 ポジティブな経験(お客様にほめられる等)から行動規範を学ぶケースもあるのでは。

 「自分を成長させた出来事」と質問すると、99%は悲惨ストーリーが語られる。

・「組織市民行動」 誰の仕事でもないポテン球を拾おうとする行動。 
  周囲からはヤル気ある人間と見られる。
 
・「出来事をコントロールする」とは?

 DEC社についての「洗脳するマネジメント」では、働きすぎの文化がどのように
 作られるかが描かれている。

 働きすぎを奨励するような言葉やイベントではないが、従業員自らが主体的に
 働きすぎるように仕向けられている。

 エンジニアリングカルチャー部が担当。

○こうやって聞くと、何か異様な感じだが、
 本で書かれない限り、普通に起きることとして受け止められてしまったかも。

○1社目の教材販売会社では、これに近いことがあったなー。

 「上場を目指して、365日体制!」って、ほんとに土日休みなしで会社に来たり
 (どこかの営業所が労働基準監督署に連絡したみたいで、いつの間にかなくなった)

 「新人に1週間でマニュアルをたたきこむ!」って、代々木の研修センターに
 泊り込んで夜遅くまで、皆が大会場でマニュアルの暗記とロープレを競い合ったり。

 
 当時、その会社にいたときは、疑問に思わなかった。

 周りも皆同じようにやっていたし(何人かは内面では疑問に思っていても)
 「こんなもんなんだろう」と思っていた。

 3年後、会社を辞めて、別の会社に入り
 「あ、前の会社ってちょっと変わってたかも」と気付いた。

・会社は、あらゆる手段を使って社会化しようとする。

・組織社会化の成功は、ビジネスパーソンにとっての成功なのか?

 これは、組織がStable(安定)ではない今だから、問われている。
 社会化研究が始まった1960年代には問われなかった。


○「組織社会化の成功は、ビジネスパーソンにとっての成功なのか?」

 この問いに対する俺の答えは

 ある程度の社会化は必要。その組織で仕事をうまく進めていくには。
 その反面、少し距離を置くことも必要。社会化されない部分を維持する。

 そのバランスをうまくとるって感じかなー。

 昔「スーツの下で牙をとぐ」っていう言葉に励まされたけど、その感覚かも。


 ただ、そのためには最初の一定期間は、がむしゃらに社会化されることも必要かも。
 (感じた疑問、違和感は記録に残しておきながら)

 その上で、ある程度社会化されて、仕事もできるようになって、
 外からの視点を取り込んでいく(例:越境学習)のも一つのやり方かも。

 一つの組織で社会化されることで(参加することで)自分のアイデンティティが
 確立されるというのもあるのかも。

 最初から「自分は社会化されないぞ!組織と距離を置くぞ」と構えてしまうと、
 周囲から教えてもらいづらくなる。

 まずは、今いる場所で精一杯やる。そうして初めて次が見えてくるって感じかなー。

 今いる場所でちゃんとできない人間が、他の場所でちゃんとできるのかって
 やっぱり思う。


 「組織社会化されるなんて、お茶の子さいさいよ。
  知らなかった自分に出会えるチャンスかもしれないし。

  でも、社会化されない部分はしっかり保つし、
  逆に、組織にも影響を与えちゃうよー。」

  ぐらいのしたたかさを持てるといいのかも。


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以上です。今回もありがとうございました。

M1関根


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中原先生のブログ「研究室をオープンにする意味」
 http://www.nakahara-lab.net/blog/2010/05/post_1694.html

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